『エンジェル ウォーズ』:2011、アメリカ&カナダ
ある少女の母親が死んだ。少女は妹と共に、悲しみに暮れる。遺言書を見た継父は、「全ての財産を2人の娘に与える」という文言に激怒 した。彼は少女を部屋に閉じ込め、向かいの部屋にいる妹に襲い掛かる。少女は窓から抜け出して駆け付けるが、妹は継父に殺されていた 。少女は銃を構えて継父を撃とうとするが、引き金を引くことが出来なかった。屋敷の外に飛び出すと、警官隊が包囲していた。継父は 少女に妹殺しの罪を被せ、レノックス精神病院に連行した。
病院の職員ブルー・ジョーンズが少女と継父を出迎え、「最初に入る時には、ゴルスキー博士に会わせることになっています」と説明した 。それから彼は、2人を大部屋に案内する。ブルーは「我々はここを劇場と呼んでいます」と言う。そこではヴェラ・ゴルスキー博士が 舞台上の少女に指示を出している。ブルーは「ここは患者たちの交流の場です。ステージでショーを演じることで、心の傷を癒やす手伝い をゴルスキーがしています」と述べた。
継父はブルーに1400ドルの支払いを約束し、少女へのロボトミー手術を要求していた。しかしブルーは彼に2000ドルを吹っ掛け、「貴方が 娘さんに何をしたか、警察が不審に思ったら娘さんの話を聞きたがるだろうなあ」と言う。継父は仕方なく、2000ドルの支払いを承諾した 。ブルーは「ここにはロボトミー手術の出来る医者がいません。しかし外から来ますので、処置は5日後に」と告げた。
それから5日後、少女は椅子に固定され、ドクターが手術を行うことになった。杭が頭に打ち込まれようとした時、「やめて」という声が する。だが、その声を発したのは少女ではなく、スイートピーという別の女だった。椅子の拘束を外させた彼女は立ち上がり、「こんなの やってられない。何のためのショーなの」と振付師のゴルスキーに反発した。スイートピーは「ロボトミー手術より、もっと他に受ける 設定があるでしょ。私はショーの主役なんだから」と文句を付けた。そこは秘密クラブのショールームだ。
そこへ秘密クラブのオーナーであるブルーが、少女と男を伴って現れた。男は継父と同じ顔だが、ブルーは神父だと説明する。ブルーは スイートピーに、「神父が孤児院から連れて来た女だ。5日後、例の大富豪が来る。この花を摘みとるためにな。ベイビードールに館を 案内してやってくれないか」と述べた。スイートピーは「無理よ。芝居の練習で時間が無いの。妹に案内させるわ」と妹のロケットを呼ぶ 。ロケットはベイビードールを客の相手をする部屋へ案内し、「ブルーはここのオーナーで、私たちはメインの見世物。表向きはクラブ だけど、裏では薬も売るし、スペシャルサービスもある」と説明した。
クラブで働くスイートピー、アンバー、ブロンディーは、稽古場でダンスの練習をする。アンバーが「新入りの子、なんか可哀想」と口に すると、ブロンディーは「アンバーはみんなに同情するのね」とクールに告げる。そこへロケットがベイビードールを連れて来て、みんな を紹介する。ロケットは「私たちはダンサー。毎日、客の前でショーをする。気に入られたら、その客を喜ばせる」とベイビードールに 話す。彼女たちはダンサーの仕事だけでなく、雑用もやらされていた。
食品庫からチョコレートを盗み出そうとしたロケットは、コックに見つかって襲われる。悲鳴を聞いて駆け付けたベイビードールは、包丁 を突き付けてコックを脅し、ロケットを解放させる。ショーの稽古をする時間になり、ベイビードールとロケットも稽古場に行く。すると ゴルスキーは、いきなりベイビードールに「曲を掛けるから、踊ってみせて」と指示した。ベイビードールが全く動かないので、音楽を 止めたゴルスキーは「踊らないのは何の意思も無いってことよ。そんな者は要らない。生き残りたければ、今すぐ戦いなさい。恐れるのは やめなさい。必要な武器は揃っている」と語った。
