『アタック・オブ・ザ・キラートマト』:1978、アメリカ

自宅の台所で食器を洗っていた女性は、シンクを転がるトマトを目にした。トマトはシンクから転がり出ると、床を移動して女性に迫った。殺人事件の発生を受けて現場に駆け付けた刑事は、女性に付着している赤い液体が血ではなくトマト果汁だと気付いた。農務省の実験場に駆け付けた政府の役人たちは、怪物トマトによる事件が増加している情報を掴んでいた。実験場では保安官がトマトを次々に狙撃しており、役人は問題を内密に解決するためのチームを結成することにした。調査チームのリーダーに選ばれたのは、豚小屋の番人だったメイソン・ディクソンだ。
ミルズ少佐やモリソン教授たちが集まって会議を開いているところへ、報道担当官のジム・リチャードソンも現れた。モリソンはナカタカ博士の協力を得て、殺人トマトの撃退方法を見つけ出したことを明かした。ナカタカは天才的頭脳と怪力を備えた人間型スーパーロボットを開発しており、「必ず敵を滅ぼす」と自信を見せた。彼はミルズたちに、スーパーロボットのブルースを披露した。しかし予算の関係で片脚しか強化しておらず、テストしてみると全く役に立たなかった。
ディクソンは連邦情報局の局長から、チームのために集められた精鋭を紹介される。変装の天才であるサム、水泳の元メダリストであるグレタ、潜水の申し子であるグレッグの3人だ。もう1人のメンバーであるフィンレターは任務に就いており、後で合流することになっていた。リチャードソンは記者会見でチビッ子記者からトマトの脅威について質問され、「脅威と呼ぶほどのことではない。大統領は専門家を結集して調査を命じた」と答えた。
新聞社の編集長は殺人トマトの事件を取材させようとするが、遊軍記者が全て出払っていた。仕方なく彼は社会部の新人であるロイス・フェアチャイルドを呼び、資料を渡して取材を命じた。リチャードソンは大統領から、天才広告マンであるテッド・スワンに会うため、ニューヨークへ行くよう指示された。ロイスはディクソンを見つけて取材するが、ノーコメントで逃げられた。ディクソンは車で移動し、グレタとグレッグが別行動を取る。フィンレターが合流した後、ディクソンはサムに「トマトに変装して潜入を」と指示した。
ニューヨークを訪れたリチャードソンは、スワンの事務所に赴いた。大統領からの要請に対し、スワンは自信満々の態度を示した。町には巨大トマトが出現し、女性を追い掛けた。森で待機していたグレタも、巨大トマトに襲われた。車を走らせていたディクソンも、町で巨大トマトを目撃した。サンディエゴの司令部に戻った彼は、ミルズやモリソンたちに報告を入れた。同じ頃、サムはトマトのキグルミを着て、巨大トマトたちの中に紛れ込んでいた。軍は部隊を結集させ、巨大トマト軍団との市街戦に突入した…。

監督はジョン・デ・ベロ、脚本はコスタ・ディロン&ジョン・デ・ベロ&スティーヴ・ピース、製作はJ・スティーヴ・ピース&ジョン・デ・ベロ、撮影はジョン・K・カリー、衣装はコンスタンティン・ジェームズ・ディロン、音楽はポール・サンドフォー&ゴードン・グッドウィン。
出演はデヴィッド・ミラー、ジョージ・ウィルソン、シャロン・テイラー、ジャック・ライリー、ヴォン・シャウアー、ロバート・マッツェナウアー、“ロック”・ピース、アーニー・マイヤーズ、エリック・クリスマス、ロン・シャピロ、アル・スクラー、ジェリー・アンダーソン、ディーン・グレル、ドン・バーチ、トム・コールマン、アート・クースティク、ジャック・ノーレン、ポール・オヤ、ジョン・クオールズ、アラン・シャーフ、ゲイリー・スミス、バイロン・ティーガーデン、ダグ・ヴァーノン他。


