『インフォーマーズ〜セックスと偽りの日々〜』:2008、アメリカ

1983年、ロサンゼルス。豪邸で盛大なパーティーが開かれ、多くの若者がDJの音楽に合わせて踊っていた。グラハム・スローンと恋人のクリスティーは、静かなプールサイドで抱き合っていた。グラハムの友人のマーティンとティムは、その様子を少し離れた場所から見ていた。グラハムはブルースの訪問を受け、耳打ちされたのでクリスティーを連れて外へ出た。クリスティーはグラハムを見送る時、彼ではなくブルースを見つめた。ブルースは煙草を吸いながら彼女を見つめていたが、走って来た車にひかれて死亡した。
ミュージシャンのブライアン・メトロは専用機でロスへ向かっており、エージェントのロジャーから「時間を合わせろ。ロスに着くぞ」と言われる。「安定剤かガムが必要か?」とロジャーに訊かれた彼は、「俺はロスに住んでたよな?」と口にした。映画プロデューサーのウィリアムは、仕事の電話をしながらテレビでニュースキャスターのシェリル・ムーアを眺めた。ローラはベッドで目を覚まし、シェリルが写っているのを見てテレビを消した。
グラハムはホテルでクリスティーとセックスし、時間を知ると「マズい。遅れる」と出掛けようとする。しかしクリスティーが「行きたくない」と言うと、彼は「僕もだよ」と告げる。2人がホテルを出る時、フロント係のジャックはピーターと電話で話していた。ジャックはピーターの存在を疎ましがっており、「もう家には来ないでくれ。アンタはイカれてる」と頼む。しかしピーターは「仕事の計画がある」と言い、自分と仲間を泊めるよう要求した。
ブルースの葬儀が高級ホテルで執り行われ、母は息子を亡くした悲しみを語る。グラハムはクリスティーを伴って参列し、ウィリアムは遅れて現れた。葬儀の後、ウィリアムはローラに声を掛け、スパゴに予約を入れたことを話した。「スーザンとグラハムは?」とローラが尋ねると、彼は「子供たちは誘ってない」と答える。ローラが「貴方と2人きりは、まだ気まずいわ」と言うと、ウィリアムは2人に電話で確認することを引き受けた。
グラハム、マーティン、ティムはブルースの死を全く気にせず、まるで無関係なことを話した。仲間のレイモンドは泣きながら「酷いよ、こんな時に」と責めるが、グラハムたちは冷めた様子を示す。グラハムが「ブルースはいい奴だった」と言うと、マーティンは「正気か?クリスティーとあんなことしてたのに?」と口にする。「奴が彼女と何を?」とグラハムが訊くと、彼は「お前に隠れてヤッてた」と言う。マーティンが「彼女とは遊びだろ。お前だって彼女一筋じゃない」と話すと、グラハムは「だが俺の彼女だ」と告げた。
レイモンドはトイレの個室へ行き、さらに泣く。マーティンはグラハムに、「ブルースはレイモンドを酷く嫌ってた」と述べた。グラハムはトイレへ行き、「彼は俺の友達だった?」とレイモンドに訊かれて「友達だった」と嘘をついた。ウィリアムはスーザンとレストランで会い、「兄さんは?」と問われて「忙しそうで話せなかった。グラハムも友達が亡くなって辛いだろう」と話した。「シェリルとは?」と質問された彼は、「彼女とは別れた」と言う。「ママの所へ戻ることにした」とウィリアムが明かして意見を求めると、「パパが本気とは思えない」とスーザンは告げる。ウィリアムが「本気だよ」と言うと、彼女は「兄さんと私は、もう家には戻らない。夫婦に戻っても、もう家族じゃない」と語った。
ローラはマーティンと不倫しており、「家には電話しないで。もう家に来ないで」と告げる。理由を訊かれた彼女は、ウィリアムが戻って来ることを話す。マーティンは関係を続けるつもりだったが、ローラは「もう会えないわ。これっきりにしましょう」と別れを通告した。ベッドで目を覚ましたブライアンは、見知らぬ男女が裸で寝ているのを目にした。彼は慌てて電話を掛け、ボディーガードに2人を部屋から連れ出させた。
ジャックが帰宅するとピーターが待っており、「来ると言っただろ」と不遜な態度を見せる。ジャックが苛立ちながら「一晩だけだぞ」と言うと、彼は「育ての親に優しくしろ」と述べた。仲間の居場所を尋ねるジャックに、ピーターは「悪事のせいで砂漠にいる。身を潜めることにしたんだ。メアリーは車にいる」と答えた。「誰だ?」とジャックが訊くと、ピーターは車を開け、ドラッグで意識朦朧としている少女のメアリーを紹介した。
氷風呂に入っていたブライアンは、電話が鳴ったので酒を飲みながら出ようとする。しかし足が滑って転倒し、割れた酒瓶で左手を切った。受話器を取ると相手はロジャーで、「ガキを連れ込むなと何度言ったら分かる?合意があっても18歳未満とは駄目だ」とブライアンは説教される。ブライアンは「手を怪我して動かせない。医者を呼んでくれ」と言い、「映画プロデューサーのゲイリー・グレイと会う」と聞かされる。ブライアンが「打ち合わせは無理かもしれない」と弱々しく言うと、ロジャーは「ホテルの医者を呼ばせる」と告げ、腕の注射痕を隠すために長袖を着るよう指示した。
グラハムとマーティンはブライアンのミュージック・ビデオを見ながら、クリスティーとの性戯を楽しむ。同じ部屋で傍観していたティムは電話を受け、グラハムに「ダークからだ」と伝える。電話を受けたグラハムは「何が必要だ?手に入れるよ」と仕事を引き受け、ティムに車で送るよう頼んだ。ティムは「無理だ。ハワイに行く」と断り、部屋を後にした。母と暮らす家に戻ったティムは荷物を支度し、父のレス・プライスが待つ運転手付きのリムジンに乗り込んだ。ティムは父に心を開かず、そっけない態度を取った。「来てくれて嬉しいよ。母さんから来られないかもしれないと聞いていた」とレスが言うと、彼は「ハワイに行くんだろ。楽しくなるさ」と告げた。
ブライアンはゲイリーと会い、「バンドを取り上げたドキュメンタリー映画が好評だった」と起用の理由を語る。ベーシストのエドが飛び降り自殺した出来事にゲイリーが触れると、同席したロジャーは「バンドは分裂してた」と述べた。ゲイリーはブライアンに本人役で主演してほしいと告げ、宇宙のロックスターというコンセプトと映画のプロットを説明した。ロジャーに感想を尋ねられたブライアンは、無言で部屋を出て行った。
