『アーサーとミニモイの不思議な国』:2006、フランス

アメリカ合衆国のコネティカット州。10歳を迎えたアーサーは、祖母と2人で過ごしている。技術者である祖父のアーチボルトはアフリカで様々な道具を発明して活動していたが、4年前に失踪した。その祖父が残したノートを呼んだアーサーは自分も用水路を発明し、庭で実験する。遠くにいる両親から電話が入るが、誕生日に戻れないと聞かされたアーサーは悲しい気持ちになる。祖母はアーサーのために、ケーキやミニカーを用意してくれていた。
夜、アーサーはノートを見ながら祖母にねだり、祖父のことを話してもらう。アーチボルトは身長の高いボゴマタサライ族に貢献したお礼として、たくさんのルビーをプレゼントされた。自然は必ず正反対の分身を作ってバランスを作るようになっており、ボゴマタサライ族は自分たちの分身であるミニモイ族を見つけ出した。人間の歯と同じぐらいの大きさしか無いミニモイ族と会う方法を、アーチボルトはボゴマタサライ族から教わったと祖母に話していた。
ダヴィドという男が祖母を訪ね、銀行への借金返済が滞っていることを指摘する。彼は立ち退き命令書を持参しており、48時間以内に祖父のサインが無ければ追い出すことになると通告した。アーサーは祖母に、「ルビーがあるでしょ?」と言う。すると祖母は、「どこかに埋めたと言っていたけど、探しても見つからなかった」と述べた。アーサーはルビーを見つける手掛かりを得るため、ノートを調べた。すると、ミニモイ族のセレニア王女を描いたイラストの裏に「ミニモイの国へ行くにはシェークスピアを信じるべし」という文字があり、地図も描かれていた。
祖母はアーチボルドの集めた民芸品を売却するため、鑑定人を呼んだ。アーサーが「ミニモイの国へ行く地図があった。その庭だ。彼らに会えれば宝の場所も分かるよ」と話すと、祖母は「もう10歳でしょ。庭に小さな種族の国があるなんて、そんなことを信じてるの?」と軽くあしらった。祖母が民芸品を売り払っても、わずか300ドルにしかならなかった。しかもダヴィドから借金の取り立てを依頼された銀行の担当者が来て、その大半を取られてしまった。
電話と電気が止められる中、アーサーは部屋に残された祖父のメッセージを発見した。そこには、「ミニモイの国へ行くには次に扉が開く日を調べねばならない。年に一度、10番目の満月の夜、12時ちょうどに光の扉が開く」と書かれていた。祖父の暦を確認すると、ちょうど今夜のことだった。アーサーは庭の穴を見つけ、望遠鏡や人形など必要な道具を運ぶ。するとボゴマタサライ族が現れて「付いて来い」と言い、望遠鏡を穴に合わせるなどして扉を開く準備を整えてくれた。
酋長はアーサーに、「出発時間だ」と告げた。アーサーが「貴方は来ないの?」と訊くと、彼は「通れるのは一人だけだ。それに悪魔Mと戦うのは君が適任だ」と言う。Mというのは、祖父のノートに書かれていたマルタザールという存在のことだ。しかしボゴマタサライ族は、マルタザールの名前を出すことを恐れていた。酋長は「君の祖父は彼と戦った。君が戦いを引き継ぐべきだ」とアーサーに言う。
アーサーが望遠鏡の3つの輪を回すと、月光が差し込んだ。酋長は彼に、「自己紹介して、説得するんだ。話せるのは5分だけだ」と言う。アーサーが望遠鏡を覗くと、向こうにはミニモイ族のベタメッシュが現れた。アーサーが「2日後に建築業者が庭を掘り返してアパートを建てる。それを防ぐために、そっちへ行って宝を探したい」と訴えると、ベタメッシュは「それは簡単じゃない。議会を招集したり、話し合ったりしないと」と難色を示した。
アーサーが「庭が掘り返されたら、君たちは全員死ぬんだ。王国の未来は君に託されている」と語ると、ベタメッシュは門番のフェリマンを起こした。フェリマンが3つの輪を回すと、アーサーの体がどんどん縮んでいく。望遠鏡へ吸い込まれる彼に、酋長は「君はミニモイの7つの王国へ行くんだ。期限は36時間。明後日の正午に扉が閉じると、次に開くのは千日後だ」と説明した。アーサーが望遠鏡を抜けてベタメッシュと合流すると、その容姿も服装も変化していた。
