『エディ・マーフィのホワイトハウス狂騒曲』:1992、アメリカ

詐欺師のトーマス・ジェファーソン・ジョンソンは、フロリダで仲間と共に行動している。今日もトーマスは、あるパーティーに上手く潜り込んで一稼ぎする。パーティーの最中、彼は政治家がどれだけ金儲けになる仕事かという話を耳にする。
それはちょうど、選挙戦の直前の時期だった。そして、ジェフ・ジョンソンという地元選出の有力議員が死亡した。これはチャンスと考えたトーマスは、名前が同じということを利用して選挙戦に立候補。狙い通り、名前の知名度だけで当選してしまった。
ワシントンDCに国会議員としてやってきたトーマスだが、もちろん真面目に政治に取り組もうなどいう気は全く無い。電力産業委員会の委員長を務める大物議員ディック・ドッジに取り入り、金儲けにいそしむ毎日だ。
だが、トーマスは女性ロビイストのシリアと恋に落ちたことから、彼女が関わる環境問題についても真剣に考え始める。やがてトーマスは、学校の近くにある高圧線によって、多くの子供達が病気になっていることを知るのだが…。

監督はジョナサン・リン、原案はマーティ・カプラン&ジョナサン・レイノルズ、脚本&製作総指揮はマーティ・カプラン、製作はレナード・ゴールドバーグ&マイケル・ペイサー、撮影はガブリエル・ベリスタイン、編集はバリー・B・レイラー&トニー・ロンバルド、美術はレスリー・ディリー、衣装はフランシーン・ジェイミソン=タンチャック、音楽はランディ・エデルマン。
主演はエディ・マーフィー、共演はヴィクトリア・ローウェル、レイン・スミス、シェリル・リー・ラルフ、ジョー・ドン・ベイカー、グラント・ショード、ケヴィン・マッカーシー、チャールズ・S・ダットン、ヴィクター・リヴァース、チ・マクブライド、ソニー・ジム・ゲインズ、ノーブル・ウィリングハム、ゲイリー・フランク、ダニエル・ベンザリ、シンシア・ハリス他。


例えポンコツ映画でも、一線を超えてしまえば「くだらないということを楽しむ」という見方ができる。しかし、この映画はその域にも達していない。
自分がバカなのにそれを認めようとしない人物の如く、どうしようもないのである。

「邦題の冠に出演俳優の名前が付いた映画は面白くない」というのが、私の思い込みの中にある映画の法則である。
で、この映画は法則の通り。
話はスラップステッィクではないのに、展開方法がスラップスティック。
そこでのアンバランスが映画を壊している。

それでも、前半はコメディだっただけマシと言えるかもしれない。
後半になると、もはやコメディでさえなくなってしまう。真剣に政治に取り組むトーマスが、政治の腐敗を暴くというマトモなストーリー。
そこに笑いの要素を見つけ出すことは出来ない。

エディ・マーフィーお得意の無駄トークは、全く見られない。
ギャグも見当たらない。
そんなモン、他の役者にやらせておけばいいのに。

 

*ポンコツ映画愛護協会