July 20, 2004

iPodとNewton

年寄の繰り言だと思って読み流してほしい。

Apple ComputerのCEOに返り咲いたSteve Jobsは、1997年9月、2ヶ月前にスピンオフしたばかりのNewton Inc.を再吸収し、飼い殺しにしてしまった。
世界で最初にPDAを名乗ったスーパーガジェットの名声はもはや泥にまみれていたが、独立した会社として新たな希望の一歩を踏み出そうとしていた。そう、Newtonは時代より一歩先を進んでいた、はずだった。しかし、Newtonを生み出したのは自分を追放した憎きJohn Sculleyだった。出戻りとはいえ継父ともいえるJobsとしては、自分の子でないPDAの息の根を止めることに躊躇いはなかった。

オリジナルMacを自前で購入した、自称「筋金入りの」Appleファンとしては、iPodのおかげでApple Computerが消滅することもなく、立派に立ち直ったことはうれしいかぎりだ。しかしiPodの成功の陰には、Newtonの封印がある。歴史に「たら」「れば」を言っても詮ないことは百も承知だが、Newtonを殺していなければ、iPodのこれほどの成功はなかっただろう。NewtonにはMac以上に思い入れがある。初代iPodが発表されたときは複雑な心境で買うのを見送った。

しかし、ついに緑のiPod miniを予約注文した。わたしの新しいガジェットには"in memory of newton"と刻まれることになっている。


Posted by meta-o at July 20, 2004 08:14 PM | TrackBack
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