『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』:1989、アメリカ

1912年、アメリカのユタ州。ボーイスカウトのインディ・ジョーンズは、砂漠の岩山にある洞窟で、盗賊がコロナドの十字架を発掘している様子を目撃した。インディは一緒にいた友人に、保安官を呼んで盗掘を知らせるよう告げる。インディは盗賊の目を盗んで十字架を奪うが、気付かれてしまう。盗賊と雇い主であるパナマ帽の男に追われ、インディは列車に飛び移って格闘を繰り広げた。
何とか逃げ出したインディが自宅に戻ると、父ヘンリーは聖杯の研究に没頭していた。そこへ保安官が来るが、彼はパナマ帽の味方だった。インディは十字架を取り上げられるが、盗賊のリーダーは彼の根性を称え、自分のソフト帽を彼に渡して立ち去った。1938年、インディはポルトガル沖の船で、パナマ帽の男と十字架を巡って戦いになった。嵐の中、インディは十字架を奪い、船から脱出した。
インディは考古学教授として勤務するニューヨーク大学に戻り、副学部長で博物館長でもある親友マーカス・ブロディーに十字架を渡した。大学を去ろうとしたインディを、実業家ウォルター・ドノヴァンの部下が待っていた。ドノヴァンのペントハウスに連れて行かれたインディは、アンカラで発掘された石盤を見せられた。石盤は大きく欠けていたが、そこに記された古代文字を解読すると、キリストが最後の晩餐で使った聖杯について記されていることが分かった。
聖杯で飲んだ者は、永遠の命が得られるという伝説がある。第一次十字軍に参加した騎士の3兄弟が聖杯を発見したが、無事に戻ったのは1人だけだった。彼は死ぬ前に聖杯のことを修道士に話し、その内容が文献に記録されている。その騎士は聖杯のありかについて、2つの手掛かりを残していた。一つはアンカラで発掘された石盤で、もう1つは死んだ騎士と共に埋められている。
ドノヴァンはインディに、「私が依頼した調査隊長は、それがイタリアのヴェニスにあると断言した。だが、彼は資料と共に蒸発した」と語る。ドノヴァンから隊長の捜索を依頼されたインディは、「それは私より父の方が適任だ」と告げる。するとドノヴァンは、蒸発した隊長がヘンリーであることを明かした。インディがブロディーと共に父の家へ赴くと、室内は何者かによって荒らされていた。インディはヴェニスから届いた郵便物のことを思い出した。包みを開けると、それはヘンリーが聖杯の研究を記録した手帳だった。
インディはドノヴァンの依頼を承諾し、ブロディーと共にヴェニスへ飛び、ヘンリーの助手エルザ・シュナイダーの出迎えを受けた。2人はエルザから、ヘンリーが古い教会を改装した図書館で調べ物をしている途中に失踪したことを聞かされた。彼女はインディに、ヘンリーが図書館に残した紙切れを渡した。そこにはローマ数字が記されていた。図書館に到着したインディは、その中にある騎士の墓の場所を、ローマ数字が示していると気付いた。
床下の地下道を発見したインディは、手帳をブロディーに預け、エルザと共に中へ入った。直後、複数の男たちがブロディーを殴って失神させ、インディたちの後を追った。石油が漏れ出している道を進んだインディとエルザは、騎士の棺を発見した。棺を開けると、文字が彫刻された盾が入っていた。その文字を紙に写し取った直後、追い掛けていた男たちが石油に火を放った。
炎が燃え広がる地下道から脱出したインディとエルザは、モーターボートで逃走し、追ってきた男たちを蹴散らした。インディはリーダーのカジムを捕まえ、自分たちを狙った理由を問い詰めた。すると、彼らは聖杯を悪者から守るために活動している十字剣兄弟団だった。カジムはインディに、ヘンリーがドイツとオーストリアの国境にあるブルンワルド城に幽閉されていることを教えた。
インディは写し取った文字を解読し、アレクザンドレッタに聖杯があることを突き止めた。アレクザンドレッタは第一次十字軍によって破壊され、今はトルコのイスケンデルンという町になっている。インディはブロディーに、友人であるエジプトの発掘王サラーを呼ぶよう依頼した。インディは父を救い出すため、エルザと共にブルンワルド城へ向かうことにした。その直前、手帳の存在を黙っていたことでエルザと口論になるインディだが、熱い接吻を交わして肉体関係を持った。
ブルンワルド城に潜入したインディは、フォーゲル大佐が率いるナチスの聖杯捜索隊を目撃した。インディは監禁されていたヘンリーを発見し、部屋にやって来た敵のマシンガンを奪って攻撃する。インディとヘンリーが城を抜け出そうとすると、フォーゲルがエルザに銃を突き付けて待ち受けていた。ヘンリーは「あの女はスパイだ」と言うが、インディは耳を貸さず、マシンガンを手放した。するとエルザはインディに近付き、手帳を奪い取った。ヘンリーの言う通り、エルザはナチスと結託していたのだ。
インディがヘンリーが捕まったところへ、ドノヴァンが現れた。彼は聖杯を手に入れるため、ナチスと組んでいたのだ。インディは手帳から地図を破り取り、それをブロディーに渡していた。だが、ブロディーはイスケンデルンでフォーゲルの部下に拘束された。一味はインディとヘンリーを広間で縛り上げ、集会に出席するため城を後にした。インディはヘンリーにポケットのライターを示し、それで縄を燃やして切るよう指示した。だが、ヘンリーはライターを絨毯に落としてしまい、たちまち部屋中に火が燃え広がった。
フォーゲルは本部から2人の抹殺を命じられ、城に戻った。インディとヘンリーは何とか縄を解き、城から脱出して追っ手を撒いた。インディがブロディーを助けに向かおうとすると、ヘンリーは手帳を取り戻すよう告げる。手帳には、聖杯の隠し場所に用意された3つの罠をクリアするための方法が記されているのだという。インディはベルリンへ向かい、ドイツ軍の制服を着て集会に潜入した。彼はエルザを捕まえ、手帳を奪還した。
インディとヘンリーは、ベルリン空港から飛行船に乗る。ヘンリーはインディに、罠を回避するための言葉を教えるが、意味は分からないという。その時、飛行船が急に旋回した。ドイツ軍が連れ戻すつもりだと察知した2人は、飛行船に繋がれている複葉機に乗り込んだ。敵の飛行機に襲撃される中、ヘンリーのヘマによって複葉機の尾翼が壊れてしまう。不時着した2人は、敵の飛行機を退治した。
インディとヘンリーはサラーと合流し、ドノヴァンたちの軍勢を監視する。インディたちは気付かれ、攻撃を受けた。彼らが回避した直後、十字剣兄弟団がドイツ軍への攻撃を開始した。インディは戦闘に紛れて一味の馬を奪うが、戦車に乗り込んだヘンリーが捕まってしまう。何とかフォーゲルを倒したインディたちは、聖杯が隠された遺跡へと向かうドノヴァンの部隊を追い掛けた…。

