『移動都市/モータル・エンジン』:2018、アメリカ&ニュージーランド

わずか60分という古代人の戦争で、世界は荒廃した。生き残った人々は移動都市を建造し、新たな生活を始めた。小さな岩塩採掘都市のソルツハーケンは巨大移動都市のロンドンに捕食対象として狙われ、逃亡を図った。マグナス・クロム市長は捕食を指揮するサディアス・ヴァレンタインに、追い詰めるよう命じた。ソルツハーケンは倉庫を空にして、都市の速度を上げた。ロンドン博物館のチャドリー・ポメロイ博士やアーケンガース教授たちは追跡に盛り上がる人々と距離を置き、激しい震動から古代文明の宝を守ろうとする。サディアスの娘のキャサリンが現れると、ポメロイは部下のトム・ナッツワーシーが遅刻していることへの苛立ちを示した。
ロンドンはソルツハーケンに銛を撃ち、取り込み作業を完了させた。トムが慌てて博物館に飛び込むと、ポメロイは「警告は3度目だ。これで最後だ」と告げた。ロンドン市内に入ったソルツハーケンの住民は、古代文明の品物であるオールドテクは廃棄するようアナウンスで指示された。トムはキャサリンから60分戦争を研究していると聞き、当時の資料がほとんど現存していないことを教える。トムは研究室へ彼女を案内し、自身が復元したオールドテクを見せた。
トムはメデューサと呼ばれた量子エネルギー兵器の映像を再生し、兵器を無効化するクラッシュ・ドライブをキャサリンに見せた。トムはオールドテクが盗まれていること、上司に報告しても何も対処してもらえないことを話し、兵器に転用できるオールドテクを金庫に収納したことを教える。トムを敵視するハーバードは、その様子を密かに観察していた。トムはキャサリンのおかげで列車に乗せてもらい、駅に着いた。駅には反移動都市同盟を率いるアナ・ファンの手配書があり、トムは「ブタ箱に入れるべきだ」と口にした。
キャサリンはトムの友人であるベヴィスとぶつかってしまい、落とした荷物を拾って詫びる。しかしベヴィスは冷たい態度を取り、すぐに立ち去った。貴重なオールドテクが無雑作に捨てられそうになっているのを目撃したトムは、慌てて拾い上げた。そこへサディアスが現れ、彼の行為を褒めた。ソルツハーケンから来たヘスター・ショウは、サディアスに気付いて鋭く見据えた。サディアスは娘からトムを紹介され、「両親を知っている」と握手した。
近くで喧嘩かを始まるとサディアスは制止し、ソルツハーケンの住民に「皆さんには住まいや仕事が支給される」と丁重に扱うことを約束した。ヘスターが隠し持っていたナイフを構えると、気付いたトムは慌ててサディアスの元へ向かった。ヘスターは「母の仇。パンドラ・ショウの仇」と言い、サディアスを刺した。しかしトムに邪魔されて止めを刺せず、ヘスターは逃亡する。すぐにトムは追い掛け、軽傷だったサディアスも走り出した。
ヘスターが転落死しそうになると、トムは慌てて腕を掴む。しかしヘスターは自分の母を殺したことについてサディアスに尋ねるよう言い残し、トムの手を振りほどいて自ら身を投げた。サディアスはトムから「彼女は貴方が母親を殺したと言っていた」と聞かされ、彼を突き落した。キャサリンが駆け付けると、サディアスは「トムは女と争って転落した」と嘘をつく。ベヴィスは一部始終を目撃していたが、キャサリンに気付かれると立ち去った。
キャサリンからヘスターについて問われたサディアスは、「会ったことも無いが、反移動都市同盟のメンバーだろう」と言う。サディアスは反移動都市同盟の重要拠点となる静止都市「シャングオ」について言及し、平和的な共存など有り得ないと述べた。ヘスターはロンドンの外へ放り出されて生きており、気絶しているトムの体を探って所持品を奪う。トムが目を覚ますとヘスターはナイフを突き付け、その場から去ろうとする。トムが慌てて後を追うと、ヘスターは「潜入に半年も掛かったのに、全て台無しにした」と激怒した。トムは彼女に、ロンドンに戻るために交易都市まで連れて行ってくれと頼んだ。
サディアスはクロムと交信し、作戦の失敗を批判される。サディアスは自身のエネルギー計画を推進するよう訴えるが、クロムは否定的だった。トムは目的地が分からず適当に「あっちへ行こう」と南を指差すが、ヘスターは「絶対に近付かない」と拒否した。サディアスはトゥイクス博士の元へ行き、装置の変更と作業の続行を依頼した。トゥイクスはヘスターを始末する必要があると言い、刑務所で機械人間「ストーカー」が捕まったという情報を教えた。
