馬野渓谷あたりの林道は
オニだった・・・


2005.11.21
今から思えば、ワタシは調子をぶっこいていたのである。
だいたいからその日も朝起きたのは遅く、なのに、いい天気だし、なかば義務感のようなもので走ることに決めたのであった。でも、どこかのサイトで見た、馬野渓谷の紅葉というのが記憶に残っていたし、たしかその林道も長くはなく、せいぜい数キロだったことも覚えていた。一連の秋の林道めぐりがそこそこ自分的にはヒットしていたので、実に適当に行き先とルートを決めたのであった。とはいえ、事前にマップは十分に見ていた。
1.いつもの前説もどよよーんと
ずうっと一車線規制の続く西名阪国道を通って、大山田へ入る。大山田へ入った途端牧歌的な里山風景が広がり、このへんをロードで走るのもいいかもよなんて思いつつ、ハイペースで走る。デポ地は「さるびの温泉」。ウィークデーの午前ということもあり、クルマは少ないが、一応プチ配慮で第2駐車場へクルマを停めて、準備する。
ここへ来るまでに、お握り2個とか、チョコレートとか、バッテリーとかをコンビニで仕入れといたので、ザックにつめてすぐに走り出す。

ウェアの下はロング、上は、ウィンタージャージと完全冬装備である。山の中は寒いので・・
笠置のあたりでは走りづらいことこの上ない、R163もこのあたりでは普通のいなかの3ケタ国道である。

国道を外れて少し村のほうへ入ってみると、素晴しい農村風景が広がっている。山へ入らずに、このあたりを走ってみようかなとも考えてみたり。
R163の南側に「青山12km」という標識があり、そこを左折し、r2<伊賀青山線>に入る。
ますます交通量は減り、クルマに気を使う必要がないのがうれしい。

下馬野の集落が見えてくる。
2.下馬野林道
下馬野の集落を過ぎて、r2が大きく右カーブするところに橋がある。橋から、逆光に木々がきれいだ。

橋を渡ったところに、茂みに埋もれるように「民有林林道 下馬野線」という標識がある。延長1.235m。すぐそこである。

ちなみに、民有林というのは、国有林に対する表現であって、必ずしも、私有林と言うわけではない。
市町村とか、各地区などの所有林も民有林である。だいたい面積的には9割ぐらいが民有林らしい。
道の両脇に木が茂り、見晴らしはない。
ダートの緩斜度とコンクリートの激坂の繰り返しである。

ちょっといい感じの風景があったら、写真を撮ろうとしているが、どうもイマイチである。何かの記録にと思ってシャッターを押す。
路肩には、籾殻が大量に放棄されていたり、廃車体があったりして、イマイチ気分も乗らない。

廃車体といっても、中途半端に古いモノなので、食指も動かん。
例によって斜度のわかりにくい写真であるが、こんな感じでの激坂直登が続く。
もちろんインナー×ローである。

轍がしっかりついているので、廃道ではなさげである。
でも、どことなく、道も林も美しい感じではない。

広葉樹の落ち葉と、針葉樹の落ち葉の違いからかもしれないが、やさしさのない道である。
ひいひいいいながら、登り終えると、分岐がある。
まっすぐ登っていくのが本線で、右に分岐していくのが支線のようだ。支線の方は、まだ新しく、重機が入って整備された直後のようで、そのあとにクルマ等が入った形跡はない。

支線に入っていくと、重機置き場のような広場があり、そこを通り過ぎると、下っていく。
また登りなおすのはいやなので、途中でやめて、本線に戻る。
さらに登る。道幅は狭くなり、舗装も消えた。
轍はあるが、キャタピラの跡である。
ますます傾斜はきつくなり、押し上げていく。
体感斜度は30度ぐらいか。
ヘアピンで曲がったすぐ下が3mぐらいある。
もうそろそろ嫌になってきた。
自分的には、もうやめたいのだが、なかなかそのポイントがなく、だらだらと登っていくと、広場があって、トラックの廃車体が一台あった。その上にも、まだ道は続いているが、山道である。

作業用の機械と思われるブルーシートの包みがいくつかあって、切り出した材木が積んであった。

見る限り、上のほうは植林が続いている。

はっきりとわからないが、林道としては、ここが終わりという感じがするので、これを潮時に探索を打ち切った。


一刻も早く逃れたいような気持ちでがががっと下ってくる。
林道 下馬野線
つまらん度 ★★★★★ これだけ見るべき点の少ない林道も少ない。実用に供されている方には申し訳ないが。
激坂度 ★★★★★ 最後の方は乗れません。キャタピラ系でないと。
ダート度 ★★★☆☆ 半分くらいがダート。舗装面もそこそこ荒れている。
再訪希望度 ☆☆☆☆☆ ノーコメント。
採点したくない度 ★★★★★ 書いてても気が滅入ってきた。
3.中馬野林道へ
下馬野林道で気分的にかなり疲れたが、r2に戻り気を取り直して、次のターゲットへ向かう。
いい雰囲気のルートであり、じきに見えてくる中馬野の集落も好ましい。
中馬野の集落の手前に、集落をバイパスする道と旧道に分かれ、バイパスに入る。
とても凝った造りの親柱。この橋がかけられたときの思い入れが伝わって来るようだ。
画面真ん中を横切っているのが、バイパス。
集落から来た道がパイパスを横断して、山に続いている。
橋はかなり古く(昭和37年)バイパスは後からできたものだろうから、山へ続く道には歴史がありそう・・ということは、この林道はいい道かも・・

と邪推は続き、このコンクリ斜面に入って行った。

が、これは作業道らしく、何とか乗れる暗い激坂が続くだけで、道というには怪しい。途中で、違う感じがしたので、すぐに降りてきた。


ってことは、中馬野林道は別のところにある。
一本目の下馬野林道は失敗し、中馬野林道はすぐに見つけられず、よけいな道を激登りました。
無駄な労力を使ってしまった気持ちと、ルートファインディングの難しさにやや焦るワタシでした。
この間、集落をつなぐr2は、穏やかな山村をつないでいて、まだ陽射しは十分にあり、その間だけが、心を癒してくれます。
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