ゴルスキーが改めて音楽を掛けると、ベイビードールは踊る気になった。その途端、彼女の周囲の光景が変化し、目の前に日本の寺院が 出現した。ベイビードールの来ている衣装も、セーラー服のようなコスチュームになった。寺院に入った彼女は、そこにいたワイズマンと いう男に「何を捜している?」と問い掛けられた。ベイビードールが「ここを出たいんです」と言うと、彼は「自由か。それほど困難な ことかな。手助けをしてやる」と述べた。
ベイビードールが「どうすればいいの?」と訊くと、ワイズマンは「お前の武器だ」と日本刀を見せる。「武器を手にした時、自由への旅 が始まる」と言われ、ベイビードールは日本刀を手に取った。ワイズマンは「旅には5つのアイテムが必要だ。地図、火、ナイフ、鍵。 最後の一つは謎だ。それは理由であり、ゴールでもある。それは大きな代償を伴い、完全な勝利を得る。お前だけがそれを見つけられる。 見つけた時、全てから解放される」と語った。
ワイズマンはベイビードールを寺院の外に連れ出し、「自分で身を守れ」と行って扉を閉じた。ベイビードールは、雪景色に3体の鎧武者 を見る。ベイビードールが鎧武者を倒すと、稽古場に戻っていた。ベイビードールは見事なダンスを披露し、喝采を浴びた。その夜の寝室 で、スイートピーは「あんなクネクネしたダンス」と酷評する。「私はダンスで自分を表現してる。アンタのダンスは何?」と彼女の質問 を受けたベイビードールは、「ここから逃げ出して自由になりたい。大富豪が来る前に」と答えた。
ロケットは「私も一緒に行っていい?」とベイビードールに乗ろうとするが、スイートピーは「ここから逃げられた子はいない」と冷淡に 言う。ベイビードールが「計画だけでも聞いてくれない?」と持ち掛けても、「そんなの、誰も聞きたくない」と彼女は拒んだ。翌日、 ロケットは楽屋でスイートピーを誘うが、「私は行かない。一人で行って」と言われる。するとロケットは「この前、コックに襲われた時 にベイビーが助けに来てくれた」と話し、スイートピーの気持ちを変えようとする。
そこへベイビードールが来て、黒板に4つのアイテムを書いた。「大富豪が来るまであと3日。それまでに逃げ出す。一緒に来る気がある なら計画を聞いて」と彼女が言うと、楽屋にいたスイートピー、ロケット、ブロンディー、アンバーは同意した。「この4つのアイテムを 集めれば自由になれる」とベイビードールが話すと、スイートピーが「どうやって集めるの」と尋ねる。「アイテムを持ってる相手に私の ダンスを見せる。その間に盗んでほしい。私が踊れば、あいつらの気を逸らせる」とベイビードールは言う。
ベイビードールは「最初に手に入れたいのは地図よ」と口にする。それはブルーのオフィスにある。逃げる時に火事を起こすための物も 必要だ。ナイフは護身用に必要で、それはコックが持っている。鍵はブルーが首に掛けている。それはクラブの全ての扉を開けることが 出来るマスターキーだ。スイートピーは「無理に決まってる。銃を持った護衛が見張ってるのよ」と反対するが、他の面々はやる気になる 。スイートピーは仕方なく承諾するが、「だけどヤバくなって私がやめるって言ったら、そこで終わりよ」と条件を付けた。
まず最初は、ブルーがベイビードールのダンスを見に稽古場へ行っている間に、スイートピーが地図を盗み出すことにした。ダンスをする 気になったベイビードールが意識を高めると、場面が戦場に移る。上官のワイズマンは女兵士のベイビードールやスイートピーたちに、 「今回の任務は、ドイツ軍が皇帝に送る地図を奪うことだ」と作戦を説明した。彼は「アンバーには特別なブツを用意してある。地図を 奪ったら脱出しろ」と言う。アンバーは用意された巨大ロボットに乗り込んだ。ベイビードールたちは力を合わせてドイツ軍のゾンビ兵士 軍団と戦い、地図を手に入れた。
