8月30日(火)


CITROEN 2CV  目覚し時計の鳴る前、午前6時10分前に目覚めた。
 ムチャクチャにしんどい。
 これが2日酔いなのだと思いつつ、起き上がろうとするがダメだ。
 とてもじゃないが6時43分の列車には乗れん。
 そう思うとベッドにダウン。気分はハキソウ。
 結局起きたのは9時すぎ。
 トイレへ行って、朝食。
 食べる前に一泊分36DMを50DM札で支払った。ほんとなら今朝この50DM札を机‥‥‥じゃなかった枕元へ置いて出ていくはずだったのだが‥‥‥食べてから部屋へ戻ろうと階段を上がりかけると女主人が出てきてdown, downという。アッと気づいた。
 私の部屋は下だったんだ。動転しとるのか?
 結局、部屋を出たのは10時40分だった。女主人と握手してサヨナラ。
 「さよなら、ナイス・ボーイ」
 彼女にとっては、今でも日本人は盟友なのだろうか。

 私は近くの公園へ行き、しばらく座り込んで日記を綴った。
 今晩は寝台車に乗るつもりだ。
 そこで駅へ行き寝台券を買った。
 リュックをコインロッカーに入れようかどうしようか迷っているとホームであの浜谷氏にバッタリ会った。
 スイスのグリンデルワルトの世界一長いリフトで出会った男だ。
 いやぁ観光客にとってヨーロッパは狭い!
 彼はこれからインスブルックへ行くと言っていたが、私と話して、じゃあブルージュへ行こうかなと言い出した。
 彼と昼食を食いに歩行者天国へ赴いた。
 結局、私はリュックをコインロッカーへ入れて手ぶらになったのだった。
 デパート内の結構いいレストランへ入り、相変わらず読めないドイツ語メニューをにらみ、何もわからんが適当に注文した。
 天井をミニチュア列車が走っていたのがGut。
 食後、下の文房具店へ行き、おみやげを見つくろった。
 弟にはジェリカン型鉛筆削り器だ。

私と旧式ワーゲン  今日のスケジュールは慌ただしい。
 すぐさまドイツ科学博物館へ向かった。
 実際に物理実験をさせてくれる所を探して歩くが見つからない。
 一度は地下のトンネル工事の現場再現に突入し、迷路にはまったようになる。
 結局みつからず。
 しかしあちこちを歩きまわった。
 2人で模型のスゴサに感心する。
 私は旧式のワーゲンの前で浜谷氏に写真を撮ってもらった。
 博物館を出て再びデパートへ戻った。
 プリンセスというアイスクリームパフェを食べた。量が多くて旨い。
 また下の文房具店でフランス製のボールペンテルを購入した。
 そして他にも親父用にパス入れ2つ、日記用の黒ペンを買った。

 私達はホーフブロイハウスへ向かった。
 その途中、私はマクドナルドでハンバーガーとポム・フライテス(フライド・ポテト)を買った。
 しかしレジが大の方の値段でポテトの勘定を打ったのを呼びとめて「小だ(small)!!」と叫んだ。ははは。
 「もって帰るのか」と聞かれてYa!。外で食べた。
 そしてそしてホーフブロイハウスへ再度来ましたぞ。
 私達はゆうべ座った場所のすぐ右側の席へ着席し、1/2ビールとフランクフルトを注文した。
 そして向かいのドイツ人夫婦と歓談した。
 フランクフルト・アム・マインFrankfurt Am Mainから来たのだという。
 浜谷氏は第一勧銀のカレンダー・カード(裏に錦絵の女性)を婦人に進呈した。
 絵についてはこれはずっと昔の女性だと説明しておいた。
 彼らは私達と握手した後、帰った。
横断歩道付近  ホーフブロイハウスの外に売店があり、私がここの名前入りTシャツがほしいと言うと浜谷氏はむこうのトレーナーの赤のがほしいという。
 私もそっちの方がいいとなり午後7時50分に店を出て国電(地下鉄)をタダ乗り(ユーレイルパス可)して駅へ行き両替し、すぐ戻った。
 ハウスの入口でも売っていたのでそっちへ入り、私はワインカラーのトレーナーを試着した。
 この色はスイスであった俣野さんの着ていたトレーナーを思い起こさせる。
 店員2人がGutといってくれたので買った。35DM。
 急いでまた地下鉄にのる。

