『アリス・イン・ワンダーランド』:2010、アメリカ

7歳の頃、アリスは奇妙な夢ばかり見ていた。彼女は実業家の父チャールズに、「真っ暗な穴を落ちて、変な生き物に会うの。ドードー鳥とか、洋服を着た白ウサギとか、笑う猫とか、青い芋虫とか」と語る。「私、おかしくなったの?」と不安になったアリスに、チャールズは穏やかな表情で「そうだね。だけど偉大な人は、みんなそうだったんだよ。ただの夢だ。悪いことは起きない」と告げた。
13年後、相変わらずアリスは、その時と同じ夢ばかり見ていた。優しかったチャールズは死去し、貴族のアスコット卿が事業を引き継いでいる。ある日、アリスは母のヘレンに連れられ、アスコット卿の豪邸で開かれるパーティーに参加する。しかしアリスにとって、それは退屈な催しでしかない。アリスはアスコット卿と夫人に促され、夫妻の息子ハーミッシュと踊る。ダンスの後、アリスはそれが自分とハーミッシュの婚約パーティーだと知った。後でハーミッシュが求婚する手はずになっているのだという。
アリスはアスコット夫人に連れ出されて中庭を歩きながら、ハーミッシュと結婚する上での注意事項を聞かされる。洋服を着た白ウサギを見つけたアリスは後を追うが、すぐに見失った。白ウサギを捜したアリスは、姉マーガレットの婚約者であるローウェルが他の女とキスしている現場に遭遇した。ローウェルが「お姉さんの結婚式を台無しにするつもりかい」と内緒にするよう求めたので、アリスは「でも、こそこそしてるのは私じゃないわ」と腹を立てた。
ハーミッシュは大勢の前へアリスを連れて行き、結婚を申し込んだ。白ウサギの姿を見つけたアリスは「時間を頂戴」と告げて走り去る。白ウサギを追い掛けたアリスは、穴に転げ落ちてしまう。アリスが辿り着いたのは、幾つもの扉がある部屋だった。テーブルの上にある鍵を使ってみるが、どの扉も開かない。アリスは小さな扉を見つけ、鍵を鍵穴に差し込んでみた。扉は開いたものの、アリスが通り抜けるには、あまりにも小さすぎた。
アリスは液体の入った小瓶に気付き、それを手に取った。小瓶には「私を飲んで」と書かれた紙が括り付けられている。液体を飲むと、あっという間にアリスの体が縮んだ。扉を通り抜けられるサイズになったが、テーブルの上に鍵を置いたままだった。鍵を取ろうとするアリスだが、まるで届かない。その時、彼女は床に置いてあるケーキ(アッペルクーヘン)に気付く。そこには「私を食べて」と書かれていた。一口食べると、天井に頭がぶつかるほど大きくなってしまった。
アリスは鍵を手に取ってから、小瓶の液体を飲んだ。彼女は鍵を開けて小さな扉をくぐり、外に出た。すると白ウサギとヤマネ、喋る花、双子のトウィードルダムとトウィードルディーが待ち受けていた。彼らはアリスが本物かどうかで揉めていた。白ウサギは「あの時のアリスに間違いない」と確信して連れて来たのだが、ヤマネは人違いではないかと疑っている。そこで審判を仰ぐため、彼らは物知りの芋虫、アブソレムの元へアリスを連れて行くことにした。
アブソレムは白ウサギたちに命じて、アリスにアンダーランドの暦が描かれた絵巻物を見せる。それは予言の書であり、未来の出来事が示されている。その中には、アリスがフラブジャスの日にヴォーパルの剣を使い、ジャバウォッキーを殺す絵も描かれていた。アリスが「私じゃないわ」と言うと、アブソレムは「彼女はアリスとは程遠い」という判断を示した。アリスは夢を見ているのだと思い、腕をつねって目覚めようとするが、上手くいかなかった。
バンダースナッチとトランプ騎士団が襲撃して来たので、アリスたちは慌てて逃げ出した。トランプ騎士団を率いるステインは予言の書を拾い、赤の女王が暮らす城へ戻った。ステインは赤の女王に、アリスがジャバウォッキーを殺す絵が予言の書に描かれていることを教える。赤の女王は彼に、アリスを見つけ出すよう命じた。アリスは夜の森に迷い込み、ニヤニヤと笑うチェシャ猫に出会った。チェシャ猫は彼女をマッドハッターの元へ連れて行くことにした。
マッドハッターはヤマネと三月ウサギを招待し、ティー・パーティーを開いていた。マッドハッターたちは、赤の女王を打倒し、白の女王が再び王座に就くことを望んでいた。ジャックが騎士団を率いてやって来たので、マッドハッターはアリスの体を小さくしてティーポットに隠れさせる。ジャックはアリスを捜していたが、マッドハッターたちは何も知らないフリをした。騎士団が連れているブラッドハウンドのベイヤードが、ティー・ポットに近付いた。だが、マッドハッターの仲間である彼は、すぐに踵を返した。
