2. 栄山寺
バスで五條市に移動、大型バスだが狭い道も上手く走る。さすがプロと感心するのだ。ガイドも添乗員さんもいなくて我々のリーダが準備から案内冊子作成に案内役もする。付いて行くだけなので感謝感謝です。
五條市にある栄山寺が次の訪問地。真言宗豊山派の寺院で、藤原武智麻呂(むちまろ)により創建された。山号は学晶山で、本尊は薬師如来さん。国宝として奈良時代の建築である八角堂と平安時代の梵鐘がある。
梵鐘は、銘文から延喜17年(917)の製作。京都の神護寺、宇治の平等院の鐘と共に「平安三絶の鐘」として知られている。四面に菅原道真撰で、小野道風の書と伝えられる陽鋳の銘文が施されている。藤原武智麻呂の5世の孫である藤原道明と道明の伯父の橘澄清によって寄進されたとされる。高さ157cm、口径89cm。
八角円堂は、藤原武智麻呂の菩提を弔うために子の仲麻呂が建立したと伝えられる本瓦葺の八角形の建物。平城京および斑鳩以外の地区にある奈良時代建築として稀有のもので、外観は平面八角形であるが、内部の身舎(もや)は四角形であり、内陣周囲に立つ4本の八角柱が構造上の要となっている。内部の4本の柱と上部の飛貫(ひぬき)、天井の彩色絵画は剥落が甚だしいが、奈良時代絵画の遺品として貴重なもので、建物とは別個に「絵画」として重要文化財に指定されている。
奈良県は吉野川、和歌山県は紀ノ川になるが歴史の舞台にでる川である。この川沿いに大阪府にもまたがるが古寺神社を訪ねるグループに参加した。雨の予報ながら幸いにも小雨程度で傘を使うこともなくとぼとぼと旧跡を歩いた。
1.高鴨神社
最初は、奈良県御所市にある高鴨神社になる。以前にもきたことがあり覚えていた、京都の賀茂神社(上賀茂神社・下鴨神社)を始めとする全国のカモ(鴨・賀茂・加茂)神社の総本社と称する。というが、あまり知られていない。阿治須岐高日子根命(迦毛之大御神)を主祭神とし、下照比売命・天稚彦命を配祀する。
鴨氏一族の発祥の地で、その氏神として祀られたもの。鴨氏はこの丘陵から奈良盆地に出て、葛城川の岸辺に移った一族が鴨都波神社を、東持田に移った一族が葛木御歳神社を祀った。後に、高鴨神社を上鴨社、御歳神社を中鴨社、鴨都波神社を下鴨社と呼ぶようになった。
このほか鴨の一族はひろく全国に分布し、その地で鴨族の神を祀る。賀茂(加茂・賀毛)を郡名にするものが安芸・播磨・美濃・三河・佐渡の国にみられ、郷村名にいたっては数十におよびそうだ。
『日本書紀』によると、八咫烏(やたがらす)が、神武天皇を熊野から大和へ道案内したことが記されていて、神武・綏靖・安寧の三帝は鴨族の主長の娘を后とされ、葛城山麓に葛城王朝の基礎をつくる。この王朝は大和・河内・紀伊・山城・丹波・吉備の諸国を支配するまでに発展するが、わずか九代で終わり、三輪山麓に発祥した崇神天皇にはじまる大和朝廷によって滅亡した。