ベイビーは稽古場でのダンスを終える。ブルーはゴルスキーに「良かった、最高だ。あのダンスを市長の前で披露させよう。興奮させて 市長と部下たちに金を落としてもらう」と持ち掛けた。「まだ早すぎるわよ。もっと練習しないと。ショーのことを決めるのは私。まだ 早い」とゴルスキーは反対するが、ブルーは「確かにショーはお前の物だが、お前は俺の物だ。明日、ベイビーを踊らせろ」と命令した。 オフィスに戻ったブルーは、壁の地図に誰かが触れた形跡に気付いた。
スイートピーはアンバーに、「今夜、市長が来るわ。貴方がライターを盗むの」と告げる。アンバーは「私には無理よ」と怖がるが、 「アンタの客でしょ」とスイートピーは言う。市長と側近がショールームにやって来て、ベイビードールがステージに現れた。ダンスが 始まろうとした途端、ベイビードールは戦闘機の中に移動した。仲間のスイートピーたちと、上官のワイズマンも一緒にいる。
ワイズマンはベイビードールたちに、「任務を説明する。アンバーが空からみんなを援護しろ。ブロンディーは機銃担当だ。他の3人は 中庭に降下し、兵士たちを殺して城の中へ進め。巣に辿り着いたら赤ん坊を見つけろ。そいつのノドを斬り裂け。首の中にはクリスタルが 2つある。それを打ち付けると、見たこともないほど見事な炎を作り出せる」と説明した。ベイビードール、スイートピー、ロケットは城 に降下し、モンスター兵士たちを銃撃して奥へ進む。
ベイビードールはドラゴンの子供を発見し、剣でノドを斬り裂いた。彼女はクリスタルを取り出し、紅蓮の炎を発生させた。すると巨大な 親ドラゴンが出現し、炎のブレスを吐いてベイビードールたちを攻撃する。ベイビードールは剣を使い、ドラゴンを退治した。ダンスを 終えたベイビードールに、市長は拍手を送った。アンバーは彼の上着の内ポケットから、密かにライターを抜き取っていた。
ベイビードールたちが楽屋で喜んでいると、ブルーがやって来た。「お前ら、何か隠してないか。俺のオフィスに入って悪さしてないよな 。それと客の持ち物が無くなったり。そんなことがあったら大変だ」と、彼は嫌味っぽい口調で言う。彼は「どうやら誰がボスかを改めて 教えておいた方が良さそうだな。馬鹿な真似はやめるんだな」と脅しを掛けて去った。スイートピーは「ブルーにバレたんだから、もう 終わりよ」と計画の中止を促すが、ロケットは「もうちょっとなのよ」と激しく反発した。
稽古場でブロンディーが泣いているのを、ゴルスキーが発見した。「何かあったの。話してみて」と優しく言われ、ブロンディーは「絶対 に秘密にして」と話そうとするが、そこにブルーがやって来た。他の面々は、厨房で計画を進めようとしていた。ベイビードールは音楽に 合わせ、コックにダンスを見せようとする。周囲の景色は切り替わり、ベイビードールと仲間たちは上官から「爆弾を乗せた列車が数十体 のメカガンマンにジャックされた。機械どもを倒し、爆弾を解除して盗み出せ」と命じられた。
ベイビードールたち戦闘ヘリで出撃し、メカガンマンを倒して爆弾を解除しようとする。だが、その途中でベイビーは妄想から醒めた。 スイーピーがナイフを盗もうとした時、コックに気付かれてしまったのだ。激怒したコックは、ナイフを振り上げて彼女に襲い掛かった。 スイートピーを庇ったロケットが、コックに刺されて命を落とした。ベイビードールたちが悲しんでいるところへ、ブロンディーから 脱走計画を聞き出したブルーが乗り込んできた…。監督はザック・スナイダー、原案はザック・スナイダー、脚本はザック・スナイダー&スティーヴ・シブヤ、製作はデボラ・スナイダー& ザック・スナイダー、製作総指揮はトーマス・タル&ウェスリー・カラー&ジョン・ジャシュニ&クリス・デファリア&ジム・ロウ& ウィリアム・フェイ、撮影はラリー・フォン、編集はウィリアム・ホイ、美術はリック・カーター、衣装はマイケル・ウィルキンソン、 視覚効果監修はジョン・“DJ”・デジャルダン、ファイト・コレオグラファーはデイモン・カロ、音楽はタイラー・ベイツ&マリウス・ デヴリーズ。 