ステインと騎士団が立ち去った後、マッドハッターはアリスを白の女王の元へ連れて行くことに決めた。白の女王の元へ行く道中で、マッドハッターはジャバウオッキーに関する詩を語る。「全て君のことだ」と言われたアリスは、「私は誰も殺さないわ」と反発した。マッドハッターが「赤の女王が何をしたか知った上で、そんなことを言うのか」と口にするので、「赤の女王は何をしたの?」とアリスは尋ねる。マッドハッターは、自分が白の女王の帽子職人をしていた頃の出来事を回想した。森の広場で白の女王と仲間たちが楽しんでいた時、ジャックと騎士団が急襲し、火を放ったのだ。
マッドハッターはステインと騎士団が迫って来たのに気付き、慌てて逃げ出した。泉に行き当たったマッドハッターは、「トロッターズ・ボトムへ行け。白の女王の城は、すぐ近くにある」とアリスに告げ、彼女を乗せた帽子を投げた。泉の向こう側に帽子が落下した直後、マッドハッターは騎士団に包囲されて捕まった。いつの間にか眠ってしまったアリスが目を覚ますと、ベイヤードが目の前にいた。アリスが「マッドハッターを裏切ったわね」と責めると、彼は「妻と子供たちが殺される」と釈明した。
アリスが「マッドハッターはどこへ連れて行かれたの?」と尋ねると、ベイヤードは「サラゼングラムにある赤の女王の城だ」と教える。「助けに行きましょう」と口にするアリスに、ベイヤードは「そんな予言は無い。君はジャバウォッキーに備えないと決められた道を守らないと」と告げる。しかしアリスはキッパリとした口調で「これは私の夢よ。道は自分で作るわ」と言い、ベイヤードの背中に乗って城までの案内を要求した。
アリスは城に侵入し、白ウサギの持っていたケーキを食べた。大きくなりすぎたアリスは赤の女王に見つかり、アムという偽名を名乗る。赤の女王は「頭の大きな人は大歓迎よ」と言い、アリスを城内へ招き入れる。赤の女王はマッドハッターを連行させ、アリスの居場所を教えるよう要求した。しかしマッドハッターが「貴方の素晴らしい頭を飾る帽子を作りたい」と述べると、赤の女王はステインに指示して彼の手枷を外させた。
ベイヤードは白の女王の元へ辿り着き、アリスがアンダーランドへ来ていることを知らせる。「しかし今はサラゼングラムに」と申し訳無さそうに言うベイヤードに、白の女王は「いいのよ。ヴォーパルの剣はそこにあるんだから」と告げた。赤の女王はステインに「アリスを見つけ出すのよ。ジャバウォッキーが殺されたら、妹を慕う者たちが謀反を起こすわ」と語る。赤の女王は、民衆から愛されている妹、白の女王に対する強い嫉妬心を抱いていた。
赤の女王のための帽子を作り始めたマッドハッターは、アリスに「この城にヴォーパルの剣がある。白ウサギが手伝ってくれるから、白の女王に届けてほしい」と依頼した。白ウサギがアリスを導いた場所は、バンダースナッチの小屋だった。その中に剣があるのだという。アリスは怯えながらも小屋に入り、ヤマネが抉り取った目玉をバンダースナッチに返した。するとバンダースナッチは、アリスに負わせた左腕の傷を優しく舐めた。アリスは箱の中に保管されていたヴォーパルの剣を手に入れた。
赤の女王は家臣から、ステインがアムを口説いていたという報告を受ける。追及を受けたステインは、「彼女がしつこく迫って来た」と嘘をついた。赤の女王は激怒して「打ち首じゃ」と叫び、アムを捕まえるよう命じた。マッドハッターとヤマネはアリスに「逃げろ」と言い、ステインと騎士団を妨害する。アリスは騎士団に包囲されるが、バンダースナッチが助けに入った。アリスはバンダースナッチの背中に乗り、マーモリアルにある白の女王の城へと向かった。
アリスは白の女王と会い、ヴォーパルの剣を渡した。すると白の女王は、面会者が来ていることを教える。それはアブソレムだった。彼は「前は程遠いと言ったが、今は違う。ほとんどアリスだ」と口にした。「だとしてもジャバウォッキーは殺せない。死ぬことになっても」とアリスが言うと、アブソレムは「死ぬぞ。だからダブチェスの日には、ヴォーパルの剣を傍に置いておくといい」と述べた。
マッドハッターとヤマネは捕まり、牢に入れられていた。マッドハッターの牢にはチェシャ猫が現れ、彼の帽子を見て「それ、欲しいな」と呟いた。翌朝、マッドハッターとヤマネは庭に連れ出され、処刑されることになった。マッドハッターの首が撥ねられた途端、彼の姿が消滅した。そして帽子が空に浮かび、そこにチェシャ猫の頭部だけが出現した。赤の女王の傍らに姿を現したマッドハッターは、「貴方の周囲は嘘つきのおべっか使いばかりですよ」と言い、家臣たちが体の一部を大きく見せていることを暴露した。
マッドハッターは集まった民衆に対し、「赤の女王に虐げられている者たちよ、今こそ赤の女王を倒そうじゃないか」と呼び掛けた。拍手が起きる中、怒った赤の女王は、ジャルジャル鳥を放ってマッドハッターたちを襲撃させた。彼女はステインに、「お前の言う通りだ。愛されるより恐れられた方がいい。戦の準備をせよ。妹の城へ行く」と告げた。一方、アリスは鎧と剣を手に入れた赤の女王から「後は戦士だけ」と言われるが、ジャバウォッキーと戦おうとする気持ちは芽生えていなかった…。

