1000m級峠越2連発
小南峠・五番関
2005.4.24
■前週、windyさんの案内で曽爾・御杖の桜を見てきたのであるが、今度は、次の日曜日、omasaさんから、「奥千本ならまだイケル」との書き込みが。だいたいのルートは判るものの、omasa氏もワタシもけっこう夜遅いタイプなので、毎度のコトながら十分な打ち合わせもなく、当日の朝となる。特に、今回もまたomasaさんの送迎付きなので、ラクチンなのである・・・ このお気楽さから、ダレがこの苦行ルートを予想しえたことか。

■後半ダートがあるということなので、組みあがったばかりのs-worksを、はりきってツーリングに初投入することにする。
■奈良から、下市町の町立総合体育館のある下市中央公園まで搬送してもらう。
ここの駐車場にクルマをデポし、ぐるっと黒滝村〜天川村〜川上村と周回して来ようというプランである。
■この時点では、厳しそうな感じであることはほぼ判っていたが・・・

■走り出してすぐに、せっかくお昼ご飯用に買っておいたおにぎりを車中に忘れてきたことに気付く。コンビニもなくなってからである。もう取りに帰る気にもならないし、洞川になにかあるだろうということで走り続ける。
■まずは、R309を南下していく。そこそこの交通量がある。l邑で、r48洞川下市線に乗り換える。このルートに入ると、極端に交通量は減り、道幅が広いのとあいまって、自由に走れる。秋野川沿にのどかな風景もあっていい感じである。
■地蔵トンネルに入る手前、才谷の毘沙門堂の横からダートの道を見つける。なかなかいい感じで続いているが、今日の本来のルートではないので、また次回のお楽しみということに。新緑が美しい。

■そのまま走り続けると、道は徐々に登りだす。
道が広くなったところで、「地蔵トンネル」がある。


■左にとると旧道。帰路に見たところ、確かにお地蔵さんがあって、小さなお堂がある。「日本三峠地蔵」とのことであるが、ネットで調べてもわからなかった。他の二つはどこかいまだに不明である。

■今日はトンネルに入る。
トンネルを越えると、今度は脇川に沿って実にのんびりした雰囲気になる。クルマはあまり来ないし、好天気もあって、楽しい。

ここからは、黒滝村に向かって下りもしくはほぼ平坦になる。
気持ちよく走り続けると、黒滝村役場の横を通り、村の中にけっこう大きな神社がある。ここで、r138赤滝五条線が今走っているr48洞川下市線から分岐していくが、実際に走っていると、直進がr138でミスコースしそうなところである。右折が正解。
■徐々に道が狭くなり、集落が途切れると登りが始まる感じである。黒滝村役場のあたりが標高420mだから、小南隧道まではだいたい600m登ることになる。いつもの林道走行と変わらない、比較的うっとうしい感じの登りが続く。
■登りだしてしばらくすると、今度はomasaさんが「あっ」と。ボトルを忘れてきたという。予備のペットボトルを持っていたので、使ってもらう。お互い、気がはやったのかも知れない。
約1時間走り続けて、まだ100mぐらいしか登っていないが、ちいさな社の傍で初めての休憩をとる。清流に、名残の花びらが流れている。まだ4月だというのにかなり暑い。

川内川の清流の音が涼やかだった。
■このあたりから勾配がきつくなってくる。進むうちに、横を流れる川内川を渡り、大きくUターンするような格好になる。いよいよ山岳ステージの始まり。山腹を九十九折にうねりながら、高度を稼いでいくところでかなり厳しい登りが続く。登るにつれ、道の片側が開け、ところどころ視界が開けてくる。写真を撮るのを言い訳に休む。
■見晴らしの合成パノラマ写真を作ってみた。上の休憩したところから約20分。標高約650m。一挙に登ってきたことが判る。
2人で登っているので、言い出したら負けのような気がして、なかなか「ちょっと休憩」と言い出しにくいが、もうタマラン感じで、脚をつく。
標高830m。パノラマ写真から約20分で200m登っている。笑うより他にない。よく写真を見ると、思いっきりインナー×ローである。ここをロードのギアで登る人があるとは信じられない。
■1000mを越えたあたり。上の休憩写真から約1時間かかっている。パノラマで約180℃の視界を再現してみる。(少しつながっていないところがある。)累々と山が重なっているのが見え、脚の疲れと風景で山岳林道の雰囲気が十分に味わえる。
■小南峠にある隧道にやっと到着。クルマのデポ地から約4時間。標高差870m。
小南隧道は、出入り口こそ普通のトンネルのカタチに整えられているが、中は素掘りの岩肌が露出している。もちろん、照明はない。
自転車だから、進入していく気になるが、天井もかなり低く、クルマで入るには勇気が必要だろう。


初めのうちは、素掘りのトンネルというだけで、レア物を見た気になったが、最近皆さんにあちこち連れて行ってもらっているので、さほど珍しいものを見たという気にならないのが、我ながらおかしい。
■下りは、早い。一気に200mほどを10分ぐらいで駆け下りてくる。
意外(認識不足)により時間がかかってしまっているので、先を急ぐ。
かなり空腹も感じる。

■洞川の町に入る。久しぶりに人の気配がある。
大峰山龍泉寺では、桜が満開。とりあえず満開の桜が見られたので、大義名分ができ、ほっとする。
■まだ山開き前ということで、賑わいはなく、食堂もあまり開いていない。どうにか、中華料理の店を見つけ、大休止をとる。ここまで来て、なんで天津飯とギョーザをたべるのかよくわからないが、空腹なので、ボリューム感が欲しい。
■ご存知のとおり、この地は名水「ゴロゴロ水」で有名な場所である。
塩ビ管から水が豊富に流されていて、誰でも汲むことができる。もちろん無料。たくさんの車が駐車していて、めいめいにポリタンクなどで汲んでいる。何十個と汲んでいく人があるので、なかなか順番があかないが、我々はボトル一個だけなので、少し間に入れてもらう。
■少し前までは、ここからもう少し上流に行ったところに小さな水汲み場があったのだが、拡張されて大好評のようである。しかし、この隣の売店でペットボトル入りのものを売っているのだが、果たして売れているのか、ヒトゴトながら気になる。
■洞川から、吉野大峰林道を走り、今度は五番関を目指す。ここは、1200mぐらいなので、350mの登り返しとなる。それまでにかなり脚を使っているので、昼食時の大休止もむなしく、乳酸がたまりっぱなしである。
淡々と登ってはいくが、スピードは当然出ない。行っても行っても同じような風景で参る。
■ついに、到着。何か大声で叫びたい衝動に駆られる。五番関トンネルの前の公園で、全身でヨロコビを表すomasaさん。行ったヒトにはわかると思う・・・
残念ながら、あまり眺望はよくない。

■ここからはたいした登りはなく、下るだけ・・・のはず。
■なんとなく達成感を味わいつつ、あとは下るだけと思いつつ、トンネルを越える。そもそもは、奥千本を見ようということではあったので、ここから下って吉野に至る予定であるものの、体力的、時間的なロスもあったりしたので、本来の目的は怪しげなものになっていく。お互い口にはださないが、十分満足していることは判る。でも、帰らなければならないので、ここでやめるわけにはいかない。 〜〜続く〜〜
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