アーサーがベタメッシュの案内で国王の元へ行くと、式典が行われていた。国を守る任務を受けたセレニアが、地面に突き刺さった魔法の剣を引き抜こうとしていた。ベタメッシュは国王の息子で、セレニアの弟だった。セレニアは剣を引き抜こうとするが、全く動かなかった。ベタメッシュの紹介を受けたアーサーは、国王に事情を説明した。国王は彼に、ミニモイ族がアーチボルトから多くのことを教わったと話す。アーチボルトはルビーを探すために旅立ち、それを禁断の国と呼ばれるネクロポリスで見つけた。だが、そこを司るのはMであり、未だかつて生きて戻った者はいなかった。
マルタザールの率いるセイド軍が襲撃してきたので、アーサーはモスキートを操って勇敢に戦う。国王は感心するが、セレニアは反発した。セイド軍はセレニアに迫り、付いて来るよう要求した。セレニアは拒絶し、敵と戦う。アーサーも戦うが、弾き飛ばされる。彼は咄嗟に魔法の剣を引き抜くと、敵をやっつけた。ベタメッシュは「誰も抜けなかった魔法の剣を抜いた。君はヒーローだ」と興奮した。
セレニアは国王に、「魔法の剣も引き抜かれ、一刻の猶予もありません。任務続行の許可を」と申し入れた。すると国王は、アーサーとベタメッシュを連れて行くことを条件に出した。国王の側近であるモグラのミロは、アーサーに「どこかで眼鏡を掛けたモグラの子供がいたら、ミノと声を掛けておくれ。私の息子だ。いなくなって3ヶ月になる」と話した。アーサー、セレニア、ベタメッシュは地上へ出た。同じ頃、祖母はアーサーがいないことに気付き、激しく狼狽していた。
アーサーたちはクルミの乗り物に乗って飛ばされ、貯水槽の地下にあるネクロポリスへ向かおうとする。しかしハエと激突して目的地から外れた場所に落下した上、ミミズに突き飛ばされて小川に落ちた。ミニモイは泳げないので、セレニアとベタメッシュはクルミの船で流されながら焦る。行く先には滝があったが、アーサーが剣とロープを使って全員を脱出させた。一方、祖母は警官に連絡し、アーサーの捜索を依頼した。
セレニアとベタメッシュは花で寝床を作り、そこで一夜を過ごすことにした。アーサーはベタメッシュと話し、セレニアが2日後に千歳を迎えることを知った。セレニアと話したアーサーは、2日後に父親の後を引き継ぎ、子を産んで育てることが伝統なのだと聞かされる。アーサーが「そのためには、まず結婚しないと」と言うと、セレニアは「結婚相手を見つけるには、あと2日もあるわ」と述べた。
翌日、アーサーたちは、セイド軍が用水路のストローを切断して運び出す様子を目撃した。セレニアはアーサーに、「Mはミニモイの弱点が水だと知ってる。だからミニモイの村に水を運ぼうとしてる」と話す。ストローに入り込んだ3人は川を下り、クーロマッサイという男と遭遇した。クーロマッサイは3人をバーへ案内し、ボスのマックスに紹介した。マックスはセイド軍から匿う仕事を引き受けた。
アーサーたちが話していると、マルタザールの息子であるダルコスがセイド軍を率いて現れた。セレニアはダルコスからダンスに誘われ、冷徹に拒絶した。戦いが勃発する中、マックスは店内の照明を消してセイド軍の動きを妨害した。その間に彼はクーロマッサイに指示し、アーサーたちを店から連れ出させた。クーロマッサイは3人に「ここを進めばMの陣営の真ん中に出る」と言い、マックスから預かった地図を渡した。
食料を運ぶセイド軍を尾行した3人は、敵の本拠地に乗り込もうとする。その時、セレニアが剣をアーサーに突き付けた。アーサーが困惑すると、彼女は「この先は1人で行く。アンタは宝探しに、私はMと対決。成功したら、ここで会いましょう」と告げた。「もしも失敗したら?」とアーサーが尋ねると、彼女は「全てアンタに譲る」と言う。セレニアにアーサーにキスすると、「いい王様になって」と告げて走り去った…。