監督はティム・バートン、原作はルイス・キャロル、脚本はリンダ・ウールヴァートン、製作はリチャード・D・ザナック&スザンヌ・トッド&ジェニファー・トッド&ジョー・ロス、共同製作はカッテルリ・フラウエンフェルダー&トム・ペイツマン、製作協力はデレク・フレイ、製作総指揮はピーター・トビアンセン&クリス・レベンゾン、撮影はダリウス・ウォルスキー、編集はクリス・レベンゾン、美術はロバート・ストロンバーグ、衣装はコリーン・アトウッド、シニア視覚効果監修はケン・ラルストン、音楽はダニー・エルフマン。
主演はジョニー・デップ、共演はミア・ワシコウスカ、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム=カーター、クリスピン・グローヴァー、マット・ルーカス、フランシス・デ・ラ・トゥール、リンゼイ・ダンカン、ジェラルディン・ジェームズ、ティム・ピゴット=スミス、マートン・チョーカシュ、ジョン・サーマン、ピーター・マティンソン、レオ・ビル、ジェマ・パウエル、ジョン・ホプキンス、エレノア・ゲックス、エレノア・トムリンソン、レベッカ・クルークシャンク他。
声の出演はアラン・リックマン、スティーヴン・フライ、マイケル・シーン、ティモシー・スポール、バーバラ・ウィンザー、クリストファー・リー、マイケル・ガフ、ジム・カーター、イメルダ・ソーントン、ポール・ホワイトハウス他。


