蓮ダム周辺を探索

〜「廃」な方にも〜




何の気なしに訪れた蓮ダム
単なる自転車ツーリング
だけでなくナニかが・・

2005.11.18
一週間連続で休める、年に一回の休暇。
さて、どこへ行こうかと考えたとき、ふと、蓮ダムが浮かんだ。
自宅からクルマで2時間強。コース取りにもよるが、そんなに走らなくてもいいし、とりあえず、
紅葉がきれいだという江馬小屋林道だけでもと思い、出発した。
<コース概略>

R166から蓮ダムへは、ホテルスメールの看板があるので、わかりやすい。
黄色と青のトラス橋が目印。クルマなら青い方の新道、自転車なら黄色いほうの旧道がオススメ。

デポ地は蓮ダムを上まで登りつめ、ダムの上を渡り、対岸に。
クルマ数台の駐車スペースがある。

ダム湖(実香肌湖)の南岸を走り、まず江馬小屋林道へ。
次は反転して辻堂橋を渡り、青田川に沿って西行き。

加杖坂峠の旧道を走り、栃谷の集落でR166へ入る。
R166は長い下りである。

最後にデポ地への急坂を登って終了。
1.ダム湖を通って
クルマは蓮ダムの堰堤の一角にある空き地に停めた。
すぐに布引谷トンネルがあって、出ると布引谷橋を渡る。こちら側はダム管理道らしい。
対岸はr569<蓮峡線>。管理道の方がよけいな距離を走ることになるが、r569は帰路にたどることにする。


トンネルを出た途端、猛烈な向かい風に脚が進まない。谷状の地形が風の通り道になっているようである。

林道 庵の谷線の入り口
見たところ、コンクリートの急坂が続いていた。地図で見ると、2〜3km程度である。

管理道はいつの間にか、林道清瀬線となっていて、最後は橋でr569に合流する。
r569に入ってまもなく、太良羅橋を渡る。
この橋は、太良羅谷にかかっているので、その名前がついているのだろうが、1/2.5万の地図では、太良羅谷から入って加杖坂の手前に抜ける点線がある。

現地では、r569の右側にコンクリートでの急坂があるので、登ってみると、すぐ上がクルマが10台ほど停められるスペースになっているだけで、特に明瞭な踏み跡もなく、到底自転車では行けそうもない。登山者の世界のようである。
ガードレール越しに下を見ると、少し下に渓谷が見える。荒々しい岩が転がっていて、急に上流へ来たような感じがする。
太良羅橋から約5分。
左コーナーの隅にある江馬小屋林道の看板。

全延長12kmではなく、1.2km。
えっ!1.2km?

すぐそこですやん。

あらかじめ見ていた地図で距離が短いことはウスウス感じていたが、これほど短いとは思わなかった。

釣り人か猟師かのワゴン車が2台、路肩にむりやり突っ込まれていた。


r569から左手の谷の方へ分岐し、橋を渡るとすぐにダートとなる。
2.林道 江馬小屋線
橋からすぐに右カーブとなり、曲がりきった正面に少し急な坂がある。

坂の向こうには色づいた山の斜面が見通せ、いい雰囲気の林道であることに期待が高まる。

短い距離ということがわかっているので、焦らず、写真を撮りながらゆっくり進む。


道は岩が荒いので、やや走りにくい。車の轍がついていて、奥地の林道にありがちな廃道という感じではない。
急坂を登りきると、一旦平坦になり、今度は広大な何もない広場に出る。不自然な広さと、コンクリートを流した痕跡から、かつては何かの施設があったと思われる。

写真左で、自転車と奥の山の斜面の間には、上の写真のような深い谷がある。
石灰岩のような白い岩塊があちこちに顔を出していて地形の険しさともあいまって上部は植林は難しそうで、自然林が残っているのかもしれない。
広場からすぐ上に小さな滝がある。あまり水量は多くない。
振り返ると、先ほどのがけがそそり立っているのが見える。

ここで、初老の男性3人連れに出会う。手にカメラしか持たずに歩いているところを見ると、写真でも撮りに来たのだろうか。
挨拶してすれ違うと「ここまで自転車で来れるんやなぁ」との声がかかった。


滝から向こうは短い区間、コンクリート舗装がある。かなりの勾配で土が流れやすいための配慮か。
たぶん、このシーンが短い林道のハイライトシーン。巨大な岩がオーバーハングで頭上にのしかかっている。
圧倒的な迫力である。
道がかなり荒れてきた。

道の左側は、急斜面ながら開けていて、釣り人が入渓したような新しい踏み跡もある。
思い切って川原に下りてみると、砂地があり、落ち着いて休憩できそうだった。
あまりの気持ちよさに、めったにしないコーヒーブレイクを。
対岸をさらに眼を凝らしていると、断崖の中ほどに人為的と思われるトラバースルートがあった。
この林道ができるまでは、あのルートをたどって入山していたのだろうか。
下流側を見る。白い岩がごろごろと。 上流。背丈を越すような岩が大量にある。 水は澄んでいて、落ち葉が淀みにたまっていて水の反射が美しい。
コーヒーブレイクも終わり、眼の前のガレた坂を登っていく。
左右とも岩の切りとおしである。
登ってきたところを振り返る。右の岩の下はすぐ渓谷である。
上の切りとおしを抜けると、広くなっていて突然道は終わる。
そこには、鉄製の橋と、入山届けのポストがあり、そこから先は登山者の世界だ。当然周囲には誰もいず、清流の音だけが聞こえる。
本格的な山行きはできなくても、こうして簡単に深山の雰囲気が味わえる。

橋を渡って散策していると、軽登山もいいかもなんて思った。
走る気になれば、たぶん15分ほどで走り切れてしまう林道。
でも、ゆっくり楽しむ価値はあった。帰路は、またブレインシェイクになりながら、ガガガと下ってきた。
林道 江馬小屋線
短い度 ★★★★★ 全延長1.2kmは、あまりにも短くて・・・競技指向の人には行く価値なし
激坂度 ★☆☆☆☆ ゆったりした坂だけで、勾配の急な坂も短い。
ダート度 ★★★★★ コンクリの部分舗装を除き全線ダート。
再訪希望度 ★★★☆☆ 秋限定。(夏場なら水遊びだけかな☆☆☆☆☆あまり意味ないような・・・)
紅葉絶景度 ★★★★☆ 紅葉の美しさと岩の荒々しさが美しい。
何と言っても、短距離にいろいろな風景のある林道でした。
いつになく、コーヒーブレイクをしたりしてしまうほど気持ちよかったです。
わさわざここだけを訪問するには、もったいないですけど、ついでのオプションにはちょうどいい気の利いた小品であります。


さて、r569へと戻り、今度は加杖坂旧道を目指します。廃村青田集落の周辺には、なんともいえない寂寥感が漂っていたのです。
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