『アド・アストラ』:2019、アメリカ

ロイ・マクブライド少佐は心理検査を受け、「力を尽くして任務を行う。需要なことだけに集中し、他は顧みない。現実的な決断をする。気を散らしたりしないし、些細なことを引きずることも無い。誰にも頼らず、簡単にミスは犯さない」と語る。彼は安定した心拍数を提出し、検査に合格した。夢だった宇宙飛行士になったロイは、周囲の目を意識して作り笑顔を振り撒いている。宇宙アンテナで働いていた彼は、故障したロボットアームの診断テストにチームで赴いた。すると突然の爆発が起き、作業員が次々に転落する。ロイは避難のために手を離して降下し、パラシュートで地上に着地した。 しかしロイには、何の感情も沸いて来なかった。
テレビのニュースでは、「サージと呼ばれる電気嵐が地球全体に大惨事をもたらし、今後も続くことを科学者たちは懸念している。発生源は宇宙で、原因は不明」と報じられている。だとキャスターは語った。ロイはアメリカ宇宙軍から、報告会議への出席を要請される。彼はストラウド准将に迎えられ、宇宙軍特殊作戦指揮官のリヴァス中将と警備のトップであるヴォーゲル総務局長を紹介される。ストラウドは最高機密の事案として、海王星のスペクトログラムで宇宙放射線バーストが起きている画像を見せた。それは11日前の記録で、「そこから放出された高エネルギー粒子が世界中に壊滅的なサージを引き起こした」とストラウドは告げた。
リヴァスはロイに、「リマ計画について何を知ってる?」と問い掛けた。それは29年前の太陽系外縁部への初の有人探査で、司令官はロイの父であるクリフォードが務めた。任務16年目に船は消息を絶ち、データは何も回収されないまま計画は中止になった。ストラウドはロイに、「クリフォードが海王星の近くで生きている。正確な位置は分からない」と言う。サージ電流は何らかの反物質反応が原因と見られるが、リマ計画の動力源は反物質でクリフォードが責任者だった。
ロイはストラウドから、「今回のサージは制止できない連鎖反応で、このままでは太陽系全体を不安定にさせてしまう。火星から安全なレーザー伝送で、父上に個人的なメッセージを送ってほしい」と要請される。火星の地下基地は、サージの影響を受けなかった唯一の場所だ。「何か反応があるかもしれない。信号から位置を捉えて危機を解決する策を練る」とストラウドは言い、まず月に向かって配備されている長距離ロケットに乗るよう指示した。これは極秘の任務であり、ヴォーゲルはロイに「目立たないように一般人に紛れて移動して。プルイット大佐が連絡窓口」と補足した。
クリフォードが失踪したのは、ロイが16歳の時だった。最後のメッセージは海王星に向かう時で、父は「我々は一番の疑問に応えようとしている。前人未到のことだが、必ず成功する」と興奮した様子で話していた。プルイットはロイに挨拶し、クリフォードとは同僚だったと話す。これから常に監視されると言われたロイは、「父は死んでいるでしょう」と冷静に告げる。するとプルイットは、クリフォードが我々から逃げているのではという疑念が拭えないのだと述べた。
ロイは病気や事故に備えて近親者に残す個人ディレクトリーを起動し、妻のイヴにメッセージを残そうとする。彼は「いつものように宇宙に出る。いつも誠実でいると約束したのに守らなかった。君に行かないでくれと言いたかった」と話すつもりだったが、録音をキャンセルした。ロイはルーが船長を務める民間機で月へ行き、ロケットのクルーは任務を知らないとプルイットから聞かされる。ロイが父と最後に交わした会話について尋ねると、彼は自分がプログラムを去ることで口論になったと明かした。「君はこの任務が辛いのか」と問われたロイは、「いえ、父はヒーローです。プログラムに人生を捧げた人間を疑うなんて、宇宙軍は卑劣ですよ」と述べた。
ロイとプルイットを護衛するチームのリーダーは、盗賊に悩まされていることを話した。彼らは発射基地へ向かう途中で盗賊のローバーに襲われ、護衛チームが全滅した。ロイは車を運転し、無事に基地まで辿り着いた。プルイットは心拍数が乱れ、「君と一緒には行けない」とロイに告げる。彼は「宇宙軍は機密事項を知らせて来た。受け取れ。大きなリスクを負うことになる。宇宙軍は君を信用していない」と言い、チップを渡した。ロイは長距離ロケットの「ケフェウス」に搭乗し、船長のローレンス・タナーに挨拶した。ロイがクリフォードの息子だと気付いたタナーは、「レジェンドの息子が乗船したぞ」と副船長のドナルド・スタンフォードや船員のロレイン・ディーヴァース、フランクリン・ヨシダたちに告げた。
