北天に ツバーン輝く 太古の世
ツバーンはりゅう座のα星です。りゅう座はおおぐま座のしっぽ北斗七星とこぐま座の間にありそこから東に向かって長い胴がV字形にうねり頭部を形作るオレンジ色に輝く3等星エルタニン(りゅうの頭)はこと座のベガを狙っているように見えます。

ツバーンは紀元前3500年前の北極星(現在の北極星はポラリス)で、りゅう座のα星ですが現在は4等星です。その当時は今の約2倍程度の光度があったという事です。

エジプトのクフ王のピラミッドの北側に面した入り口は、紀元前35 00年の頃北極星であったこのツバーンを見通せる斜面に作られているそうです。
ギリシャ神話ではヘスペリデスの園にある黄金のりんごを守っていてヘルクレスに殺された竜として描かれています。

りゅう座には素晴らしい見ものが二つあります。毎年冬と秋に見る事のできる流星群で、それぞれ、りゅう座流星群とジャコビニ流星群と呼ばれています。

りゅう座流星群はι(イオタ)星を放射点として特に毎年1月4日の夜明け前にι星から四方八方に流星が飛びます。多いときは1時間あたり約50個の流星を見る事ができます。

ジャコビニ流星群は、毎年10月9日ごろに見る事ができます。γ(ガンマ)星を放射点にしており、1時間に5個以上の流星が飛びます。ジャコビニ流星群という名前はジャコビニ・チンナー彗星の軌道に振りまかれた塵の帯に地球の軌道が交差し地球の引力によって流星が降り注ぐからです。