『エリック・ザ・バイキング/バルハラへの航海』:1989、イギリス&スウェーデン

はるか昔、“神々の黄昏”の時代。海賊のエリックは、仲間達と共に村を襲っては殺人や略奪を繰り返している。ある時、彼は村で女をレイプしようとするが、なぜか逆に説得されてしまう。しかし他の海賊ともみ合う中で、エリックは女を殺してしまった。
女を殺したことから現状に不安を抱いたエリックは、予言者フレイヤに会う。エリックはフレイヤから、人々の争いによって世界が滅亡すると聞かされる。エリックは“神々の黄昏”の時代を終わらせるため、神を目覚めさせようと考える。
神に会うためには、虹の橋を渡ってアスガードにあるバルハラの神殿へ行かねばならない。そのためにはハイブラジルにある魔法のホルンを使う必要がある。エリックは仲間と共に、ハイブラジルへと船を漕ぎ出した。
だが、“神々の黄昏”の時代が終わることは、争いが無くなるということだ。武器を作って稼いでいる鍛治職人は商売上がったりになることを恐れ、エリックの行動を止めようと考える。そこで彼は、弟子のロキを領主ハーフダンに会いに行かせる。
ハイブラジルに到着したエリックは、ハーフダンと手下達の上陸を阻止して王様からホルンを受け取った。ホルンを使ってバルハラの神殿に入ることに成功したエリックは、そこで自分が殺してしまった女を探す…。

監督&脚本はテリー・ジョーンズ、製作はジョン・ゴールドストーン、製作協力はネヴィル・C・トンプソン、製作総指揮はテリー・グリンウッド、撮影はイアン・ウィルソン、編集はジョージ・エイカーズ、美術はジョン・ベアード、衣装はパム・タイト、特殊効果デザインはリチャード・コンウェイ、コンセプチュアル・デザイナーはアラン・リー、音楽はニール・イネス、音楽監修はレイ・ウィリアムズ。
主演はティム・ロビンス、共演はミッキー・ルーニー、アーサ・キット、テリー・ジョーンズ、イモージェン・スタッブス、ジョン・クリース、関根勤、アントニー・シャー、ゲイリー・キャディー、ジョン・ゴードン・シンクレア、サマンサ・ボンド、フレディ・ジョーンズ、ティム・マッキナーニー、チャールズ・マッケオウン、リチャード・ライディングス、ダニー・シラー他。


モンティ・パイソンのテリー・ジョーンズが、幼かった自分の息子のために書いた絵本を基にした映画。基本的にはファンタジー・アドベンチャーで、そこにコメディーの要素を取り込んでいるということになるのだろう。
エリックをティム・ロビンス、彼の祖父をミッキー・ルーニー、フレイヤをアーサ・キット、ハイブラジルの王をテリー・ジョーンズ、その娘オードをイモージェン・スタッブス、ハーフダンをジョン・クリースが演じている。

主人公の目的も、目的を達成しようとする動機や経緯も、かなり弱くて不鮮明だ。
笑いに包めば上手く突破できたのかもしれないが、その部分はマジに描いている。
笑いを入れるポイントとマジに描くポイントの、使い分けがイマイチなのだ。

マジな部分とギャグの部分が上手く噛み合っておらず、水と油のように分離してしまっている。
どう考えたってコメディーとして作られていると思うのだが、しかしマジな部分が笑いの部分を薄めてしまい、とても中途半端な形になっている。

コメディーとアドベンチャーがお互いに相手の良い部分を打ち消しあっているので、冒険の醍醐味も薄くて笑いも薄いという困った状況になっている。
そして終盤になると、やたら説教臭い教育的な映画のようになってしまう。

ハーフダンの奴隷船の船長の役で、関根勤さんが出演している(出番は短いが)。
彼がモンティ・パイソンのファンだったことから、日本人出演者を探していた製作サイドに事務所がプロモーション用のビデオを送り、出演が決まったらしい。

その関根さん、屈強な男達を鞭でシバキながら、「奥目じゃねえか」「何でこんなトコロに毛が生えてるんだよ」「でけぇ図体してな、書く字はな、ミミズが這ったような〜」などと、脈絡の無い意味不明なセリフを喋っている。
関根さんが出演するシーンのセリフは、全てアドリブだったらしい。
日本人なら、実際に話している言葉と字幕が全く違うことが分かるだろう。
映画は駄作だが、関根さんには拍手を送りたい。
関根さん、あなたはグレートだ。

 

*ポンコツ映画愛護協会