監督はリュック・ベッソン、脚本はリュック・ベッソン&セリーヌ・ガルシア、製作はリュック・ベッソン&エマニュエル・プレヴォスト、撮影はティエリー・アルボガスト、編集はカリーム・ベンハムーダ&ヤン・エルヴェ&ヴァンサン・タベロン、プロダクション・デザイナーはユーグ・ティサンディエ、アート・ディレクションはパトリス・ガルシア&フィリップ・ルシエ、衣装はオリヴィエ・ベリオ、CG監督はピエール・ブファン、音楽はエリック・セラ。
出演はフレディー・ハイモア、ミア・ファロー、ペニー・バルフォー、ダグラス・ランド、アダム・ルファーヴ。
声の出演はマドンナ、デヴィッド・ボウイ、ジミー・ファロン、ロン・クロフォード、ロバート・デ・ニーロ、ハーヴェイ・カイテル、エミリオ・エステヴェス、チャズ・パルミンテリ、スヌープ・ドッグ、アンソニー・アンダーソン、ジェイソン・ベイトマン、ジャン・ビジョーテ・ンジャンバ、ソウル・ジェフコット、リー・デ・ロング、クリスチャン・エリクソン、エリック・バリエット、オクシモ・プッチーノ、ロバート・ウィリアム・ブラッドフォード他。


『フィフス・エレメント』『ジャンヌ・ダルク』のリュック・ベッソンが監督を務めた作品。
彼自身が執筆した児童小説「アーサー」シリーズの、第1作『アーサーとミニモイたち』と第2作『アーサーと禁じられた王国』を基にしている。
アーサーをフレディー・ハイモア、祖母をミア・ファロー、アーチボルトをロン・クロフォード、母をペニー・バルフォー、父をダグラス・ランドが演じている。
セレニアの声をマドンナ、マルタザールをデヴィッド・ボウイ、ベタメッシュをジミー・ファロン、国王をロバート・デ・ニーロ、ミロをハーヴェイ・カイテル、フェリマンをエミリオ・エステヴェス、地上の水先案内人をチャズ・パルミンテリ、マックスをスヌープ・ドッグ、クーロマッサイをアンソニー・アンダーソン、ダルコスをジェイソン・ベイトマンが演じている。

アーサーはセレニアのイラストを見た時に「美しい」と漏らし、後のシーンでは「無礼をお許しください」と言いながらキスをする。
でも、写真じゃなくてイラストなので、「その年齢で、もう二次元に恋しちゃうのかよ」と言いたくなる。
しかも、その絵は頭と体のバランスが人間と比べて明らかにおかしいわけで。
そういう絵の少女に10歳の子供が本気で恋をするってのは、どうも違和感が強いぞ。

そんで実際にミニモイが登場すると、ちっとも可愛くないんだな。そこは「日本人の感覚だと可愛く思えないけど、フランス人にとっては可愛い」ということなのかもしれないけどさ。
ともかく、ミニモイが可愛く見えないってことは、もちろんセレニアも同様で、少なくとも人間の少年が恋心を抱くような対象には到底思えない。
ところがアーサーは実際のセレニアを見ても、やっぱり惚れているんだよな。
その感覚は、ちょっとヤバい奴にしか思えんぞ。

アーチボルトのノートには、ボゴマタサライ族と同じようなタッチでセレニアのイラストが描かれている。彼はミニモイに会ったからこそ絵を残しているはずで、つまりミニモイの存在を真実として記録しているわけだ。そしてノートを見ながらアーチボルトやミニモイのことを話す祖母も、真実として語っている。アーサーもミニモイの存在を真実として受け止めている。
つまり誰も「ミニモイなんて伝説に過ぎない。ただの御伽噺」という受け止め方を示さないのだ。そうなると、こっちもミニモイが登場した時に、「ただの伝説や御伽噺と思っていたら、実際に存在した」という反応は出来ないわけだ。
もちろん、劇中の人物が「ただの伝説」と言っていたとしても、こっちはミニモイが実在する設定であることぐらい分かっている。ただ、それでも「誰もがミニモイの存在を真実として捉えている」という描き方は、得策とは思えないんだよな。
祖母は後で「庭に小さな種族がいるなんて本気で信じてるの?」と言うぐらいなんだから、アーサーに喋る時も「あくまでも伝承に過ぎない。実在するかどうかは不明」というスタンスを取らせておけば良かったんじゃないか。