グラハムがクリスティーとプールサイドで休んでいると、スーザンがやって来た。クリスティーが席を外すと、スーザンは兄に両親の復縁を知っていたのかと尋ねる。グラハムが「母さんに聞いたよ。驚くよな」と軽く口にすると、彼女は「ラリってるのね。兄さんとは話も出来ない」と苛立つ。スーザンは「ママへの仕打ちが気にならないの?また同じことをするわ。私が面倒を見たの。もう二度と御免よ。パパが浮気したら、ママはもう立ち直れない」と言い、何とかするよう求めた。グラハムが部屋に戻ると、クリスティーはマーティンたちと4Pを楽しんでいた。
シェリルがテレビ局で仕事の準備をしていると、ウィリアムから電話が掛かって来た。「家の電話に出ないね」と言われた彼女は、仕事で忙しかったのだと説明する。「会いたいんだ」とウィリアムが告げると、シェリルは「ローラと復縁するんでしょ」と言う。ウィリアムが「君が恋しい。大きな間違いだった」とヨリを戻そうとすると、シェリルは荒々しく電話を切った。メアリーを乗せて車を運転していたピーターは、1人の少年に目を付けて拉致した。
レスはティムとバーに入り、カウンターにいる2人の女性について「どう思う?」と意見を求める。「デートしないのか?口説けるぞ」とレスは下卑た笑みを浮かべ、パティーとダーリーンという2人組に声を掛けた。ティムは楽しそうにナンパする父に軽蔑の眼差しを向け、「ここで口説いてろよ」と部屋に戻った。クリスティーはグラハムに、手足に変な出来物があることを話した。グラハムが「俺と君ではマーティンとの関わり方について、望むことが違うかもしれない」と言うと、クリスティーは「マーティンはイカれた女のニーナ・メトロと暮らしてる。彼は貴方ほど大事じゃない。みんなで楽しんでるだけでしょ。深刻に考え過ぎよ」と語る。「君が奴と寝るのが嫌なんだ」とグラハムが話すと、彼女は「ピルを飲んでる。それに2人ともマーティンと寝てるのよ。私は気にしない」と軽く述べた。
スローン家は4人揃ってレストランへ行き、夕食を取る。スーザンがブライアンのコンサートに行く予定を語ると、話の流れでマーティンの名前が出た。スーザンは「あの男はただのヤク中よ。それに男娼よ」とローラに言うと、グラハムが「母さん、彼は男娼じゃないよ」と否定した。別のテーブルにシェリルが来たのを見て、ウィリアムはそちらばかり気にする。シェリルが席を立ったのを見て、彼は「トイレだ」と嘘をついて後を追った。
シェリルはウィリアムに声を掛けられて驚き、「もう無理よ。離婚すればお金が掛かるとか、そんな話を聞かされるのは嫌なの。周りの人間をどこまで不幸にするの?」とウィリアムを批判する。「私に近付かないで」と彼女が頼むと、ウィリアムは「マンションはそのままにしてある。明日の夜。部屋で会おう。もしくは自家用機でベガスに行ってもいい」と告げる。「ベガスになんか行かない」とシェリルは拒むが、「金曜の慈善パーティーで話そう」という誘いは承知した。ローラは戻って来たシェリルに気付き、「慈善パーティーには行くだろ?」とウィリアムから確認されると「なぜ行く必要があるの?」と苛立ちを示した。
仕事を終えて帰宅したジャックは、ピーターが少年を監禁していると知って激怒する。ピータへは悠然とした態度で、「あのガキは金になる。電話で話した俺の計画だ。ウエストLAの金持ち連中の依頼だ。あの手のブツに7000は払う」と語る。ローラはマーティンと話そうと考えて電話を掛けるが、出たのはクリスティーだった。クリスティーはマーティンが不在だと伝え、音楽ビデオの撮影中ではないかと告げる。「ジュリーなの?マーティンが国道で拾った子でしょ?その後のパーティーでマーティンと消えたよね」とクリスティーが訊くと、ローラは「彼女じゃない」と電話を切った。
マーティンがブライアンのミュージック・ビデオ撮影に参加していると、グラハムが訪ねて来た。グラハムはマーティンにコカインを渡し、「クリスティーは?出演の予定では?」と尋ねる。「信頼できないからやめた」とマーティンは言い、今夜はブライアンの元妻であるニーナの家に泊まると告げた。ハワイのビーチで寛いでいたレスは、マイタイのお代わりを注文するようティムに頼む。カフェへ赴いたティムは、レイチェルという若い女性に声を掛けられた。ティムが彼女に誘われて泳ぎに行く様子を、レスは微笑で眺めた。
ブライアンはコカインを吸いながらニーナに電話を掛け、「息子のジェイミーと話したい」と告げる。「今は友達と一緒だからダメよ」とニーナが断ると、彼は「あの子を電話に出せ」と声を荒らげる。ニーナが「切るわよ」と言うと、彼は「面会権は無くても、電話で話す権利は失ってない」と怒鳴る。ニーナは憤慨し、「二度と電話してこないで」と告げた。ライブの時間になったのでブライアンはステージに上がるが、少し歌っただけでマイクから離れた。彼がホテルの部屋に戻ると、ベッドでミス・ネブラスカの女が待っていた。ブライアンは服を脱いでセックスに誘い、彼女の首を絞めて殴り付けた。
夜中に目を覚ましたグラハムがロビーに行くと、ジャックが外を眺めていた。ホテルの外には警察が来ており、グラハムが何があったのか尋ねるとジャックは「分からないけど、男が妻を銃で脅したか、撃ったのかもしれない」と述べた。ジャックは「俺の育ての親が、アンタの父親の会社に勤めてたんだ。でもクビにされたらしい。女優と何かあったとかで。彼は正気を失って。故郷のバーストウに帰った。でも俺は俳優だから、ここに戻って来た」と語り、「この街で成功するには、きわどいことをしないと難しいよね。俺にはその覚悟がある」と述べた。ティムはレストランで夕食を取る時、レイチェルを呼んでレスに紹介した。レスとレイチェルが自分の知らな男優の話題で盛り上がり、馬鹿にされたように感じたティムは不機嫌になって席を外した…。