トムは飛行士になりたかったこと、8年前に両親が死んで夢を諦めたことをヘスターに話す。ヘスターはトムから身の上話を求められるが、冷たく拒絶した。トムは走って来る都市を見て交易都市だと感じ、大声で手を振った。しかしヘスターは「サウジーよ」と叫び、夜間の狩猟部隊であるスカヴの襲来だと教える。狙われたヘスターとトムは慌てて逃げ出し、昆虫都市「スカットルバグ」を操縦するレイランド夫妻に救われた。
キャサリンはベヴィスを見つけ出し、ヘスターについて教えるよう頼む。ベヴィスは拒否して去ろうとするが、キャサリンが食い下がるとサディアスがトムを突き落したことを教える。彼はサディアスのエネルギー計画が見せ掛けだと言い、セントポール大聖堂で何かを作っていると教える。「潜入を試みたが警備が厳重で無理だった」とベヴィスが話すと、キャサリンは協力を持ち掛けた。ヘスターはトムに、考古学者の母を8歳で亡くしたことを話した。母のパンドラは世界中を旅して遺跡を発掘しており、サディアスは友人だった。しかし発掘した物をサディアスが奪う気だと悟ったパンドラは、ヘスターに預けて逃げるよう指示した。サディアスはパンドラを殺し、ヘスターに切り付けて頬に傷を付けた。サディアスは目当ての物を手に入れ、ヘスターは逃亡したのだった。
刑務所に赴いたサディアスはストーカーのシュライクがヘスターを追っていると知る。サディアスの質問に対し、シュライクは「ヘスターは約束を破った。彼女を殺す」と答える。サディアスは刑務所を攻撃してシュライクを解き放ち、ヘスターを追わせることにした。トムとヘスターは案内された部屋に監禁され、行き先が南に変更されたことに気付く。脚を怪我して動けないヘスターは、トムに逃げるよう促す。しかしトムは彼女を置いていけず、部屋に留まった。
ヘスターとトムは小都市のスピードウェルに連行され、奴隷としてオークションに出品される。そこへアナ・ファンが現れ、商人たちを始末してヘスターを救う。ヘスターがトムを助けて逃げ出そうとすると、シュライクが立ちはだかった。アナは2人を飛行船のジェニー・ハニヴァー号に乗せ、その場を離脱した。ヘスターから助けた理由を問われたアナは、パスカルの友人だったこと、ずっと捜索していたことを話した。
シュライクに育てられたことを知ったトムが「あれは野蛮な化け物だ」と声を荒らげると、ヘスターは「彼が助けてくれたのよ」と反論した。ハーバートはサディアスに接触し、軍事的に転用できるオールドテクの存在を教えた。ヘスターはトムに、シュライクが自分を殺害して機械人間に変えようとしたことを話す。それはヘスターの悲しみを見たシュライクが、解放してやるつもりで思い付いた計画だった。ヘスターも変身を受け入れるつもりだったが、ロンドンが近付いていることを知ったヘスターはサディアスに復讐するためシュライクの元を去ったのだ。
キャサリンはベヴィスをロンドン博物館へ連れて行くが、ポメロイから工学ギルドの手先が金庫のオールドテクをセントポール大聖堂へ運んだことを知らされる。アナはトムにジェニー・ハニヴァー号を操縦させ、空中都市の「エア・ヘイヴン」に着く。サディアスはクロムに無断で、ロンドンの進路を東に変更した。キャサリンとベヴィスは秘密の回廊を使い、セントポール大聖堂に侵入した。アナはヘスターに、サディアスの計画を阻止するために娘を捜し出すようパンドラが死ぬ前に頼んでいたことを説明した。ヘスターは何も分からなかったが、トムはサディアスの行動を思い出した。トムはヘスターに質問し、サディアスがパンドラから奪ったのは量子エネルギー兵器を制御する装置の核だと気付いた。
同じ頃、サディアスは60分戦争で使用されたメデューサをセントポール大聖堂で起動させていた。それを目撃したキャサリンとベヴィスは、その場から退避した。トムはアナたちに、メデューサを止めるにはクラッシュ・ドライブが必要だがロンドンにあるか分からないと話す。そこへアナの仲間のヤスミナ・ラシードが来て、ロンドンがシャングオへ向かった情報を知らせた。サディアスはクロムにメデューサの起動を知られ、世界を支配する野心を堂々と口にした。
クロムがメデューサの停止を命じても工学ギルドの面々は誰も従わず、サディアスは彼を射殺した。アナはサディアスがシャングオの壁を狙っていると確信し、クワン総督に連絡しようとする。そこへシュライクが襲来し、エア・ヘイヴンに火を放ってアナたちを攻撃する。アナはシュライクと戦い、その間にヘスターとトムを逃がそうとする。しかしシュライクはヘスターの前に立ちはだかり、戦いを挑んだトムを簡単に失神させる…。

