何故、後世へ残し伝えることが大切なのか
まだ5,60年前までは、家族はコタツや囲炉裏を囲んで、団欒のひと時を過ごしていました。このときおじいさん・おばあさんや親父・おふくろの話を通じて、子供たちに何とはなしに、価値観やものの考え方、道徳的な話や生き方など、後世への引継ぎが行われてきました。
この引き継ぎ方は、縄文時代の定住生活を始めた頃からの、日本の伝統的文化伝承方式なのです。
現代の家庭は核家族です。一家といっても、多くの子供は個室を持ち、親も多忙なこともあって、昔のような団欒に多くの時間を費やす生活はあまり見かけなくなりました。
だから祖父母や両親と接触する時間は非常に少なくなっています。
結果として、多くの子供が、自分中心というか自分だけの力だけで生きるものだと思うようになり、また自分の力だけで生きている子供が増えてきたことになります。
子供が、自分だけで物事を考え、自分だけで判断するとどうなるでしょうか。この複雑な社会の中で、まともに考え、判断できるでしょうか。
ましてや現代社会では、テレビを代表として、金銭至上主義や商業主義がはびこり、子供にとって強い刺激を与え続けています。
そして非常に分かりやすい金の多い少ないが一番の価値基準になってしまう、こんな中で子供が放置されてしまうことになります。 (「金色夜叉的」人間ーここをクリック)そこには、思いやりや感謝の気持ちに欠けた若者が、他人や社会に迷惑をかけることを恥じない若者が、思うように金が手に入らないためにいつもイライラした目に輝きの少なくなった若者が、こうして利己的な生き方になってしまうためのストレスをいつも貯めた若者が、増えてしまいます。
現在の若者が起こす諸問題の原因の一つが、この辺りにあると考えます。
子供や孫たちは先ず、自分が今あるのは親があり、また親にはその親があり、そして社会があり、先輩たちの努力や苦労があって今の時代が、今の自分があることを知らねばなりません。
そして、自分は祖先たちに見守られて生きていることを自覚するような環境を作っていく必要があります。
だからできるだけ多く、後世に伝えるべきなのです。そして祖先と後世を結ぶ接点を少しづつ作っていくべきなのです。
祖先と我々は目に見えないだけで、実際は繋がっていると思われます。次の「我々と祖先のつながり」と題し、三つの視点から、まとめてみました。
1.遺伝子の世界ーー遺伝子を通じて
2.心理学の世界ーー深層心理学
3.古神道の世界ーー祖霊を通じて
内容に興味のある方は次をクリックしてください。「我々と祖先のつながり」(ここをクリック)