「幽霊」の正体は「魂」である
太古から、「幽霊」は「魂」とともに「生命」をつかさどる「何か」の「もの」であると考えられ、その存在が想定されていた。ただし、昔から「幽霊」とは「魂」が空間上のある一点に局在しているのではなく、空間上に靄のごとく広がっている、言わば「魂」がとっている一つの形態であると考えられてきたのである。
このように、実は「魂」と「幽霊」は同じものなのである。また、考えてみれば太古からの「幽霊」や「魂」(この両者を併せて「霊魂」と呼ぶ)に対する学説(当時の者はこんな表現をしなかったが)は驚くほど20世紀になってようやく誕生した「量子物理学」の考え方に似ているのである。
すなわち、2章で述べたとおり「名詞」と「動詞」を融合することが「量子論」(「量子物理学」の考え方を物理学以外の分野にまで広げたものを「量子論」と呼ぶ)の本質なのであり、その点古代からの「魂」についての考え方は「生きる」という動詞と「魂(=生命)」という名詞との融合なのであってまったく「量子論」の考え方と一致しているのである。
「霊」の性質は「不確定性原理」そのものである
「霊」については古代から空間上に靄のごとくほわんと分布している「魂」の一形態であると考えられてきた。この考え方は驚くほど量子物理学の根幹をなす「不確定性原理」のセオリーと一致しているのである。すなわち、「不確定性原理」によれば「粒子」のように空間上の一点に局在しているものでも、その位置が厳密には測定できないために空間上にまるで気体のごとく分布しているように見えるのである。
すなわち、「魂」といい「霊」といいその思考方法はまるで「量子物理学」の考え方にそっくりなのである。