『陰謀のセオリー』:1997、アメリカ

ジェリー・フレッチャーはニューヨークのタクシードライバー。世界中のあらゆる事象を陰謀と結び付けて客に話す毎日を送っている。彼は過去の記憶を失っていたが、司法局の女性弁護士アリス・サットンを守るという使命感だけははっきりしている。そのアリスは数年前に連邦裁判所の判事だった父を殺されており、その事件の真相を追っている。
ある日、ジェリーは地下鉄の水漏れ事故を発見し、陰謀の疑いを持つ。彼は現場から走り去った車を追うが、突然何物かに拉致されてしまう。どうやらジェリーはCIAに秘密工作員として洗脳された過去があり、拉致した人物は彼の握る秘密を恐れているようなのだが…。

監督はリチャード・ドナー、脚本はブライアン・ヘルゲランド、製作はジョエル・シルヴァー&リチャード・ドナー、共同製作はダン・カラッチオロ&J・ミルズ・グッドロー&リック・ソロモン、製作協力はジュリー・ダーク&アイリス・ロイトリンガー、製作総指揮はジム・ヴァン・ワイク、撮影はジョン・シュウォーツマン、編集はケヴィン・スティット&フランク・J・ユリオステ、美術はポール・シルバート、衣装はハ・ニューエン、音楽はカーター・バーウェル。
出演はメル・ギブソン、ジュリア・ロバーツ、パトリック・スチュワート、シルク・コザート、スティーヴン・カーハン、テリー・アレクサンダー、アレックス・マッカーサー、ロッド・マクラクラン、マイケル・ポッツ、ジム・スターリング、リッチ・ヒューバート、ブライアン・J・ウィリアムズ、G・A・アギラー、シーシー・ネバー・ラバオ、サクソン・トレイナー、クローディア・ステデリン、レナード・ジャクソン他。


誰も信じないようなメチャクチャな説の中に真実が隠れていた、という部分が物語のポイントだと思ったが、ジェリーが秘密工作員だったということが明らかになってしまうと、話がすっかり変わってしまう。
つまり、ジェリーのメチャクチャな陰謀説が全て本当だということになってしまいかねないのだ。

結局、どれが本当でどれがウソなのか、見ているこっちにも分からない。話の流れも分からない。ジェリーにアリスが惹かれていく展開もイマイチ理解できない。
話がいろんな方向へ向かっていって、まとまらないままで最後まで到達してしまったという印象。

メル・ギブソンは頑張った。変質的で異常でおしゃべりな、一風変わったタフガイを生き生きと演じている。だが、これはシリアスな映画として撮るべき作品なのだろうか。
同じ内容でコメディーを作れば面白いと思うんだけどなあ。

 

*ポンコツ映画愛護協会