監督はスティーヴン・スピルバーグ、原案はジョージ・ルーカス&メノ・メイエス、脚本はジェフリー・ボーム、製作はロバート・ワッツ、製作総指揮はジョージ・ルーカス&フランク・マーシャル、撮影はダグラス・スローカム、編集はマイケル・カーン、美術はエリオット・スコット、衣装はアンソニー・パウエル&ジョアンナ・ジョンストン、音楽はジョン・ウィリアムズ。
主演はハリソン・フォード、共演はショーン・コネリー、デンホルム・エリオット、アリソン・ドゥーディー、ジョン・リス=デイヴィス、ジュリアン・グローヴァー、リヴァー・フェニックス、マイケル・バーン、ケヴォルク・マリキャン、ロバート・ヤング、アレクセイ・セイル、アレックス・ハイド=ホワイト、ポール・マックスウェル、ミセス・グローヴァー、ヴァーノン・ドブチェフ、J.J.ハーディー、ブラッドレー・グレッグ、ジェフ・オハコ他。


シリーズ第3作。全作に同じ役柄で出演しているのは、インディ役のハリソン・フォードのみ。パット・ローチも3作全てに出演しているが、演じた役が全て異なる。
ブロディー役のデンホルム・エリオットとサラー役のジョン・リス=デイヴィスは、1作目からの復帰。
ヘンリーをショーン・コネリー、エルザをアリソン・ドゥーディー、ドノヴァンをジュリアン・グローヴァー、若き日のインディをリヴァー・フェニックスが演じている。
撮影監督のダグラス・スローカムは、これが遺作となった。