ケフェウスは出発し、タナーは精神安定剤を全員に配布した。ロイはスーツの酸素漏れを名目にクルーから離れ、チップの動画を再生した。プルイットは受信した信号を分析し、クリフォードが外部からの通信を意図的に無効にしたと確信していた。彼はクリフォードが精神疾患を抱えた可能性があると考え、通信が成立しなければ排除してサージ電流を止める必要があると宇宙軍に報告していた。ケフェウスは救難信号を受信し、規則に従って減速する。ロイは火星へ向かうよう要求するが、タナーは「止まる義務があるんです」と告げる。極秘任務を明かさない限り指示には従えないと言われたロイは、信号に応えるよう告げた。
救難信号を出したのは、小惑星を周回しているノルウェー船籍のベスタ9号だった。呼び掛けても応答が無いため、タナーは船内に突入することを決めた。ドナルドが怯えているのを悟ったロイは、彼の代わりにタナーに同行することを決めた。ロイとタナーはベスタ9号に突入し、手分けして生存者を捜索する。タナーは凶暴化した実験用の猿に襲われて死亡し、ロイは何とか脱出した。心理検査を受けたロイは、猿の攻撃について「あれは怒りによる攻撃だ」と言う。さらに彼は、「あの怒りは父にもあったし、僕も覚えがある。任務に出た父に怒っていた。でも自分で怒りに気付き、それを脇に追いやると、残るのは痛みだけだ。だから僕は周囲に壁を作り、深入りしない。どうやって克服すればいいのか分からず、不安になる。父のような人間にはなりたくない」と吐露した。
火星に接近したケフェウスは、着陸直前でサージ電流を浴びた。船が制御不能になったため、ロイはドナルドにマニュアルで対応するよう指示した。しかしドナルドが狼狽して全く動けなかったため、ロイがマニュアルに切り替えてケフェウスを火星に着陸させた。地下基地に入ったロイは所長のヘレン・ラントスに挨拶され、宇宙嵐で着陸時に3人が亡くなっていることを知らされた。そこへ宇宙軍のチップ・ガーンズが現れ、「極秘事項だ」とヘレンを下がらせてロイを奥の部屋に連れて行った。
チップは海王星に極秘リンクし、ロイは用意されていたメッセージの文面を読み上げた。それは「宇宙軍は今回の事態を貴方の責任ではないと言っています。貴方が試みている全ての情報手段を知りたいと。彼らは貴方に協力したく可能なら救出作戦の用意もあると」という内容だった。メッセージは送信されたが、応答は無かった。ロイはチップから、「次の地域で試そう」と告げられた。彼は自分でも、父を見つけたいのか忘れたいのか良く分からなかった。
ロイは宇宙軍に利用されていると感じながらも、指示に従って再びメッセージを送る。ただし今度は用意された文面を読まず、自分の言葉で父に語り掛けた。すると宇宙軍の女性が現れ、「個人的な繋がりのため、任務続行には不適任となりました」とロイに告げる。「連絡があったんだな?」とロイが尋ねても、彼女は返答しなかった。ロイは心拍数が上がっていることを指摘され、地球へ帰還する前に対処するよう促された。しかし心理検査を受けた彼は心拍数が下がらず、安静室に戻って気持ちが落ち着くのを待つよう指示された。
ロイはストラウドに連絡しようとするが、優先コードは無効化されていた。彼が安静室で苛立っているとヘレンが現れ、「ケフェウスは軍の指示で核爆弾を運ぶため、深宇宙へ飛ぶことになった。探索と破壊の任務よ」と語る。「私たちは死ぬの?」と問われたロイは、「今の状況は分かりません」と答える。しかしヘレンから「両親がリマ計画で宇宙に出て死んだ」と聞かされると、「サージ電流はリマ計画から来ています。全てが破壊される可能性がある」と明かした。
ヘレンはロイに、クリフォードから送られて来た動画を見せた。クリフォードは故郷から遠く離れている精神的苦痛に耐えかねた数名が地球に戻りたがって反乱を起こしたこと、船を奪おうと目論んだためにステーションの一部の生命維持装置を無効にしたことを語っていた。反逆者ではないクルーも道連れになったが、それでもクリフォードは知的生命体を発見するため計画を続行していた。ヘレンが「宇宙はイメージを壊さないよう、クリフォードを英雄にすることで自分たちを守った。お父様が私の両親を殺した。あのモンスターは人類の脅威」と話すと、ロイは「ケフェウスに乗りたい。私が父を何とかする」と告げた。
ヘレンはロイに発射台の地下にある湖の地図を渡し、「そこからアクセスできる」と近くまで送り届けた。ロイは地下湖を潜水して発射台へ辿り着き、打ち上げ直前でロケットに乗り込んだ。彼は「私は脅威ではない」と受け入れるよう訴えるが、スタンフォードは「貴方が来ると任務が出来ない。そこを動かないで」と頼む。しかしロイが説得を続けようとするので、ロレインとヨシダが排除に向かう。すると切り離しの衝撃でロレインが叩き付けられて死亡し、激昂したヨシダはロイに襲い掛かる。ロイを狙ったスタンフォードの誤射で空気が汚染され、ヨシダは死亡した。スタンフォードも命を落とし、ロイはリマ計画を破壊するために1人で海王星へ向かう…。

