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1998年6月8日月曜日試行開始

 

奈良県SA研究会-2 「書店でのパソコン活用、こう使う」97-11/29 ToDoJ

大阪府書店商業組合SA委員長  甲川正文堂 甲川純一

                図-1「書店パソコン活用発想と活用」を見ながら、

  1. なにごとも同じでしょうが、まず使おうと強烈に欲求する必要があります。
      自ら求めると、次の4つの必要条件に気がつきます。いわゆる5W1Hの手法ですね。
  2. パソコンにどういう業務を肩代わりさせるかを決めねばなりません。
      もし決まっていなければ、お店の必要上とパソコンの得意な分野を組み合わせて、5つの適合業務が考えられます。こうして活用目的が決まれば、システムの準備に入ります。4〜5項目を押さえます。最も重要なことは、
      1>の作業工程の書き出し、で、お店の人が作業を熟知して、手順をパソコンに教えなければなりません。そのための準備です。ポイントは「工程」を出きるだけ細分化し、その工程同士の関連を明記することです。アプリの選定や使用のルール、教育訓練は、奈良県の場合SA研究会で随時されているので、そこに任せます。組合員さんはその点幸せですね。(京都組合も月例勉強会を実施中)できれば、近畿ブロックで各県SA研究会の日をずらせて、どの研究会にでも参加できれば良いですね。
  3. 次に業界のPOS やEOS、あるいはEDIを契約して使うか、パッケージソフトを購入して使うか、またアプリを使って自分で作るか?をきめます。経理などの法に添った処理はパッケージ使用がより有利です。自店の処理関係はPOS、EOSが便利に見えますが、高価と自店独自の情報処理が出来ない、自店在庫データベースも持てないという不自由さがあります。アプリ使用にはそれなりの勉強が必要です。どの方法も一長一短でが、書店新聞の「パソコン入門」のようなアプリ活用をお薦めします。細かいことですが、一つのアプリを多機能に使ってください。例えば書店新聞の「パソコン入門」を例にすると、表計算ソフトをワープロにも(注文書挨拶文で)計算表にも(雑誌管理表で)データーベース(来年から人脈活用データベースがテーマになります。)にも使うことを提唱しています。一アプリに精通すると他のアプリ操作も推測できるようになります。とういのも、目下日書連や近畿ブロックでSAメンバーを結集中で、奈良県では組合SA研究会が組織されており、その普及組織にいつでもなりえ、パソ通も含めてバックアップ体制にあるから。
  4. では具体的にどんな業務に使えるでしょうか?   図-2の書店業務全体図を見て、
      管理の仕事、機械の仕事、現場の仕事と横列に分けてあります。まず人間が管理の仕事を決めると、各仕事、各業務に応じた機械の仕事が分かります。
     左から、「その他家賃や指導料」の管理業務に、パソコンでは表計算シートで「家賃経費積立収支表」をつくるとか、他業界情報をデータベースソフトに入れておき検索閲覧するとか、次の店売管理は、「レジ部門別月次集計分析表」「目標管理表」、各部門の売上管理から版元や取次へのプレゼン資料作成、POP作成、カード作成、個客管理、などなどにパソコンは活躍します。外売はパッケージソフトをお薦めします。特に書店さんが外商現場で作られたソフトが近い将来安価で供給されますから。ただし自店の個客管理方法を決めて下さい。配達集金だけでなく、拡売を自動化出来ますから。仕入管理には「請求書照合表」「未入丁一覧表」は特に取次交渉に便利。
      総務人事教育、これは特に重要です。例え一人のバイト、パートといえども、店は人で持つ事に変わりはありません。教育如何で売上は左右されます。とくに今のように3年間売上減少の時代には特に必要です。売上を伸ばしている書店はまず教育がしっかりとシステム化されています。マニュアルの作成です。作業手順だけのマニュアルではなく、人格を磨けるような知識や道筋を含んだマニュアルの作成が必要です。内容には、作業手順は勿論、業界用語、社会人文科学用語、文学や実用書の読み方と課題図書-レポート義務付き-、ファイリング手法、情報収集と処理、報連想技法、クリンリネスなどが考えられる。ドイツは国家認定の書店学校が、フランスもイギリスも長期間の書店人養成システムがある。日本では米子の今井書店さんが「本の学校」を4年前から運営されている。(奈良県でも見学済みの)業界を上げて協力する必要がある。会計業務の管理はパッケージソフトだが、アプリ自作なら書店人開発グループで作成可能。税務会計から管理会計、さらに戦略会計までカバーするべきと考えます。
  5. 最後に「情報力」について。
     大書店は始めから大書店ではなく、人の何倍もの努力の末大きくなり、その過程で独自の情報力を身に付けてきたはずで、小書店主は、大書店の出店だけに反対するのではなく、かれらのしてきたであろう努力に謙虚に学びたい。英国では「情報弱者」救済と言う言葉まで生まれ、コンピュータとコミュニケート出来ない人は労働力や知的活動の面で不利に差別化されている故らしい。日本でも同じ状態になりがちなので、今から「情報力」を養う必要がある。個人的情報論として目下体系化しているが、時間の関係上、一部の紹介になるが、ポイントは
     1>「情報」は発信しなければ得ることは出来ないという法則が現存する。
      従って、情報はなんでも発信すべきで、その価値は受信者が決めるもの。
     2>「情報」の種類は2つある。
      1つは受動化情報で、文字、数字、絵、音などで製作者は発信してくれるもの。
     もう一つは、受信者が自ら読み取らねばならない情報で、景色や、店内のお客や陳列などの映像情報です。
     別の情報分類だと、読書を例にすると、小説や随筆は読むこと(情報入手)で益が得られますが、直接的用益てきですが、実用書などの場合は、読むことで知識や手法を得ても何の用益も得られません。読んで得た知識を自分なりに使って(現状に働きかけて)その結果、益が得られます。このように、「情報」を整理して理解して、情報を伝達したり加工したりする道具(メディア)と最適に組み合わせて、予算とも相談して使っていくことが、情報力を身に付ける第一歩です。
                             以上

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