監督はクリスチャン・リヴァース、原作はフィリップ・リーヴ、脚本はフラン・ウォルシュ&フィリッパ・ボウエン&ピーター・ジャクソン、製作はゼイン・ウェイナー&アマンダ・ウォーカー&デボラ・フォート&フラン・ウォルシュ&ピーター・ジャクソン、製作総指揮はフィリッパ・ボウエン&ケン・カミンズ、共同製作はデヴィッド・コンリー、製作協力はパム・シルヴァースタイン&カルロス・ラミレス・ラローリ、撮影はサイモン・ラビー、美術はダン・ヘナー、編集はジョンノ・ウッドフォード=ロビンソン、衣装はボブ・バック、視覚効果監修はKen McGaughケン・マクガフ、視覚効果監修はルーク・ミラー&ケヴィン・スミス、音楽はトム・ホルケンボーグ。
出演はヘラ・ヒルマー、ロバート・シーハン、ヒューゴ・ウィーヴィング、スティーブン・ラング、ジヘ(イ・ジヘ)、ローナン・ラフタリー、レイア・ジョージ、パトリック・マラハイド、コリン・サーモン、マーク・ミッチンソン、レジ=ジーン・ペイジ、メニク・グーンラタン、フランキー・アダムズ、レイファー・シグルダルソン、カーン・ウェスト、アンドリュー・リーズ、ソフィー・コックス、キー・チャン、サラー・パース、マーク・ハドロウ、カレン・ピストリアス、ポピー・マクラウド、ジョエル・トベック、テリー・ノリス、カルム・ギッティンズ、ピーター・ロウリー、ミーガン・エドワーズ、アーロン・ジャクソン、ステファン・ウレ他。


