8月24日(水)


マイエンフェルトの噴水  午前6時50分にセットした目覚しが鳴る1分前に起床した。
 相部屋なのでホッ。
 しかし昨夜の寝苦しかったことったら。
 下のベッドの女性が、部屋を出入りする騒々しい男や電灯をつけたり消したりするヤツらにイライラしていたな。
 私同様なかなか寝つけなかったようだ。
 私は眠る人達の脇を荷物を担いで出発。
 さらばグリンデルワルト!

 先のインターラーケン・オスト駅で乗り換えてベルンBern行き列車の中でようやく落ち着いて朝食をとった。
 パンにジャムを付けて食べただけだ。
 ベルンで乗り換え。
 急いでいる私に「どうぞ」と声を掛けて先に下車させて下さった紳士様、この場を借りてお礼を申し上げます。

 ルツェルンLuzernで乗り換え。
 次はどのホームかと歩き出す。
 どこに表示があるんだ?
 迷っているとすぐ横のホームに停車しているのがチューリヒ行きと知って、慌てて乗り込んだので、車掌と正面衝突しそうになった。

 チューリヒZurich ('u'にはウムラウト(¨)が付く)へ到着。
 噂通り、想像どおりの端正な都会だ。
 ここから乗り込もうと予定していた列車より1時間早い列車インターシティIntercityがあったので、街には出ずにすぐに列車入りした。
 午後0時7分クール行き。
 座って窓から景色を眺めていると、やってきた車掌さんが話しかけてきた。
 「どちらまで?」
 「マイエンフェルトへ行くんです」
 「あぁ、それならサラガンで乗り換えて下さい」

 もちろん、これからの道順は私も下調べをして知っていたのだが、親切にも車掌さんは教えてくれたのだった。
 私はここで昼食にした。
 ツェルマットのスーパーで買った三菱製の魚の缶詰を開けた。
 旨い!さすがミツビシ。ジャムも旨い。
 食器のスプーンフォークは昨年渡欧した友人に借りてきたものだ。
 くるっと廻すとフォークやナイフ、スプーンなどが出てくるやつだ。
 食後にトイレへ行き、スプーンを洗った。

 サラガンSargans着。
 下車して80ドルを駅で両替した。
 マイエンフェルトへ止まる列車について聞くと、午後1時44分発5番線という。
 あと30分だ。
 他に日本人はいない。この辺りまで来るとカントリーの匂いがし始めるな。
 やってきた列車に乗った。

 マイエンフェルトは小さな駅らしく、各駅停車でしか降りることができないのだ。そうこうしているうち、2駅目で下車。
マイエンフェルト遠景  ついに来た。ここがマイエンフェルトMaienfeldだ。
 『アルプスの少女ハイジ』の舞台となった場所だ。
 TVアニメではこの駅が何度か登場していたな。
 周囲を見渡すとビルと言える建物など一つもない。
 近くを見ると駅には柵もない。
 スイス人は子供が線路に入り込んだら、と心配しないのだろうか?。

 駅を出た私は、駅前の『バーンホフ』なる宿兼レストランの戸を開けようとするが開かない。
 あきらめて通りを進み、『地〜』に掲載されている『アルベンローズ』という宿へ入ろうとすると、ちょうど扉を開けて出てきた人間がいる。
 日本人らしい。私は声を掛けた。
 「やぁ、日本の方ですか?」
 「ええ、そうです」
 「この宿にお泊まりで?」
 「いえ、ここへは食事に入っただけなんですよ」
 「宿は?」
 「まだ決めてません。今日着いたばっかりですから」
 「私はここに当たってみようかと思ってるんですが、一緒にどうですか?」

 そう勧めて私達は宿に入った。
 おばさんが出てきて部屋を見せてもらうと、実に小ぎれいでちょっとメルヘンチックな部屋だ。
 宿代も割に安く、しかも朝食付きとのことなので、二つ返事でO.K.。
 先の日本人、栗田氏とツインの部屋とした。

 栗田氏も私と同様、ハイジ探訪でこの街へ来たのだ。
 しかし他の理由でこんな田舎に来る日本人もいないだろう。
 私と栗田氏は早速ハイジの家を目指して歩き始めた。
 このハイジの里にはハイジの家が作られているというのだ。

 しばらく歩きながら登っていったが、道が分からず右往左往。
 地元の人?にたずねてもワカランという。テメェらが知らないでど〜すんねん。
 天候も悪くなってきたのでハイジ家を断念、私達は戻り道へ歩を進めた。
 郵便局を見つけたので8月15日に書いてあった、我が家宛、そして友人宛の絵はがきを出した。
 各々1スイスフランだ。
 駅の売店に行って、
 「マイエンフェルトの地図ありますか?」
とたずねると、ホイと出されたのはなんとなんと地図とそれについた日本語の説明書。
 やっぱりねぇ。しかもFREE(タダ)だという。ハイジ関係のハイキングコースも書いてある。

マイエンフェルトのアヒル  雨が降ってきたので宿へ戻ったのだが、このままこもっているのももったいないと、再び外出。
 しかし犬に吠えられるわ、アヒルのアップに驚くわ、射撃場へ出るわで宿へ。
 1階に降りて宿のレストランで久しぶりにまともなディナーを食べた。
 ドイツ語で書かれたメニューはいくらニラんでもわからんので適当に頼む。

 ベッドは羽根布団でフワフワ。
 部屋の内装は木目が美しく、まるでログハウスのようだ。
 そうそう、トイレ、シャワールームは共同だったが、同じように美しく、さすがスイス、と感動の嵐だった。




《データ》
8月24日 水曜日
天候雨と曇り
訪問地Grinderwald, Maienfeld
宿泊先RESTAURANT ALPENROSE
宿泊料22SFr(朝食, シャワー込)
食事列車内うす切りパンBero, ジャム, 水
列車内うす切りパン残り一枚, 長パン1, ジャム, カンズメ
宿肉のこま切れにタレ,
ポテト(Geschnetzeites Schweinefleisch Rahmsauce mit Champignous, Rosti),
パン一切れ, ビール大小
出費切符3SFr (360円)
ハガキ出す2SFr (240円)
夕食+ビール大小13.30S.fr (1,600円)
宿泊料22S.fr (2,640円)
合計40.3SFr (4,840円)←随分と押さえたゾ