出演はエミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ、スコット・グレン、ジョン・ハム、ジェナ・マローン、ヴァネッサ・ハジェンズ 、ジェイミー・チャン、カーラ・グギーノ、オスカー・アイザック、 リチャード・セトロン、ジェラルド・プランケット、マルコム・スコット、ロン・セルモア、AC・ピーターソン、リヴァール・ デュフレーン、ケローラ・クリングウォール、フレデリク・ド・ラコール、モニク・ガンダートン、リー・トマシェフスキー、エリー・ スナイダー他。
『ウォッチメン』『ガフールの伝説』のザック・スナイダーが監督、脚本、製作を務めた作品。
ベイビードールをエミリー・ブラウニング 、スイートピーをアビー・コーニッシュ、ワイズマンをスコット・グレン、ドクターをジョン・ハム、ロケットをジェナ・マローン、 ブロンディーをヴァネッサ・ハジェンズ、アンバーをジェイミー・チャン、ゴルスキーをカーラ・グギーノ、ブルーをオスカー・ アイザック、継父をジェラルド・プランケット、コックをマルコム・スコットが演じている。
『ドーン・オブ・ザ・デッド』と『ウォッチメン』『ガフールの伝説』は脚本担当が別の人間で、『300 <スリーハンドレッド> 』は 原作付きだったので(ちなみに他の3作も全て原作か原案がある)、これはザック・スナイダーにとって、初めてオリジナル脚本で勝負 した作品ということになる。
その結果、彼が典型的なオタク脳の持ち主であることがハッキリと露呈された(それ以前から気付いていた人も多いだろうけど)。
そして本作品は酷評を浴び、興行的にも失敗した。ヒロインが精神病院へ行くまでの6分ほどは、セリフが無く、BGMに合わせた映像が流れる。
ほとんどPVのような状態だ。
ブルーと継父の交渉が終わった後にも歌が流れ、やはりセリフは無く、精神病院の様子が断片的に描かれ、あっさりとロボトミー手術 シーンに到達する。
そこもやっぱり、PVだよな。
秘密クラブの稽古場から寺院に場面が切り替わるところも歌が流れ、これまたPVっぽい。この映画は、精神病院に入れられる少女の話が最初と最後にあって、ロボトミー手術を施される少女が見る妄想世界の映像があって、その 妄想世界のベイビードールがダンスをする時の妄想内妄想があるという三重構造になっている。
で、そんな構造の話を見せられる中で、「所詮は妄想だからなあ」と、冷めた気持ちになる。
つまり、ベイビードールが命懸けで戦っているのは妄想の世界なので、そこで彼女が傷付こうが、殺されようが、それは妄想に過ぎない んだよなあ、と思っちゃうのよ。
一応、その妄想世界は、精神病院での彼女を取り巻く状況を別の形で表現したものではあるんだけど、戦いの内容や結果に関しては、ほぼ 現実社会とリンクしていないからね。
っていうか、そもそも、その妄想が現実社会を別の形で表現しているってのも、最初から分かるようになっているわけじゃないし。
その一方で、それが妄想だってことは最初から分かるので、余計に「所詮は妄想の話でしょ」という気持ちが強くなるわけで。「ロボトミー手術を施される少女が見る妄想世界」って書いたけど、ようするにザック・スナイダーの妄想だ。
ザックリと言うならば、これはリュック・ベッソンの『フィフス・エレメント』と同じようなモノで、ようするに「ザック・スナイダーが オタクな妄想を好き勝手に盛り込んだ映像作品」ということだ。
しかも、あの『フィフス・エレメント』よりもストーリーテリングに対する意識は低く、ツギハギ感がハンパ無い。
とにかく「まず描きたい映像ありき」で、それを繋ぎ合わせるために適当なストーリーをくっ付けただけという印象を強く受ける。
