U-7 家具塗装に関する考え方、各国の国民性
ヨーロッパに於ける家具用塗料について面白いデータがあるので紹介します。
塗料の名称
WEU(1995) 家具用塗料の製造量


NC 硝化綿ラッカー      84,350t     24.1%
AC アクリル            52,150t     14.9%
UP ウレポリ            21,700t      6.2%
UV                     35,700t     10.2%
PUR ウレタン         126,000t     36.0%
水系その他               30,000t      8.6%

     合 計                                100.0%

木工家具用塗料の使用比率(1995)

国 名 製造量(t) NC AC UP UV PUR 水系他
ドイツ
80,000 35 --- 5 18 26 16
イタリア
100,000 7 1 15 17 51 9
フランス 24,000 43 11 4 11 23 8
イギリス 24,000 35 38 --- 12 2 13
スカンジナビア 40,000 7 72 --- 9 3 9
スペイン
45,000 16 4 17 7 56 ---
ギリシア
12,000 20 --- 5 10 65 ---
合 計
325,000 20 13 9 14 35 9

木工家具用塗料の使用比率(1996)

国 名 製造量(t) NC AC UP UV PUR 水系他
ドイツ 80,000 42 1 5 11 26 15
イタリア 100,000 10 1 11 11 60 7
フランス 24,000 43 11 4 11 23 8
イギリス 30,000 35 38 --- 12 2 13
スカンジナビア 51,000 10 65 --- 9 7 9
スペイン 53,000 19 4 10 7 60 ---
ベネルクス 12,000 39 9 3 12 31 ---
合 計 350,000 24.1 14.9 6.2 10.2 36.0 8.6

木工用塗料に対する要望(1995 合計47万トン)

技術面 樹脂系 国別
溶剤系 358.5 (76.0%)
水 系   64.8 (13.7%)
UV等  48.6 (10.3%)
ウレタン    177.7(37.7%)
硝化綿       99.8(21.2%)
アクリル     77.4(16.4%)
アルキド     69.8(14.8%)
ポリエステル 42.6( 9.0%)
イタリア 123.7(26.2%)
ドイツ    97.1(20.6%)
Nordic    72.1(15.3%)
スペイン  60.0(12.8%)
イギリス  38.6( 8.2%)
その他    80.3(17.0%)

日本では、家具用としては、大部分がウレタン樹脂塗装です。

一方、ヨーロッパでは、イタリアやスペインでは、我が国と同じ傾向ですが、イギリス、ドイツ、フランスでは、昔ながらのNC(硝化綿)ラッカーが主流となっています。

多分日本人は、家具に対して、自分一代のみのものとしての捉え方であり、一方、欧米では、良い家具を歴代使い込むことが基本であろうと思われます。

補修無しで、自分一代の間(約30年程度)の耐久性を持つものといえば、丈夫なウレタン樹脂塗装になるし、一方、補修をしながら長期間使い込むという発想では、ラッカーの様な、塗膜の耐久性は劣るが、塗り重ねや補修の容易な塗料が好まれるためと推定されます。

但し、日本では、DIYが根付かなかったため(国民性の違いか?)、自分で補修する人口は、欧米と比べて非常に少ないく、今後もラッカーが主流になるとは考えにくい。
 
 

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