監督はグレゴール・ジョーダン、原作はブレット・イーストン・エリス、脚本はブレット・イーストン・エリス&ニコラス・ジャレッキー、製作はマルコ・ウェバー、製作総指揮はブレット・イーストン・エリス&ヴァネッサ・コイフマン&ヘルゲ・サッシー&ブライアン・ヤング&ジェレ・ハウスファター&ニコラス・ジャレッキー、共同製作総指揮はミゲル・シュウィックラス、撮影はペトラ・コーナー、美術はセシリア・モンティエル、編集はロバート・ブレイキー、衣装はソフィー・カーボネル、音楽はクリストファー・ヤング。
出演はビリー・ボブ・ソーントン、キム・ベイシンガー、ウィノナ・ライダー、ミッキー・ローク、ジョン・フォスター、アンバー・ハード、リス・エヴァンス、クリス・アイザック、オースティン・ニコルズ、ルー・テイラー・プッチ、メル・レイド、ブラッド・レンフロ、アーロン・ヒメルステイン、ジェシカ・ストループ、シモーネ・ケッセル、スザンヌ・フォード、キャメロン・グッドマン、フェルナンド・コンサグラ、キャティー・ミクソン、ステファニー・ニューカーチ、ディエゴ・レスク、ミレーナ・アランゴ他。