フィリップ・リーヴの小説『移動都市』を基にした作品。
WETA Digitalの社員としてピーター・ジャクソンの作品でストーリーボード・アーティストや視覚効果アート・ディレクターなどを担当してきたクリスチャン・リヴァースが、初めての長編監督を務めている。
脚本は『ロード・オブ・ザ・リング』と『ホビット』シリーズのフラン・ウォルシュ&フィリッパ・ボウエン&ピーター・ジャクソン。
ヘスター役にはアイスランド映画『殺意の誓約』でヒロインを演じていたヘラ・ヒルマー、トム役には『ムーン・ウォーカーズ』『ジオストーム』のロバート・シーハンが抜擢された。
サディアスをヒューゴ・ウィーヴィング、シュライクをスティーブン・ラング、アナを韓国人歌手のジヘ(イ・ジヘ)、ベヴィスをローナン・ラフタリー、キャサリンをレイア・ジョージ、マグナスをパトリック・マラハイド、チャドリーをコリン・サーモン、ヴァンブレイスをマーク・ミッチンソン、コーラをレジ=ジーン・ペイジ、サスヤをメニク・グーンラタン、ヤスミナをフランキー・アダムズ、ニルスをレイファー・シグルダルソンが演じている。
レイア・ジョージはヴィンセント・ドノフリオとグレタ・スカッキの娘で、これが劇場映画デビュー作。

2018年に公開されたハリウッド映画の中で、最も大きな赤字を出した作品である。
しかも製作費が1億ドルに対し、米国での興行収入は約1600万ドルという壮絶な大コケで、ダントツのワーストだ。
世界興収で8300万ドルほど稼いだものの、もちろん大赤字である。
原作小説は4部作であり、ピーター・ジャクソンは「本作品をヒットさせてシリーズ化」ってのを想定していたらしい。
だが、その可能性が完全に消えたことは言うまでもないだろう。

序盤から、色々と疑問が多い。世界は荒廃したはずだが、移動都市を建造できるってのは文明が発展しているんじゃないか。
そもそも荒廃した場所で生活を始めるなら、膨大な燃料や人員を必要とする移動都市よりも、定住した方がいいんじゃないか。
捕食した都市の住民も受け入れていたら、せっかく資源を奪っても意味が無いんじゃないか。
襲撃して捕食しておいて「丁重に扱いますよ」ってな態度で住民を受け入れても、「いやテメエらが襲わなきゃ平和に暮らせていたんだよ」って話じゃないのか。

ディティールは超が付くぐらい適当で、「何となく察してね」みたいなザル設定になっている。
そこを軽視するにしても、移動都市というギミックを全面に押し出し、それを使ったアクションのつるべ打ちで観客を引き込んでしまうエナジーとパワーがあれば、それだけでも強引に突破することは可能だ。
しかし、掴みは悪くないものの、そこが「移動都市バトル」としてはピークになってしまう。
アクションという意味では、その後も何度か用意されている。ただし、「移動都市のバトル」という要素からは外れるモノばかりだ。

そもそも、製作サイドは「移動都市の対決」を描きたかったのではなくて、どうやらヘスター・ショウという人物を描きたかったらしい。
ところが、そんなドラマの中心に配置されているヘスターとトムが、ちっとも魅力的じゃないのである。
これが本作品の致命的な欠点になっている。
これは演じるヘラ・ヒルマーとロバート・シーハンに役者としての力が不足しているということもあるのだが、それよりもキャラクター造形が弱いという問題が圧倒的に大きい。

特に問題が大きいのはトムで、自分のせいでヘスターの計画を台無しにしておいて、罪の意識は皆無に等しい。そして自分を憎んでいるヘスターに助けを求めておきながら、やたらと軽薄な態度を取る。
こいつの言動が、いちいち神経を逆撫でするようになっている。
「最初は不愉快な奴だったが、次第に変化していって」という形で主人公の成長を描き、観客を引き付ける方法はある。たぶん、そういう路線を狙っていたんだろうという節は窺える。
しかし残念ながら、トムに成長は見られるものの、魅力的な主人公とまでは呼べないレベルに留まっている。

なぜハーバートがトムを嫌悪し、潰そうと目論んでいるのか分からない。
ハーバートからすりゃトムは最下層で身分違いの人間なのだが、そんなトムが自分を差し置いて高い評価を受けたり出世したりしているわけではない。それどころか、遅刻して注意されているぐらいだし、あまり上から目を掛けられている様子は窺えない。トムはキャサリンの案内を担当しているが、好意を寄せられている様子も無いしね。
っていうか、そもそも「最下層に住むトムやベヴィス」と「富裕層のサディアスやキャサリン」という構図も全く見えて来ないのよね。
そのくせ中途半端な形で触れているので、邪魔な要素になっちゃってるぐらいだ。

