「量子物理学」の考え方は実に「主観的」である
量子物理学(言うまでもないことであるが「量子力学」もこの「量子物理学」の一分野である)とは、「観測せずにその対象の存在を考えることは無意味である」ことと「観測は必ずその対象を変化させる」ことの2つを基本原理としている、きわめて「主観的」なものの見方、考え方をする学問なのである。すなわち、物事を観測するときには必ずその対象に光や音などを当てて、その対象が光や音などに及ぼす影響からその対象の存在を推測する以外に方法がないのである。
このときに、対象物に光や音などを当てるときには、その光や音などが必ずその対象物の状態を変化させることが問題になってくるのである。しかも、そのときに当てる「光」や「音」などなどのエネルギーは量子物理学のセオリー通り「プランク定数」によって決まるある値よりも小さくすることは不可能なのである。したがって、物事を観測するときにはその誤差を「プランク定数」によって決まるある値以下にすることはいくら観測技術が進歩しても(つまり「原理的」に)不可能である。以上が「不確定性原理」のエッセンスである。
この場合、絶対に「観測しなくてもその対象の測定値が存在する」と考えてはいけない。なぜなら、「物理学」という学問は「論理学」とは違って観測結果のみを唯一のよりどころとする学問であり、したがって「物理学」において絶対に「仮定」や「推測」などをしてはならないのである。
量子論…実は「相対性理論」と「統計物理学」の混血児
ところで、当然のことながらこの量子論(量子物理学およびそれと同じ考え方をする学問、それを応用した学問を総称して「量子論」と呼ぶ)は他の学問とは独立に発生したのではなく他の学問の考え方をベースにしてこれを融合、発展させた学問である。