 ミュンヘンの地下鉄は手で開閉するドアだ。
 ミュンヘン中央駅へ到着し、すぐ列車のある所へいき、ずーっと歩いてようやく一等をみつけて乗り、私がこのコンパを独占し守る役となり、浜谷氏は2人分の荷物をとってくる手はずとなった。
 だから他の人間がコンパに入ろうとするのを断わったりした。
 午後9時14分発なのに浜谷氏はまだ来ない。
 12分頃ようやく車付きのカゴを押してくる。
 乗る。列車はすぐに出発した。
 で荷物をコンパにおいて私は自分の寝る寝台車を探して後方へ歩いて行った。
 そう、浜谷氏は普通のチケットなので、コンパで寝泊まりするのだ。

 Excuse me!と断わりつつ人々をかき分け、狭い通路を通ってどんどん進み、乗客にもたずね、車掌にもたずねるが、私の寝るべき車両“I don't know”なんてぬかしやがって!
 さんざん探して歩き回って腹立てていると、ある車掌がチケットを見てカモンと私の先頭を歩き出し、寝台車の所までまで連れていってくれた。
 彼にはパスポートと、カバンをひっくり返して捜し出したユーレイル・パスを預けることになった。
 そうだ、この列車で寝ている間に西ドイツ北方の国境を越えるのだ。
 私は彼から受け取ったシーツを伸ばした後、浜谷氏の所へ戻った。

 コンパの戸を開けると他に外人が4人。
 おやまぁ、かわいそうにと浜谷氏に同情していると、オーッといってその4人が手に手に握手を求めてきた。
 浜谷氏によると、この人達が突然なだれこんできてワイン飲めといきなり勧めてきたという。
 全員寝台車の人らしく荷物を持っていない。
 私も交えて皆と話し込むことになった。
 彼らはアメリカからきた2家族の親達で、私がコンピューターを学んでいると言うと、ステファンという私の右隣りのアメリカ人が自分の名刺を出してきた。
 “HORIBA INSTRUMENT副社長”と書かれている。
 彼によれば、京都に本社があるという。
 私の前のオッチャンもアタリのマイコンもってるという。
 私が例のカブトムシワーゲンの図を見せるとえらく感動したので、進呈すると告げると喜んで胸のポケットへしまい、このプログラム教えてと言う。
 彼らにはワインをたらふく注いでもらい、夜11時頃まで話していた。
 ホーフブロイのトレーナーの色をマイ・ガールフレンド・カラーと言うと大受け。
 トマスのおじさんは驚いた顔をして胸に手を入れて、心臓ドッキンドッキンのジェスチャーで大笑い。
 ようやく彼らも寝台車へ眠りに行き、私もしばらく日記を書いた後、コンパに入ってきた女性と入れ違いに寝台車へ行き、眠った。




《データ》
8月30日 火曜日
天候
訪問地Munchen
宿泊先列車内
宿泊料22DM
食事宿前日とほぼ同じ.うす切りパン1枚半アリ
レストランTrambahn(デパート内)[鳥肉とかんたんな野菜, 米, ジュース][プリンセスというパフェ][ハンバーガー, チップス]
ホーフブロイハウスビール1/2,フランクフルト2本
出費クシェット代22DM(2,200円)
昼食10.6DM (1,060円)
ドイツ博物館1.5DM (150円)
おみやげ5.25DM (525円)
プリンセスアイスクリーム6.75DM (675円)
ビール等7DM (700円)
トレーナー35DM (3,500円)
パス入れ等19.85DM (1,985円)
合計107.95DM (10,795円)←厳しい!