アーサーは「ミニモイに会えれば宝の場所が分かる」と言い出すが、その論理がサッパリ分からん。
「祖父がルビーを庭に埋めた」という情報は聞かされたけど、それとミニモイは全く関係が無いはずでしょ。いつの間に「ルビーはミニモイの国に隠されている」ということに摩り替わってしまったのよ。
しかも、後のシーンでは「アーチボルトはルビーを探しに旅立ち、ネクロポリスで見つけた」と言われるし。
ルビーはボゴマタサライ族に貰ったんでしょ。それを埋めた場所が分からなくなった祖父がミニモイの国へ行き、ネクロポリスで発見したということなのか。
どうにも分かりにくいし、無駄にゴチャゴチャしてるなあ。

それと、なぜアフリカの部族であるはずのミニモイが祖母の家の庭に住んでいるのか、そこも頭にハテナが浮かんでしまうのよ。
祖母がアーサーに語ったのは「アフリカのボゴマタサライ族が分身を探し、すぐ近くにいるミニモイ族を見つけた」という内容だったわけで。
その説明からすると、ミニモイ族ってのは「アフリカに住んでいる珍しい部族」という印象なのよ。ところが、後になって出て来る連中は、特殊な方法でしか会えない妖精的な生き物なんだよな。
そこは説明が下手だわ。

アーサーはミニモイの国へ行くために、祖父の残した暗号を解読したり、メッセージを発見したり、鍵を入手したり、道具を見つけたり、庭を照らして穴を発見したり、道具を運んでセットしたりと、幾つもの手順を踏む。
だが、それは無駄な手間にしか感じない。
ミニモイの国へ行くことが「目的」であれば、それも分からんではないよ。だけどミニモイの国へ行くのはルビーを探すための「手段」でしかないはず。
なので、そのために幾つもの手順を踏まなきゃならんってのは上手くない。もっと簡単に済ませるべき。
いっそのこと、「たまたまミニモイの国に吸い込まれる」とか、「ミニモイを庭で見掛けて後を追う」とか、そういう形でもいいぐらいだよ。

ミニモイが地下に住んでいる種族ってことは、アーサーが穴を発見した辺りで初めて理解できるんだけど、どうやらアーサーは最初から分かっていたような雰囲気なんだよな。
しかし祖母がノートを見せながら話していた内容に、そんな情報は含まれていなかった。
ってことは、祖父が残したメッセージの中に情報があったのか。
だったら、それはアーサーだけが理解して終わらせるんじゃなくて、観客にも提示すべきだわ。そして「ミニモイは地下に住んでいるのか」とか、いちいちアーサーを反応させるべきだわ。

アーサーはミニモイ族について「祖父がアフリカかに庭に連れて来たんだ」と考えるのだが、どういう思考回路なんだよ。まるで根拠が無いので、思い込みの激しいガキの突飛な発想にしか思えない。
ところが、これが事実なんだよな。
どういう設定なんだよ、それは。
そんでアーサーがミニモイの国へ行こうとすると、なぜかボゴマタサライ族が来るんだが、これも何が何やら良く分からん。アフリカの部族のはずなのに、なぜ平然と現れるのか。そいつらもファンタジーの世界の住人ってことなのか。
だとしても、ただデタラメなだけにしか受け止められないぞ。

もしもアーサーの言うように「祖父がアフリカからミニモイ族を連れて来た」ということであれば、王国を地下に造っているはずがない。
ってことは、連れて来たのではなく、昔から王国が存在していたと解釈すべきだろう。
だが、そうなると「ボゴマタサライ族がミニモイを見つけたのは、どういうことなのか」という疑問が生じる。
そこの整合性を取るためには「ミニモイの国は異世界にあり、アフリカからもアメリカからも行くことが出来る」という設定が考えられる。