ルイス・キャロルの児童小説『不思議の国のアリス』と続編『鏡の国のアリス』をモチーフにして、その後日談となる物語を構築した作品。
監督は『チャーリーとチョコレート工場』『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』のティム・バートン。
マッドハッターをジョニー・デップ、アリスをミア・ワシコウスカ、白の女王をアン・ハサウェイ、赤の女王をヘレナ・ボナム=カーター、ステインをクリスピン・グローヴァー、ダム&ディーをマット・ルーカスが演じている。他に、伯母のイモージェンをフランシス・デ・ラ・トゥール、ヘレンをリンゼイ・ダンカン、アスコット卿夫人をジェラルディン・ジェームズ、アスコット卿をティム・ピゴット=スミス、チャールズをマートン・チョーカシュが演じている。
アブソレムの声をアラン・リックマン、チェシャ猫をスティーヴン・フライ、白ウサギをマイケル・シーン、ベイヤードをティモシー・スポール、ヤマネをバーバラ・ウィンザー、ジャバウォッキーをクリストファー・リー、ドードー鳥をマイケル・ガフが担当している。

ティム・バートン監督の作品を観賞する上で重要なキーワードは、「フリークスへの愛情」と「毒を含んだ無邪気さ」だと私は思っている。 ところが、製作したのがウォルト・ディズニー・ピクチャーズだから遠慮したのか、それとも製作サイドのコントロールがあったのか、どちらの要素も今回は薄味になっている。
ってことは、ティム・バートン監督作としての持ち味が弱くなっているということだ。
それでも職人監督としての手腕がある人なら、面白い映画に仕上げることが出来たのかもしれない。
しかし残念ながら本作品は、ティム・バートンの持ち味が出ているかどうかという問題を抜きにしても、単純に面白くない。

この映画は、アクション映画としての色合いが濃くなっている。
原作の『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』は、そんなテイストの作品ではない。
いつの頃からか、ハリウッドでは著名な古典的作品を勧善懲悪のアクション物として改変することが多くなった印象があるが、それは良くない傾向だなあ。
少なくとも『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』については、そういうのはアプローチの方向として間違ってるんじゃないかと思うぞ。

原作の言葉遊びを持ち込めとは言わない。どうせ英語の言葉遊びだから、日本人には分かりにくいし。
ただ、ナンセンスな味付けという部分に関しては、それを消しちゃダメなんじゃないかと。
まあ全く持ち込んでいないとは言わないけど、かなり薄まっている。
そこに「人生をどう歩んでいくべきか」といった真面目なテーマを持ち込んだせいで、ますますナンセンスの色が薄くなっている。

そりゃあ、「ヒロインの精神的成長」という要素を持ち込んで、勧善懲悪のアクションとして作った方が、色んな観客から分かりやすく感じてもらえる映画になる可能性は高いのかもしれない。
だけど、そんな仕上がりにしちゃったら、もはや『不思議の国のアリス』じゃないと思うんだよな。
『不思議の国のアリス』って、幻想的な世界をアリスが冒険する内容ではあるけれど、ヒロイック・ファンタジーじゃないからね。
終盤、ジャバウォッキーと戦うことを決意したアリスは鎧を装着し、盾と剣を持っているけど、ジャンヌ・ダルクじゃないんだからさ。