後にシリーズ化されることになった(さらにはTVシリーズやゲームまで)、あまりにも有名なカルト映画。9万ドルの低予算で製作されたZ級映画である。
ジョン・デ・ベロは本作品が監督デビューで、後のシリーズも全て手掛けている。
ディクソンをデヴィッド・ミラー、リチャードソンをジョージ・ウィルソン、ロイスをシャロン・テイラー、ウィルバーを“ロック”・ピース、大統領をアーニー・マイヤーズが演じている。
もちろん全員が無名キャスト。第2作には無名時代のジョージ・クルーニーが出演しているが、この作品では後に成功する俳優もいない。

タイトルだけは有名だし、カルト映画として人気のある作品だから、「ものすごく面白いバカ映画なんじゃないか」と期待することがいるかもしれない。
そういう人のために余計なお世話で言っておくと、単なるクズ映画である。
「バッカでえ」とツッコミを入れながら観賞するとか、そういう楽しみ方の出来る類ではない。
また、エド・ウッド作品のように「真剣に取り組んでいるけど、結果的にバカ映画になった」ってことではなく、最初から意図的にポンコツ映画として製作されている。

最初から意図して作られたポンコツ映画って、日本だと河崎実監督がやっているけど、ホントに「ただクズなだけ」ってことになっちゃう可能性が高いんだよなあ。
その理由は明白で、「どうせポンコツ映画なんだから、この程度でいいんでしょ」という手抜き感覚が露骨に見えてしまうのだ。
予算が少ない中でも様々な工夫を施したり、バカバカしいことを真剣に追求したり、そういう意識が薄弱なのだ。
単に「予算的な問題で粗が多い」ということじゃなくて、少なくとも本作品は、作り手の意識が雑で、支離滅裂になっているだけ。

「殺人トマトが人間を襲う」ってのは、アイデアとしてバカバカしいことは確かだろう。
だけどホラー・コメディー映画としては、充分に使えそうな気配を感じさせる。ホラー映画のセオリーやパターンを上手く利用したり、それをパロディー化したりすれば、それなりに魅力のある映画に仕上がったかもしれない。
ところが、この映画はシナリオがグダグダで、せっかくの「殺人トマトが人間を襲う」という仕掛けを存分に活用できていない。
テメエで持ち込んでおきながら、そこを使う意識が弱い。

冒頭、「1963年、アルフレッド・ヒッチコックは映画『鳥』で人間を襲う鳥たちの恐怖を描いた。人々は笑った。1975年秋、ケンタッキー州ホプキンスヴィルを七百万羽の鳥の大群が襲った。今では誰も笑わない」というテロップが出る。
つまり、「だから殺人トマトの大群が人を襲う物語も、今は笑うかもしれないけど、いずれ起きるかも」と言いたいわけだ。もちろん本気でジョン・デ・ベロが「殺人トマトの襲来が現実になるかも」と思っているわけじゃなくて、コケ脅しとしての前フリだ。っていうか、コケ脅しに見せ掛けたネタだ。
ただし、この前フリには大きな問題がある。
まず、ヒッチコックの『鳥』が公開された時、人々は笑っていない。普通に「怖い映画」として受け止めた。
そして、「鳥の大群と殺人トマトは比較対象にならない」ってことだ。

まず、掴みとなるべき冒頭シーンからしてシオシオのパーだ。どうやら「トマトが喋っている」ってことを表現しているらしい意味不明な言語を発する声が聞こえる中、シンクの中でトマトが転がる。トマトはシンクから出ると、廊下を転がって女性に向かう。で、女性が悲鳴を上げるとタイトルロールに突入する。
それは「女性がトマトに襲われる」ってことを表現したいシーンだ。
でも、転がっているのは、ただのトマトなのよ。サイズがデカいわけでもなく、牙を剥いているわけでもない。ごく普通のトマトであり、「転がって移動する」って部分が異常なだけだ。
だとすれば、奇妙には感じるだろうけど、「襲われる」とは感じないだろうし、悲鳴も上げないと思うぞ。