監督はジェームズ・グレイ、脚本はジェームズ・グレイ&イーサン・グロス、製作はブラッド・ピット&デデ・ガードナー&ジェレミー・ クライナー&ジェームズ・グレイ&ロドリゴ・テイシェイラ&アンソニー・カタガス&アーノン・ミルチャン、製作総指揮はマーク・バタン&ロウレンソ・サンターナ&ソフィー・マス&ドン・ユー&ジェフリー・チャン&アンソニー・モサウィー&ポール・コンウェイ&ヤリヴ・ミルチャン&マイケル・シェーファー、共同製作はダグ・トーレス、製作協力はクリスティーナ・オー、撮影はホイテ・ヴァン・ホイテマ、美術はケヴィン・トンプソン、編集はジョン・アクセルテッド&リー・ハウゲン、衣装はアルバート・ウォルスキー、視覚効果監修はアレン・マリス、音楽はマックス・リヒター、追加音楽はローン・バルフェ、音楽監修はランドール・ポスター&ジョージ・ドラクリアス。
出演はブラッド・ピット、トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ルース・ネッガ、ジョン・オーティス、リヴ・タイラー、グレッグ・ブリック、ローレン・ディーン、キンバリー・エリス、ジョン・フィン、リサ・ゲイ・ハミルトン、ドニー・ケシュウォーズ、ボビー・ニッシュ、ショーン・ブレイクモア、フリーダ・フォー・シェン、ケイラ・アダムス、ラヴィ・カプール、エリザ・ペリー、ダニエル・S・サウリ、キミー・シールズ、クナル・ダドヘカー、アリソン・リード、サーシャ・コンペア、ジャスティン・ドレイ、アレクサンドリア・ルーセット、ナターシャ・リオン他。