オープニングのシークエンスでは、若き日のインディが盗賊と戦う様子が描かれる。
サーカスの列車に飛び乗ったインディは、大量の蛇が入った箱に落下する。
ライオンの貨車に落ちたインディは、壁に掛けてあった鞭を振るって手懐けようとする。この際、誤って鞭がアゴに当たり、怪我を負っている。
その後、聖杯を保安官に取り上げられたインディは、盗賊のリーダーからソフト帽を貰う。

ようするに、このシークエンスでは、インディが蛇嫌いになった理由、鞭を使うようになった契機、ソフト帽を入手した経緯という風に、今までの2作で御馴染みとなったインディのトレードマークについての説明をしているわけだ。
ファンに向けてのサービス的なノリって感じかな。
ちなみにアゴの傷は、インディではなくハリソン・フォードのアゴに実際にあるものだ。
それを「インディが幼い頃に怪我をした」という描写にしているのは、いわゆる遊び心ってやつだね。

ただ、シリーズのファンにとって楽しめるシーンだとは思うが、十字架を奪った盗賊からソフト帽を貰って現在のシーン(とは言っても1938年だが)に移るというのは、何となくスッキリしない。
苦い記憶として描かれるわけでもなく、もちろん良き思い出でもなく、なんか中途半端だなあと。
それに、貰ったソフト帽を今でも被っているからには、その盗賊のリーダーはインディにとって思い出深い人のはずだが、1938年のポルトガル沖では姿が無く、その後も全く触れられないままだし。
それと、十字架をパナマ帽から奪還しているけど、後の話には全く繋がらないし。
そうなると、若き日のシークエンスの意味って薄いなあと。

今回の本題に入ると、インディは父を捜索するために行動を開始する。
そのように今回は父との関係がクローズアップされるわけだが、だったら若き日のシークエンスで、その親子関係に関して、もうちょっと触れておいた方がいいんじゃないのか。
インディが十字架を巡って戦う様子よりは、ヘンリーの存在や、インディと反りが合わないことなどを、もっと示しておくべきだろう。
アクションシーンから始めたいということなら、ヘンリーの調査に無断で付いて行ったインディが盗賊と戦う流れにするとか。

インディはエルザからヘンリーの残した紙切れを渡されると、すぐに解き明かしてしまう。
だから謎解きのワクワク感や醍醐味は全く味わうことが出来ない。
紙切れに記された最後のローマ数字である「X」は、インディが謎を解き明かす時に初めて提示される形であり、こっちにヒントを見せて、謎について考える時間を与えてくれることは無いのだ。
それ以降も、ミステリーの面白さは無い。
まあ深く考えず、頭をカラッポにして見なさいってことだ。歴史考証は適当だしね。

ヘンリーはエルザのインディに対する「あの時は燃えたわ」という言葉を自分に向けられたものと勘違いしたり、ライターを床に落として火事を起こしたり、銃撃で誤って自分が乗っている複葉機の尾翼を破壊したりと、トボけた顔をしてヘマを色々とやらかしている。
彼とインディとの掛け合いもユーモラスだ。
ただ、どんなピンチであろうとノンビリと落ち着いているので、アクションシーンでも緊張感を削がれるというマイナスは生じている。
まあアクション・コメディーだから、ある程度は緩和があってもいいと思うけど、ややノンビリが強くなりすぎたかなと。

色々なアクションシーンを盛り込みたいということなんだろうけど、それを最優先したせいなのか、ストーリーやキャラクターの行動としては、無駄な手間が多くて回りくどい状態になっていると感じる。
だから、次から次へとアクションシーンで畳み掛けているのに、何となくモタついているように思えてしまう。
それと、ハイライトとも言えるアクションシーンが思い浮かばない。
あと、聖杯を守護している十字軍の騎士が英語で喋るってのは、笑うトコなのかな。

(観賞日:2011年1月16日)

 

*ポンコツ映画愛護協会