『おかしな夫婦・大逆転!?』:1968、イギリス

ブラジャー会社の社長ロバート・ブロッサムが工場で働いていると、家にいる妻ハリエットから電話が掛かってきた。使っていたミシンが壊れてしまったというのだ。そこでロバートは、従業員のアンブローズ・タトルを自宅に向かわせた。
ハリエットとアンブローズは会話を交わす内、互いに惹かれ合うようになる。そのままアンブローズは帰ろうとせず、屋根裏に住み付くようになった。ロバートが会社に出掛けると、ハリエットとアンブローズは仲良く食事をしたりするようになった。
そんな生活が何年も続く中、株で大儲けして会社を大きくしたロバートが、画期的なブラジャーを発明する。しかしハリエットとアンブローズは屋根裏の無い場所に引っ越すことになると困るため、そのブラジャーに細工をして発表会を台無しにする…。

監督はジョセフ・マッグラス、原案&製作はジョセフ・シャフテル、戯曲はアレック・コッペル、脚本はアレック・コッペル&デニス・ノーデン、撮影はジェフリー・アンズワース、編集はラルフ・シェルドン、美術はアシェトン・ゴートン、衣装はジョセリン・リッカーズ、音楽はリズ・オートラニ。
出演はシャーリー・マクレーン、リチャード・アッテンボロー、ジェームズ・ブース、フレディ・ジョーンズ、ウィリアム・ラッシュトン、ボブ・マンクハウス、パトリシア・ルートレッジ、ジョン・ブルーサル、ハリー・トウブ、サンドラ・キャロン、シーラ・ステイフェル、フランク・ソーントン、バリー・ハンフリーズ、ジョン・クリース、クライヴ・ダン、ジェラルディン・シャーマン、ジュリアン・チャグリン他。


ストーリーはあるにはあるが、説明するのもバカらしいと思える内容。
何がダメとか、どこが悪いとか、そういう次元で語られる作品ではない。
アルコール中毒が書いた脚本を、ドラッグ中毒の男が演出したのかと思えるような作品だ。

前述のような説明に対して、「バカな映画として面白いんじゃないか」と思う人もいるだろう。
しかし、これは単にメチャクチャなだけである。
基本的には、メイン3人が色々な衣装に着替えながら、まとまりのない話の中でフワフワと遊んでるだけだ。

正装してテープに合わせて指揮棒を振るロバート。
カメラ目線でマラカスを振るハリエット。
ボクシングや腹話術などで暇を紛らわすアンブローズ。
ファンタジー世界の妄想にふけるハリエット。
メキシカンになるアンブローズ。
で、「だからどうした?」と言いたい。

問題は、こんなクソにもならない映画に、どうしてシャーリー・マクレーンやリチャード・アッテンボローが出演したのかということだ。
そのポイントは監督にある。
ジョセフ・マッグラスという人、『カジノ・ロワイヤル』と『マジック・クリスチャン』で監督を務めているのだ。
『カジノ・ロワイヤル』にしろ『マジック・クリスチャン』にしろ、オールスターキャストがチープで低レベルなことをやりまくるサイテー映画だった(『マジック・クリスチャン』にはリチャード・アッテンボローが出演している)。
なるほど、そういうことね(どういうことだよ)。

 

*ポンコツ映画愛護協会