ただし、そうなると「庭を掘ったらミニモイも全滅する」という設定に矛盾が生じてしまう。
異世界にあるのなら、庭を掘り返されても、せいぜい入り口が1つ無くなる程度だろう。全滅の危機に陥るってことは、庭の地下にミニモイの王国が存在するということになる。
で、そうなると、「じゃあボゴマタサライ族はどうして見つけることが出来たのか」という先程の疑問に戻るわけだ。
リュック・ベッソンは設定がアバウトな脚本を書く人なんだけど、特にファンタジーでは繊細なディテールや丁寧な説明が必要なのに、いつものように雑にやっちゃってるんだよな。
だから、色んなところで整合性が取れなくなっている。

アーサーがミニモイの国に入ると、容姿も服も変化する。そしてミニモイと同じく、CGで描かれたキャラクターに変貌する。
これは、ものすこく違和感がある。その違和感は、最後まで解消されない。
そりゃあ、CGキャラの中に縮小化した実写のアーサーが一人だけ混じったら、それはそれで違和感があるかもしれない。
だけど、だったらミニモイも全て実写キャラにすればいいんだよな。もしくは逆に、人間世界の描写も全てCGアニメにしておけばいい。
人間世界は実写、ミニモイの世界はCGアニメという使い分けをしたことが、明らかにマイナスになっている。

しかも、地下にあるミニモイの国でずっと冒険の旅をするのかと思ったら、あっさりとアーサーやセレニアは地上へ出てしまうんだよな。
そうなると、CGに変化したアーサーと祖母が同じ世界の中に共存することになっちゃうわけで、ますます違和感が強くなる。
それと、庭にもミニモイ族が住んでおり、乗り物や駅が設置されているってことになると、「だったらアーサーが望遠鏡を使って光の扉を開き、ミニモイの国へ入るという作業は何だったのか」と言いたくなる。
そんなことをする前から、庭にもミニモイの国の一部があったってことになるでしょうに。

アーサーがミニモイの国へ行くのはルビーを探すためだが、扉を開く段階でボゴマタサライ族の酋長から「Mとの戦いを引き継ぐべきだ」と別の目的を提示されてしまう。
じゃあ目的がマルタザールとの戦いに摩り替わるのかというと、そんなことはないんだけど、ルビーを探すという目的は冒険の中で次第にボンヤリしていく。
アーサーはルビー探しよりも、セレニアへの恋にうつつを抜かしているし。
あと、みんながマルタザールの名前を口にするのを恐れて「M」と言っている辺りは、まんまハリポタだよな。

酋長が「君はミニモイの7つの王国へ行くんだ。期限は36時間。明後日の正午に扉が閉じると、次に開くのは千日後だ」と説明した時点で、「つまり明後日の正午ギリギリまで冒険が続くんだな」ってことは容易に想像できた。
だけど、やっぱり花の寝床で一泊して翌朝を迎えた時には「一日で終われよ」と言いたくなったなあ。
何しろ、冒険の舞台となっているのはアーサーが普段から利用していた敷地の中であり、人間サイズなら1分も掛からずに移動できてしまう程度の距離なのでね。

アーサーはネクロポリスでルビーを見つけるものの、それを手に入れないままミニモイの国から脱出する。
で、どうやって手に入れるのかというと、事前にマルタザールの下で働いているミノに依頼し、時間が来たら鏡にルビーの光を反射させてもらう。
なぜか都合良くルビーの真上に当たる部分の庭に穴が開いており、そこから光が昇って来る。
アーサーは穴から野球のボールを落として洪水を起こし、浮力でルビーとミノを穴から庭へ引き上げて回収する。
そしてストローをセレニアたちの国に突き刺し、ミノを送り返す。

つまり、何か儀式を行ったり、特別な日に限定しなくても、地上とミニモイの国は繋がっているわけだ。日時の指定や儀式が必要なのは、小人サイズになることだけだ。
「特殊な方法じゃないと会えない」みたいな説明だったのに、そうじゃなくて会うことは出来るのね。
あと、「それなら小人サイズになる必要は無いんじゃないか」と思うぞ。望遠鏡を通してミニモイと喋り、ルビーがネクロポリスにあることを聞いたら、ネクロポリスのある辺りを掘り返せばいいんじゃないのか。
それと、あんなに浅い場所に王国があるってことは、祖母や両親が土を掘り返した時も、かなり危険な状況じゃないかと思うんだけど。
そういうのも、なんか設定が雑に感じるなあ。

(観賞日:2014年5月18日)

 

*ポンコツ映画愛護協会