中毒性だけは妙に感じさせる主題歌が流れる中、オープニング・クレジットが表示される。
もちろんスタッフやキャストの名前が表記されるのだが、そこに混じって「町で最も安いサニー・ヴェイル家具店」という宣伝が入る。その後には「この欄、広告募集中」という文字が出る箇所もある。
「特別出演」として「Royal Shakespearean Tomatoes」と表記していることもあるし、広告の部分もネタなのかと思っていたのだが、劇中にも唐突に同じ家具店の広告が挿入されるのよね。
ってことは、そこだけはマジの広告なんだろう。

映画が始まり、刑事が事件現場を検証するシーンの後、「ラジオ局には膨大なトマト情報が寄せられている」というDJの声がする。
ってことは、「トマトによる事件が幾つも起きている」という認識が広まっているのかと思いきや、そうではない。
トマトジュースを飲んだ男が苦悶して死ぬ様子が描かれるが、それは殺人トマトの仕業ではないので、どういう意味があるのはサッパリ分からない。
農務省の実験場にパトカーが駆け付けるシーンでは、唐突にヘリが出現して墜落するが、これは撮影中に起きた実際の事故映像を流用したもの。劇中では「トマトのせいで墜落して操縦士が死んだ」という設定になっているが、それは無理があるだろ。

実験場にいる連中が何者なのかはボンヤリしているが、とりあえず調査チームを組織することを口にしている。で、リーダーとして選んだディクソンの写真が表示され、リチャードソンも登場するのだから、そこからは「ディクソンが登場し、チームとして動き始める」という手順に進むべきだろう。
ところが、シーンが切り替わると、将軍や政府高官たちが会議を開く様子になる。
だったら、それを先に処理してから「調査チームのリーダーにディクソンを選んだ」ってのを描くべきじゃないかと思ったのだが、会議の途中で連邦情報局の局長が「ディクソン君」と呼び掛けている。
ってことは、その中にディクソンもいるのね。まるで分からんかったぞ。そこに参加しているのなら、まずはディクソンを観客に紹介しろよ。

将軍や政府高官たちが集まる会議のシーンは、「ものすごく狭い部屋に大勢が集まる」という状態なのだが、これが笑いを狙っているのかどうか微妙なことになっている。
たぶん喜劇としての描写なんだろうけど、それにしてはヌルい。
みんなが着席して話し始めると、もはや「狭い場所に大勢がいる」という状態を全く利用しないのよね。
っていうか、「ギュウギュウ詰め」ってほどでもないし、そもそも「狭い場所に大勢がいる」ということからして中途半端なのよね。

会議に出席しているモリソンが口を開くと、「殺人トマトは科学界の注目を集めている」と言う。
だけど、その時点で「トマトが人間を殺害した」ということをハッキリと示す描写は全く無い。冒頭のシーンも、「トマトが転がり、女性が悲鳴を上げる」というだけであり、トマトが女性を襲って殺害する様子は描かれていない。
それなのに、もう「殺人トマトが科学者の間では広く知られている」ということになっている。
いつの間に、殺人トマトの存在は公表されたんだよ。内密に処理するために調査チームを作ったんじゃないのかよ。

会議に出席したナカタカは、スーパーロボット(っていうかマネキンっぽいアンドロイド)の存在を明かす。
ちなみに「ナカタカ」という名前からして日本人か日系人の設定なんだろうけど、エンドロールで表記されるキャラクター名は「Dr. Nokitofa」となっている。それで「ナカタカ」は無理があるだろ。
で、そんな謎の博士が開発したスーパーロボットは、「テストで簡単に故障しました」ってことで出番を終える。つまり、そのネタをやるためだけの存在ってことだ。
それは別にいいとしても、そういうネタをやるなら、その後でディクソンを初登場させるべきだよ。つまり、「ロボットで事件を解決しようとするが、役に立たないので調査チームを派遣することにした」という流れにすべきだよ。

調査チームのメンバーは「精鋭」として紹介されるが、「変装の天才」であるはずのサムは黒人なのに白い付け鼻を装着している。しかも、それ以外の変装は何もしていない。グレタはメダルを首から下げており、グレッグは潜水器具を付けているが、その必要は全く無い。
っていうか、そもそも殺人トマトを撃退するために、変装や水泳、潜水という能力は全く必要性が無いはずだ。
そこをディクソンが指摘するのかというと、ヌルっとスルーしている。
「そんな能力は必要が無いと思えたけど、なぜか都合良く役に立つ」という展開でも用意されているのかと少しだけ期待したが、もちろん期待には応えてくれない。