ブラッド・ピットが主演を務め、自身の映画会社「プランBエンターテインメント」で製作した作品。
監督は『エヴァの告白』『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』のジェームズ・グレイ。
脚本はジェームズ・グレイとTVドラマ『FRINGE/フリンジ』のイーサン・グロスによる共同。
ロイをブラッド・ピット、クリフォードをトミー・リー・ジョーンズ、プルイットをドナルド・サザーランド、ヘレンをルース・ネッガ、リヴァスをジョン・オーティス、イヴをリヴ・タイラー、チップをグレッグ・ブリック、スタンフォードをローレン・ディーン、ロレインをキンバリー・エリス、ストラウドをジョン・フィン、ヴォーゲルをリサ・ゲイ・ハミルトン、タナーをドニー・ケシュウォーズ、ヨシダをボビー・ニッシュが演じている。

大勢が犠牲になる宇宙アンテナの事故やロイが与えられる任務など、導入部の展開からはスケールの大きな本格SFを予想させる。
ロイの熱が低いのは少し気になるが、「主人公の熱」という要素が本格SFに必須というわけではない。
しかし、この映画におけるSFの部分は背景や舞台設定に過ぎず、描きたいのは父と息子の親子愛のドラマだ。
近未来の日本を舞台にして若い男女の恋愛劇を描くセカイ系の作品と、似たようなモノだ。

スケールの大きな本格SFの中で、親子のドラマを描くことが出来ないわけではない。例えば『スター・ウォーズ』だって、突き詰めて考えれば、やっていることは親子喧嘩だしね(あれは本格SFじゃなくてスペース・オペラだけど)。
しかし本作品は、ものすごく地味でスケールの小さな物語になっている。
宇宙を舞台にしており、しかも主人公は移動を繰り返しているのに、ちっとも壮大なスケール感を抱かせない。
なので、コレジャナイ感を覚える人も少なくないのではないかと思われる。

人間ドラマがメインであろうとなかろうと、本格SFの意匠を被っているのであれば、そこにディティールはキッチリと整えておく必要がある。主人公の熱とは違って、こちらは絶対に不可欠な条件だ。
ところが、この映画の科学考証は適当なのだ。
一応は専門家が参加しているはずなので、科学考証はサボっていないと思うのよ。
そのはずなのに、「いや無理だろ」「いや死ぬだろ」など、ツッコミを入れたくなる箇所が幾つも出てくるのよね。

冒頭シーンではサージで大勢のスタッフが死ぬ事故を描いているが、別に誰も死ななくても全く影響はない。
ここでは「大惨事だったし無事に助かったのにロイが無感情」ってことで事足りる。「仲間が死んだのに無感情」ってのは、ナレーションでは全く言及していない。
月では「盗賊が頻発しており、隠れ場所を提供する国もある」という状況が明かされ、ロイたちが襲撃される展開もあるのだが、本筋には何の関係も無い。「アクションシーンとして迫力やスピード感があって、見せ場としての力を持っている」ってわけでもないし。
むしろ、そういうのを意図的に抑制しているのかと思っちゃうぐらいだし。
そこはプルイットを離脱させるためだけのシーンと言ってもいい。で、だったら最初から、こいつが同行する設定を外しちゃえばいい。

ベスタ9号の救出ミッションも、月での襲撃事件と同様。ここでサスペンスを作っても、本筋とは何の関係も無い。
どっちも「ロイの感情が全く動かない」ってことを描く狙いがあるのかもしれないが、それは他のトコでも充分にやっているでしょ。
それに、そういうのを描くにしても、本筋から外れずに消化することは出来るからね。
っていうかベスタ9号のエピソードに関しては、ロイもかなり焦っているし。
なので、「常に冷静で心拍数が乱れない」という設定も破綻しているように見えるぞ。実際に彼の心拍数が提示されるわけではないけど、少なくとも表面的には慌てているからね。