ブレット・イーストン・エリスの小説『インフォーマーズ』を基にした作品。
監督は『戦争のはじめかた』『ケリー・ザ・ギャング』のグレゴール・ジョーダン。
脚本は原作者のブレット・イーストン・エリスと、ドキュメンタリー映画『The Outsider』を手掛けたニコラス・ジャレッキーによる共同。
ウィリアムをビリー・ボブ・ソーントン、ローラをキム・ベイシンガー、シェリルをウィノナ・ライダー、ピーターをミッキー・ローク、グラハムをジョン・フォスター、クリスティーをアンバー・ハード、ロジャーをリス・エヴァンス、レスをクリス・アイザック、マーティンをオースティン・ニコルズ、ティムをルー・テイラー・プッチ、ブライアンをメル・レイド、ジャックをブラッド・レンフロが演じている。
ブラッド・レンフロはヘロインの過剰摂取で2008年1月15日に死亡したため、これが遺作となった。わずか25年の生涯だった。

粗筋では最初からキャラクターの名前を書いているが(当たり前だけどね)、実際に登場シーンで名前が出てくるのは数名だけ。ほとんどのキャラは、名前が判明しないまま次のシーンへ移る。
それだけでなく、しばらくは他のキャラとの関係性も判明しない。
しかし群像劇なので、主要キャストは多い。そんな大勢の顔と名前を序盤で一致させ、相関図を把握するのは、初見だと至難の業だろう。
そして、そこを理解しようとしている間に話が進んでしまい、ドラマに入り込むことを妨害される。
「キャラと相関図を紹介する作業を進めながら観客をドラマに引き込む」ってことが出来ればいいんだけど、そんな仕事はこなせていない。

