・ 逓信診療所とは?
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逓信診療所は誰でも利用できるの?
・ 逓信診療所の仕事は?
・ 逓信診療所の目的は?
- 逓信診療所とは?
郵政省健康管理規定の第7条健康管理組織の実施機関に「病院及び診療所並びに医務室は、この規定による健康管理の実務を行うものとする」と定められている国営の診療所です。普通は「患者を診るところ」が診療所ですが、この規定でいくと違うと言うことになりますね。場合により医療行為を行うためにこのような名称になっていると思うのですが、もっとも優先されるべきは「病気を診る」のではなく「病気にならないように管理する」ということになります。ちなみに、全国各都道府県に病院か診療所かが必ずあります。
ただ、NTTの経営する元国営の逓信病院(現民営)が名称を変更せずに現在でも医療業務を続けている都道府県があります。そのようなところには2つの逓信病院が存在します(大阪では北区の北逓信病院が国営で、天王寺区の逓信病院が民営)。
- 逓信診療所は誰でも利用できるの?
運営及び診療規定に大臣官房人事部長が別に利用を定めたもの、として定めてあり、さらに保険医療機関の指定により利用を認められたもの、という条項がありますが、診療所では保険医療機関の指定を受けていないので、郵政職員以外の一般保険診療は残念ながら出来ません。リンクしてある他の逓信病院が必ず「職員のみならず、地域のみなさまも・・・」などと断っているのは、このような規定の元に行われているからでしょう(以前は病院でも一般に開放されていなかったところもあるようです)。
- 逓信診療所の仕事は?
健康管理規定第9,10条に医師と看護婦それぞれについて定められています。具体的には就職するときの健康診断、定期健康診断、健康指導、職場環境の巡視・指導などです。このうち、定期健康診断は当管内では約4000人になり、職場巡視も中南和を中心に普通郵便局9局を月1回必ず巡視しています。当診療所では、これを医師1名、看護婦2名でこなしており、先ほどの話にも関係しますが、実際のところは一般保険診療まで手が回らないというところです。
- ほかに、研修所という郵便屋さんの学校みたいなものが王寺にあり、その入所者の健康管理も行っています。研修は長ければ3ヶ月近くになり、その間の健康管理は重要であるはずなのですが、現在診療所と相当地理的に離れているため、思うように活動できていないのが実情です
- 健康管理以外の重要な業務に「作業環境管理・作業管理」というものがあります。これは職場で職場巡視の実施、安全衛生委員会への出席を通じて「産業医」という立場から、各郵便局長に勧告する仕事です。対象となる作業とは内務作業にとどまらず、外務作業も含まれ、局内安全対策から交通事故対策まで幅広く携わっています。このような勧告は無事故ということにとどまらず、安全という裏付けのある上での作業効率の向上への助言へと発展します。これは売り上げ重視である事業主の提言とは大きく異なるものです。このような業務を履行するため、産業医は労働安全衛生法でその地位が脅かされるようなことのないように保護されています。
- 逓信診療所の目的は?
最初にも述べたとおり、つまるところ職員が病気になったり、業務中に災害に巻き込まれることのないようにないよう元気に働いてもらって、働きやすい職場環境を整備する助言を行い、ひいては郵政事業(郵便・保険・貯金)が滞って国民のみなさまにご迷惑をおかけすることのないようにする、というのが目的になるでしょう。そのためには、個人事業所にも共通することですが、我々の産業衛生活動が、事業にも綿密に関係していると言うことを事業主自体が認識することが大事だと思います。
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