海で泳いでいた面々が悲鳴を上げて暴れるシーンが挿入され、その周囲にはトマトが浮かんでいる。
つまり「トマトに襲われた」ってことを表現したいんだろうけど、そんな印象はゼロだ。
例えば『ジョーズ』の真似をして、トマト視点で「人々が襲われる」ってのを描いてみるのも一興じゃないかと思ったりするけど、ただ単にトマトが浮かんでいるのをカメラが捉えるだけ。
トマトが人を襲っているように見せ掛けるための努力は、何もやっていない。

その後には上院調査委員会のシーンがチラッと挿入されるが、資料が配られるだけで終わるので全く意味が無い。
っていうか、調査チームが集められたんだから、さっさとディクソンたちの行動を見せればいいでしょ。なぜ別のシーンを挟んでモタモタしているのかと。
この段階で、まだディクソンって一言も発していないんだぜ。
あと、根本的な問題として、なぜ豚小屋の番人だったディクソンがリーダーに選ばれたのか、そこの説明は何も無いのよね。バカバカしい理由でいいから、そこは説明しろよ。

新聞社らしき場所が写ると、編集長が側近のロバーツに「遊軍記者を呼べ」と指示する。全員で払っていて新人のロイスしか残っていないことを聞かされると、編集長は「彼女を呼べ」と命じる。
だから当然のことながら、ロイスが編集長の元に来て、取材を指示される手順に繋がると思うよね。ところが、ロイスが登場しないままシーンが切り替わり、モトクロスをやっていた男が死ぬ様子が描かれる。
それはトマトに殺されたという設定なんだけど、海のシーンと似たようなモンで、「モトクロスで転倒した男の近くにトマトが転がって来る」というのを見せるだけ。
それを見た女が悲鳴を上げるけど、それで「男がトマトに襲われた」と解釈しなきゃならんのはキツいぞ。

モトクロスのシーンを挟んでから、ロイスが編集長の元へ来る様子が描かれる。どう考えたって、そこは順番が逆だ。
で、取材に赴いた彼女は、ディクソンを捕まえて質問する。この時点で、まだディクソンがチームとして行動する様子は1秒も描かれていない。ロイスが取材に来た時も、ディクソンは単独行動を取っている。フィンレターに至っては、まだ顔も見せていない。
ディクソンがロイスから逃げた後、ようやくチームが車に乗っている様子が写る。だが、すぐにグレタとグレッグが車から降りてしまう。
その後にフィンレターが合流するので、ちゃんとチームとして揃うことは一度も無い。

で、フィンレターがサムを見て「ヒトラーだ」と襲い掛かりそうになったので、ディクソンが「ヒトラーは変装だ」と言うけど、ヒトラーの変装なんかしてないし。
もしも「黒人なのにヒトラーの変装をしているつもり」というネタだったとして、殺人トマトを撃退するのにヒトラーの変装をする意味が分からんし。
その後、グレッグが公園の噴水に入る様子が写し出されるが、それが殺人トマトの撃退と何の関係があるのか、サッパリ分からない。
何かのネタだったとしても、その狙いがサッパリ分からない。

リチャードソンの訪問を受けたスワンは自信満々の態度を見せ、唐突に歌い始める。市街戦の直前にも兵士たちが歌い踊るシーンがあり、ラストにはディクソンとロイスのデュエットがある。
それなら、もっと歌唱やダンスのシーンを増やして、完全にミュージカル映画として作っていれば、ひょっとすると化けたかもしれない。うーん、でも監督のセンスを考えると、やっぱりクズ映画になっていたんだろうなあ。
それはともかく、大統領が広告マンに仕事を頼む意味が分からん。殺人トマトを撃退しなきゃいけないはずで、広告マンは何の役にも立たないでしょ。
「事件を隠蔽する」とか、「他の方向に国民の目を背ける」とか、そういう意味かもしれないけど、だとしても、そんな筋書きは邪魔なだけ。「殺人トマトを撃退する」という筋書きに集中すべきだわ。