ロイは戦闘訓練でも宇宙訓練でも全て並外れた結果を残しており、心拍数が80を超えたことが無い。
彼は常に冷静沈着で、大規模な事故で仲間が死亡しても全く心拍数が変わらない。自らが死ぬかもしれない状況にあっても、無事に回避できても、やはり落ち着き払っている。
それは「プロとして優れている」ということではなく、感情が欠如しているのだ。
だから事故が起きても仲間の死を悼む気持ちが湧かないし、無事に着地しても「助かった」という安堵の気持ちが湧かないのだ。

だけど、そもそもロイの感情が欠如している理由が良く分からないんだよね。
彼は「父のような人間にはなりたくない」と言っているけど、「だから周囲に壁を作って感情を閉ざしている」ってのは、どういう理屈なのか。
そんなロイの父に対する感情も、ずっとボンヤリしている。本人が「見つけたいのか忘れたいのか良く分からない」と言っているけど、その二択どころじゃないぐらい曖昧模糊としている。
「見つけたい」にしろ「忘れたい」にしろ、ロイを突き動かす強い衝動も、苦悩や葛藤も、まるで見えない。

ロイが父に自分の言葉でメッセージを伝える時には、目に涙を浮かべていたし、感情が動いた様子もあった。
でも、それが引き金になって感情が解放されるのかというと、その後は再び抑制された男になっているのよね。
クリフォードがヘレンの両親を含む大勢の仲間を殺したと知った後も、そこでロイが苦悩する様子は見られない。
「ずっと尊敬していた父が身勝手な殺人者だった」と明らかにされても、そんなに強いショックを受けている様子は無い。

あとさ、クリフォードが失踪したのはロイが16歳の時だよね。ってことは、結婚する前からロイは周囲に壁を作って感情を殺していたってことになるでしょ。
それなのに、イヴとは結婚したのか。
なぜ「周囲に壁を作って深入りしない」ってことをモットーにしている人間が、結婚という選択をしたのか。そこもサッパリ分からんよ。
最終的に「自分の身勝手さを認識し、愛する妻の元へ戻る」というトコへ着地されても、「そもそもロイはホントにイヴに惚れて結婚したのか」という疑問が湧くぞ。

ケフェウスのクルーが全滅するのは、全面的にロイの責任だ。彼が勝手にケフェウスへ乗り込んだから、そういう事態が起きたのだ。
彼は父と会うために、大勢の人間を死に追いやっている。それは計画を続行するために仲間を殺した父と、大して変わらない行為だぞ。
ロイは「判断は歴史に委ねる」とメッセージを残しているけど、歴史に委ねるまでもなく明らかな重罪だよ。
せめて彼が贖罪を済ませてくれればともかく、最後は「イヴに会うため地球へ帰還する」という能天気な結末だからね。しかも地球に帰還したロイは、宇宙軍から罰せられることも無いし。

クリフォードは「地球には何も無い。家族は捨てた」と認識しており、「海王星で30年間もいる中で、微塵も家族のことを思わなかった」と断言するんだよね。
それは強がりの嘘じゃなくて本音であり、彼は「知的生命体を見つけ出す」という目的のためだけに生きているのだ。
それでもロイは父への愛を訴えて一緒に帰ろうと誘うのだが、「父が家族を愛していない」「父は自分を必要としていない」と明らかになったのに、それで今までの気持ちのわだかまりが解消されるのか。

身勝手な行為で犠牲者を出してまで父を見つけ出し、そこでロイが得た物って皆無に等しいんじゃないのか。
あえて言うなら「何の意味も無かったことが分かった」というのが得た物だけど、それは屁理屈みたいなモンだし。
「ロイが考えを改め、これからは妻と向き合って生きていくと決めた」という「主人公の精神的成長」を描く物語として捉えることも、出来なくはない。ただ、そのために支払った犠牲がデカすぎるだろ。
そのせいで命を落としたケフェウスの乗組員たちが浮かばれないわ。

(観賞日:2021年5月10日)


2019年度 HIHOはくさいアワード:第7位

 

*ポンコツ映画愛護協会