ただし不幸中の幸いで、主要キャラの顔と名前が一致して相関図が把握できたところで、肝心な状況は大して変わらない。
「肝心な状況」ってのは、「描かれているドラマを面白く感じられるかどうか」ってことだ。
ようするに、情報を整理して把握してもしなくても、どっちにしろ「面白くない」という印象は何ら変わらないってことだ。
複数のエピソードが並行して描かれるわけだが、物の見事に1つとして引き付けられるモノが無いのである。

群像劇の中でも、軸になっているのはスローン家の人々だと捉えていいだろう。ここだけは他と違って、一家総出で群像劇に参加しているからね。
具体的にスローン家の設定をザッと書くと、ウィリアムは家庭に戻ると決めるが、その一方でシェリルとの不倫関係は続行しようと企む。
ローラはウィリアムの浮気で精神を病んだ過去があり、彼との復縁を機会にマーティンとの不倫を終わらせようとする。
グラハムはクリスティーと付き合っているが、彼女の奔放すぎる性的関係に不満を抱いている。

そうやって列挙した時点で気付いた人も多いだろうが、実はスーザンだけ個人的なエピソードが何も用意されていない。他の3人は誰かと何かしらの関係で性的関係を持っているのだが、スーザンだけは家族以外のキャラとの交流が皆無に等しい。
だったら彼女を「群像劇の鍵を握る人物」として扱っているのかというと、そういうわけでもないんだよね。
スーザンだけは家族の中で「モラルを守って健全であろうとする人物」なんだし、ここを上手く使えば背徳の愚かしさを示すことも出来たはずだが、まるで使いこなせていない。
それどころか、いつの間にかスーザンはフェイドアウトしてしまう。

他の主要キャラが揃いも揃ってアンモラルな連中なので、たぶん多くの観客にとって最も身近に感じられるのってスーザンじゃないかと思うんだよね。
ってことは、最も感情移入しやすいのもスーザンってことになるはずで。
感情移入できるキャラが全ての映画において必要不可欠とまでは言わないけど、いた方が何かと便利なのは事実であって。
で、そういう使い方をしないのなら、スーザンみたいに「健全な人間」は排除しちゃった方がいいんだよね。そして「セックスと偽りの人々」として話をまとめちゃった方がいいんだよね。

ただ、スーザンを外したとしても、それで全てが解決するわけではない。
ジャックはピーターのせいで事件に巻き込まれた被害者であり、ティムは恋愛やセックスに大してピュアな考えを持っている様子が窺える。そういうキャラもいるので、「これって何の話なんだろう」と。共通項とか統一感ってのが見えない。
あえて言うなら「同じ街に住む人々」ってことになるんだろうけど、「ロサンゼルスは人を堕落させる退廃的な街」ってのがテーマなのか。
だとしても、それを上手く表現できているわけではないし。

冒頭でブルースが車にひかれて死ぬのはショッキングな出来事だが、それが以降の物語において何の意味を持つ出来事なのかはサッパリ分からない。
車にひかれたってことは犯人がいるはずだが、そこは完全にスルーしている。
浮気性のウィリアムがシェリルと別れたことを後悔してヨリを戻そうとするのは分かるとしても、なぜローラと復縁することを決めたのかサッパリ分からない。
そしてウィリアムは最後までクズのままで、ローラとは完全に彼を拒絶する。

ジャックはピーターのせいで犯罪に巻き込まれ、少年を殺したように偽装して逃がし、ダークから逃げざるを得なくなる。ティムはレスを軽蔑したままで、その親子関係を完全に断絶する。
ブライアンはニーナに息子と会うことを断られ、ミス・ネブラスカの首を絞めて殴る。クリスティーは病気になり(どうやらエイズを発症した様子)、ニーナに呼ばれたグラハムが彼女の元へ出向いて会話を交わす。
全てのエピソードが、「そんで結局、何を伝えたかったのか」と言いたくなる終わり方なのだ。
「終わり方」と書いたけど、実は何も終わっちゃいないんだよね。全てのエピソードが宙ぶらりんのまま、途中で放り出されているような感じなのだ。

(観賞日:2021年8月22日)

 

*ポンコツ映画愛護協会