あと、マジにツッコミを入れても仕方が無いんだろうけど、秘密クラブやバトルの世界をヒロインの妄想と考えると、彼女がヘソ出し セーラー服になったり、寺院や鎧武者が登場したりするのは不可解なんだよね。
そんな男っぽいオタク能の持ち主には到底見えないぞ、あのヒロイン。たぶん「見せたい映像」のメインはアクションなんだろうけど、そこには何のカタネシスも無いし、爽快感も無い。
だからって、虚無感や悲壮感が心を突き刺すわけでもない。
ただ単に、すげえ陰気で暗いだけ。
爽快感もカタルシスも無くて陰気なアクションって、そんなのを誰が見たがるのか。
眠狂四郎シリーズだって、主人公は虚無を抱えたキャラだけど、アクションシーンは決して陰気じゃないぞ。妄想世界と妄想内妄想はリンクしているけど、それはヒロインの脳内での出来事に過ぎない。
実際のヒロインは、何も救われていない。
ロボトミー手術を施され、廃人になってしまうのだ。
精神病院から脱出できるわけでもなく、無実の罪を晴らせるわけでもなく、妹を殺された復讐を果たせるわけでもない。
まあ最初から「こりゃハッピーエンドとかカタルシスの得られるラストとは縁が無さそうだな」という匂いはプンプンと漂っていたけど、 そんな予感が的中しても、何の喜びも無いよ。妄想の中でアイテムを手に入れる方法が「ダンスで引き付けておいて盗む」って、なんじゃ、そりゃって感じだ。
そこはアクションでもなければ、綿密な作戦を立ててのミッションでもないのかよ。そんで「ダンスを始めようとすると妄想内妄想で アクションが始まる」って、無駄にややこしい設定になってないか。
だったら、そのアクションの世界を「ヒロインの妄想」にすればいいんじゃないのかと。で、そこをヒロインの現実世界とリンクさせれば いいんじゃないかと。
1つ1つのアクションシーンの舞台設定が異なるので「全て異なる妄想」という形にしたのかもしれんけど、「何でもアリの世界で、地域 によってはドラゴンがいる城があって、地域によってはメカガンマンのいる列車が走っていて」ということにしちゃえば良かったんじゃ ないの。
どうせ妄想なんだから。秘密クラブの部分を用意して、妄想を2つの階層にしている意味がサッパリ分からん。秘密クラブで商売女として扱われている若い娘たちがダンスを踊らさせるという設定なんだから、そこにエロティックな味付けがあるのか というと、まるで無いんだよな。
そこをエロの方向性で演出しているのであれば、そこを妄想の第一階層として用意した意味は出て来るんだろうけどさ。
何しろ、踊ろうとするとすぐにアクションに切り替わるぐらいで、エロいアプローチなんて全く無いんだよな。その妄想世界でさえ、ベイビードールの戦いはハッピーエンドに繋がらない。
仲間たちは殺され、ベイビードールはスイートピーを逃がすための囮になる。
スイートピーだけが逃走に成功しても、こっちは何も喜べない。
ラスト近くになって、精神病院からスイートピーを逃がすための手伝いをヒロインがやっていたことが明らかになるが、それも何の救い にもならんよ。そこまでに、その精神病院でベイビードールとスイートピーが親しくなっていた様子も全く描かれていないし。
終盤になって「物語の主役は私(ベイビードール)じゃなくて貴方(スイートピー)」とか言われても、まるで納得できないしさ。この内容で108分ってのも、長すぎるんじゃないか。内容はペラペラなんだから。
っていうか、ほぼPVかゲームのデモ映像のようなモノなんだから(アクションシーンに入ると、もう完全にゲーム映像)、そんなのを 100分以上も見続けるのは厳しいものがある。
ゲームのデモ映像として考えると、こっちはコントローラーで自由に操作できないんだし。
ただし短くすれば面白くなったのかと言われると、答えはノーだけどさ。
それだけで解決できる問題じゃないからね。(観賞日:2013年2月2日)
2011年度 HIHOはくさいアワード:2位