ここまでの批評で、まだ映画開始から40分も経過していない。このペースだとシャレにならんぐらい長くなるので、後はテキトーに流して片付けて行くことにする。
なぜかモリソンたちは、巨大トマト(と言ってもスイカ程度の大きさ)を簡単に捕まえている。その後、これまでは普通サイズのトマトばかりだったのに、急に巨大トマト(今度はホントに人間を遥かに超える大きさ)が登場する。
なぜ急にトマトが巨大化したのか、その理由は全く説明されない。
ちなみに、巨大トマトは女性を追い掛けるのだが、その下にはカートを置いてあるのがハッキリと見える。つまり、カートに乗せて滑らせているだけってことだ。

森で飯を食っていたグレタは、巨大トマトに襲われる。つまり、彼女は何の能力も発揮しないまま、あっさりと死ぬわけだ。
そもそも、なぜ彼女が森で飯を食っていたのか、それはサッパリ分からない。
ディクソンと一緒にいたはずのフィンレターは、いつの間にか森に来ているが、その理由は不明。
電話を受けてホテルを飛び出したディクソンは、確固たる目的があるはずなのに、次に登場すると車を走らせているだけで、特に何をするわけでもない。

ディクソンのチームは巨大トマトを撃退するための行動も何も取っておらず、「警察や軍が出動したけど歯が立たない」という描写も全く無かった。
それなのに、残り30分ぐらいになると唐突に「敵は少し後退している。トマトは総攻撃に備えて集結している。軍が部隊を結集させて、全面戦争に出る準備を整える」ということになっている。
いつの間に、そんな状況にまで到達したのかと。
で、「全面戦争」と言っていたはずだけど、なんせ低予算映画だから、米軍の部隊も巨大トマト軍も、そんなに数は多くない。

後半に入ると、謎の覆面男が数名を射殺し、ディクソンたちも命を狙われる。だが、そんな様子を挿入して話が面白くなるわけじゃないし、なぜ巨大トマトとの戦いに集中しないのかと言いたくなる。
何も主人公らしい仕事をしていなかったディクソンは、終盤に「覆面男を追跡する」という役回りを担うけど、そんなトコで動かしてどうすのんかと。巨大トマトとの戦いで役に立たせろよ。
で、その覆面男の正体はリチャードソンで、権力のために行動したことを明かすけど、そんな展開は激しく邪魔なだけ。
大統領の座を狙うために、なぜ人々を射殺したのか、なぜディクソンたちを狙ったのか、その理由はサッパリ不明だし。

リチャードソンの部屋で『恋する思春期』というド下手な曲(でも、なぜかラジオではガンガンに流れている)のレコードを見つけたディクソンは、それが巨大トマトを撃退する必殺兵器になると気付く。
実際にレコードを流すと巨大トマトが次々に縮むので、彼の考えは正解だったわけだ。
ただし、なぜ『恋する思春期』を流せばトマトが元のサイズに戻ると気付いたのか、その根拠はサッパリ分からない。
そもそも、リチャードソンは『恋する思春期』でトマトを操れると知っていたようだが、それに彼が気付いた理由も分からない。

あと、最初の内は普通サイズのトマトが次々に人々を襲っていたわけで、決して「トマトが巨大だから脅威だった」ってわけじゃなかったはずでしょ。
小さな殺人トマトの群れに対して、政府も手をこまねいていたはずでしょ。
それなのに、なんで終盤になると、「普通サイズなら、ちっとも怖くない」ってことになってんのよ。
それなら、いや、そうじゃなくても、最初から「巨大なトマトが人々を襲う」ってことにしておけば良かったでしょ。

(観賞日:2016年2月12日)


1979年スティンカーズ最悪映画賞

ノミネート:【最悪の作品】部門
ノミネート:【最悪の演出センス】部門[ジョン・デ・ベロ]
ノミネート:【最悪の歌曲・歌唱】部門「Puberty Love」(マット・キャメロン(ロニー・デズモンド名義))

 

*ポンコツ映画愛護協会