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上は、写真を撮って数日以内に書いたもの。
精悍な顔つき、ピンと立った尾はボスの証。
出会いは、ニャンのお散歩の時。
メス目当てにやって来たのだと思い、追い払おうとしたが、危害を加えそうな様子もない。
実際、とても大人しく、「お手」や「お座り」などもした。
我々はすぐに仲良くなり、野良犬だと思われないようにと、ニャンと一緒に泥だらけの体を洗い、首輪をプレゼントした。
首輪は一年でボロボロになった。
その度に換えてあげた。
時には、誰かに新しいのをつけて貰っていた。 お散歩に出掛けると、アスファルトを伝って来る足音。 ステステステステステ...... いつも、体を張って守ってくれた。 最初は少しつれなかったが、段々、色々なことを語りかけてくれるようになった。 ご飯を食べてくれるようになったのは、何ヶ月もしてからだった。 ピヨが死んだときは、不思議な力で慰めてくれた。 ニャンが死んでしまった1999年の年末から、我が家には犬はいなくなってしまったが、ステキチはいつも、私のそばにいてくれた。 お陰で、色んな犬と仲良くなった。 「ステキチ親分が紹介してくれるのだから、悪い人間じゃなさそうだな......」 てな感じなのだろうか。 癌で死んでしまったクロちゃんも、よく、一緒に遊びに来てくれた。 キョンもステキチについて来て、路地で寝ていたところをうちに保護された犬。 美人犬、鹿の子ちゃんも、ステキチが連れて来た子。 ステキチの子ではないと思われるのだが、大きくなるにつれ、妙なことにステキチに似て来た。 ステキチのお陰で、鹿の子ちゃんも、3匹の子供達も、それぞれに素敵な家に貰われ、楽しく暮らしている。 4ヶ月齢になるまで残っていた末っ子のお引っ越しがようやく決まった頃、ステキチは忽然と姿を消してしまった。 新しい首輪を付けてあげて間もなく、近所でも見ないと噂になっっていた。 今でも、待っているけれど。 本当の強さと優しさを教えてくれたのは、ステキチ。 私がここにいるということ。 それは、君がいたという証。 君の足跡は消えない。 |
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