それと、「敷かれたレールの上を歩くよう求められていたアリスが、自分で決めた道を歩こうと決意する」という流れがあるんだけど、そこも引っ掛かるんだよなあ。
確かにアリスがジャバウォッキーと戦うのは本人が決めたことだけど、予言の書に書かれていた通りの行動であることは確かなわけで。
それって、「定められた道を歩いている」ということにならんのかな。
あと、現実世界に戻った彼女は父の事業を引き継ぎ、中国への展開をアスコット卿に提案するんだけど、そういう妙なリアリティーは邪魔だなあ。まだ「幻想世界の余韻」が欲しいところなんだよな、ラストは。
そこまで極端に現実へ引き戻すのは、無粋に思えるんだが。

この映画って、明らかに原作を知っている人を前提として作られているよね。もしくは1951年に公開されたディズニーの長編アニメ映画『ふしぎの国のアリス』を見ていれば、それと同じ条件と言ってもいいけど。
アンダーランドに落ちたアリスが最初の部屋で体験する出来事は、「少女時代にアリスが体験した出来事を白ウサギやヤマネたちが再現させている」ということなんだけど、『鏡の国のアリス』はともかく、『不思議の国のアリス』を知らないと、それが「同じ出来事」であることはピンと来ないよね。
ってことは、「原作を読んだりアニメ版を見たりしたことのある人に見てもらいたい」というスタンスのはずなんだけど、それなのに原作やアニメ版とは全く異なるテイストで仕上げているのは、いかがなものかと。
これを『不思議の国のアリス』の後日談という風に感じることは、ちょっと出来ないなあ。「『不思議の国のアリス』のアクション版」として作られているならともかく、あの原作があって、そこから13年後の物語ってことになると、あまりにも雰囲気が違いすぎて、受け入れ難い。

シリアスになりすぎているのも、違和感が強いんだよなあ。
例えばトランプ兵にしても、マジに強くて怖い存在になっているんだけど、そりゃ違うなあと。ペラペラで弱そうなのに、自分たちは強いと思い込んで偉そうにしているってのが面白いと思うので。
まあ、そもそも、そういう面白さを出そうとはしてないんだけどね。
でもなあ、アリスの物語に、マジな緊張感とか、そんなの要らないわ。
こっちはワクワク感が欲しいのよ。
ハラハラ感は、そんなに要らない。っていうか、まるで要らないわ。

赤の女王の扱いに関しては、「ティム・バートンらしくないなあ」と感じさせられる。
赤の女王は頭が異様に大きい、いわゆるフリークスである。家臣たちは付け鼻や付け耳でフリークスを装い、彼女に媚びている。赤の女王は性格が悪くて残忍で、人々から忌み嫌われている。
一方、赤の女王の妹である白の女王は、白塗りメイクだがフリークスではないので、美女という解釈でいいんだろう。
そんな彼女は、民衆から愛されている。
美醜によって善悪を分けるというのは、ディズニー映画の伝統だ。

赤の女王は妹に対して、「なぜ彼女だけが愛されるのか」と強い嫉妬心を抱いている。赤の女王だって、人々から愛されたいと思っている。
しかしマッドハッターが「赤の女王に虐げられている者たちよ、今こそ赤の女王を倒そうじゃないか」と呼び掛けて民衆から拍手が起きると、彼女は「愛されるより恐れられた方がいい」と完全に腹を決めている。
そこにはフリークスの悲哀が感じられる。
そこまでは、ティム・バートンらしい視線が感じられる。
問題は、その後だ。

戦いに敗れた赤の女王は、白の女王によって追放され、一人ぼっちで生きていくよう命じられる。
だが、その結末は、悲哀を帯びたモノとしては描かれていない。単に「善が悪を駆逐した」というだけだ。
美しい者が醜い者をやっつけたという決着を、単純な勧善懲悪として描いているのは、ティム・バートンらしくないんじゃないかと。
そもそも、白の女王って、ホントに善玉として受け止めていいのか。
彼女を「善」とする裏付けって、「民衆から慕われている」ということぐらいでしょ。
でも、かなり冷淡な奴に見えるんだけど。

(観賞日:2013年4月9日)


2010年度 HIHOはくさいアワード:2位

 

*ポンコツ映画愛護協会