次から次へと専門用語が飛び交うが、それについての説明はほとんど用意されていない。
だから原作を読んでいない人は、置いてけぼりを食らう恐れがある。
いちいち詳しく説明していたら、そこに多くの時間と手間を食ってしまい、なかなか話が先に進まないという問題はあるだろう。
ただ、そういう事情は充分に理解した上で、それでも「説明不足が甚だしい」と問題から目を背けることは出来ない。それが作品を堪能する上で大きな欠点になっていることは、紛れも無い事実だしね。

キャサリンとベヴィスはセントポール大聖堂で何か作られていると睨み、行動を起こす。そしてヘスターやトムたちより先に、メデューサの起動を知っている。
それを考えると、もっと重要な存在として扱われるべきじゃないのか。
ところが実際のところ、こいつらの行動はストーリー展開に難の影響も及ぼしていないのだ。
そこはヘスターたちのパートと並行して描かれているけど、ここが上手く絡み合うことは無い。2人のパートをバッサリとカットしても、何の支障も無いのだ。
ようするに、主要キャラクターがあまりにも多すぎて、まるで扱い切れていないってことなのよ。

ヘスターがシュライクに殺されそうになったトムを必死で助けようとして涙を流し、「愛してるのか」とシュライクが動揺するシーンがある。
だけど、いつの間にヘスターがトムを愛するようになったのかと。
いや、段取りとしては分かるのよ。トムがヘスターを置きざりにせず一緒に残るシーンとか、ヘスターがトムに過去を話すシーンとかを重ねて、「2人の心の距離が近付いて行く」ってのは描いているからね。
ただ、「ヘスターが命懸けで守ろうとするほどトムを愛するようになっていた」というのを納得させるほどのドラマがあったのかと問われると、それは無いでしょ。

だから「愛を感じたシュライクがヘスターに対する殺意を捨てて」という展開にも無理が生じてしまう。っていうか、そもそもヘスターとシュライクの疑似親子関係の描写がペラッペラなので、「切ない別れ」を描かれても心に刺さるモノは皆無だし。
「機械人間のシュライクが人間の心を取り戻して云々」ってのは、ベタではあっても丁寧に描けば確実に感動を生む素材だ。でも、そこの扱いや工程が雑だから、我々の前に出された料理は何の味もしないのだ。
シュライクが絶命の寸前に過去を思い出すけど、これも今までの蓄積があればこそ感動に繋がるシーンだ。
何も積み上げていないから、虚しく過ぎ去るのみだ。

シャングオってのは台詞では前半の内に触れているが、どういう場所なのかってのはハッキリしていない。
なので後半に入り、サディアスがシャングオの壁を破壊しようと目論んでいることが明らかになった時、初めて「そういう場所なのね」ってことが判明する形になっている。
でも本来なら、先にシャングオがどんな場所かを説明しておいて、実際の場所も描いておいて、その上で「サディアスがメデューサを使ってシャングオの壁を狙う」というクライマックスに突入すべきなのだ。
ロンドンが近付いた時にシャングオが初登場ってのは、どう考えても構成に難がある。

終盤、ヘスターやアナたちにメデューサを止めさせるため、反移動都市同盟の仲間が敵の攻撃を受けて犠牲になっていく。美しい自己犠牲であり、涙を誘うシーンと言ってもいいだろう。
しかし、そこまでの描写が薄っぺらいから、「良く知らない雑魚キャラが死んでいく」というだけになっている。そこで初めて名前が明らかになる奴もいるし。
ちゃんと「死に様」を感じ取ることが出来るのは、アナぐらいしか見当たらないのよね。しかもアナに関しては、反移動都市同盟のリーダーとして明らかに特別扱いされているから、そりゃあ目立つのは当然なのだ。
そんなアナにしても、決して充分に描かれているとは言えないし。

(観賞日:2020年11月28日)

 

*ポンコツ映画愛護協会