+ 脳内現象--<私>はいかに創られるか / 茂木健一郎
+ 遺伝子が明かす脳と心のからくり—東京大学超人気講義録/ 石浦章一
脳の本を2冊。まさに「21世紀は脳の世紀」とばかりに、多くの研究リソースが脳の分野につぎ込まれている。もちろん、それなりのリターンが期待されているからだし、すでにその成果がいろんな形でフィードバックされてきている。生物学と心理学と哲学の境界がどんどん曖昧になってきており、研究開発の最前線から一般向けの解説書までの時間もどんどん短くなってきている。それだけに新刊書を選別しながらチェックしていく必要があるだろう。
+ ナノテクビジネス指南−−小さな技術が起こす大変革 / Jack Uldrich、Deb Newberry
脳と並んでこれから大きく拡がるフロンティアであるナノテクがもたらす変化についてのオーバービューであればうれしい。オビにある「先取り教科書」という言葉で買わされた。しかし、原著者の名前は、小さな英文タイトルとともに書いてあるだけで、背表紙にも奥付にも省略されて、監訳者の名前だけが大きな字で書いてあるのはいかがなものか。まさか監訳者は二人の原著者の名前が"with"という単語でつながれているのが訳せなかったんじゃないでしょうね。
+ 自分で調べる技術—市民のための調査入門/ 宮内泰介
「市民のための」という切口が新鮮。
+ リアルオプションの思考と技術 / 川口有一郎
「リアルオプション」は最近ときどき聞くキーワードなのだが、よくわかっていないので、一応、基本的なところだけでも押えておきたい。オビによれば、「最強の意思決定技法」、「従来の判断や戦略の『常識』に客観性と普遍性を与え」るらしい。
+ 徹底攻略 XMLマスター教科書 / 福内かおり、木村達哉
最近のIT技術においてXMLはインフラストラクチャとしてC言語やJavaよりも重要になってしまったかもしれない。今後、さまざまなXMLの応用を学んでいく必要がでてくることは間違いないので、基本のところをきちんとおさえておきたい。資格試験のための教科書のようだが、試験勉強をするかどうかは読んでから決めることにしよう。
+ 世界地図で読む情報とテクノロジー / 伊藤正直編
「世界地図で読む」シリーズの一冊。タイトルだけで買ってしまった。
+ 株式投資「一日30分」で資産倍増 / 岩崎博充
「濡れ手に粟」は期待していないが、知らなかったから大損する、というのは避けたいものだ。「株」なんか手を出さなければ安全かもしれないが、「資産運用」についてなにも考えないのは危険だ。
- カナリア諸島 たびたびの旅 / 斎藤慶一郎
グランカナリア島ラスパルマスの日本人学校教諭として1000日間暮し、カナリア諸島全7島制覇した記録。著者の滞在よりすこし後に2週間だけ旅行者として滞在したが、やはりごく一部しか見ていなかった。でも、著者にとっては印象がよくなかったというテネリフェ島はもっといい所だよと言いたい。「人生に挫折して何もかも嫌になったら、必ずカナリアに行って乞食をやるぞ」というのは理解できる。
- はじまりは青い月(ブルームーン) / 新庄節美
この著者のことはこれまで知らなかったが、本書のスカーレット・パラソルのシリーズにもいろいろなシリーズを出している。一冊を読んだだけだが、赤川次郎に似たテイストか。楽に、楽しく読めるが、おじさんがこの手の本を読み耽ってしまってはまずいだろう。
- ギリシャを知る--世界遺産とエーゲ海 / 萩野矢慶記
単なる旅行案内でもないし、歴史書でも、写真集でもない。けれども、よく知らない国の入門書としては適切な構成だろう。エーゲ海の島々の章では、いきなりカラー写真の連続になってびっくりしたが、なるほどギリシャの国旗と同じ青と白の風景はいくら文章で書いても伝えられそうもない。他の国々についてもこのような入門書があれば順番に買っていってしまいそうだ。
- プチ起業にぴったり!!アフィリエイト達人マニュアル—憧れのセレクトショップを資金0円でお気軽に開店!
/ 森田慶子
たしかに、始めるのにほとんど費用はかからないが、稼ぐにはそれなりの才能と努力が必要だ。あたりまえといえばあたりまえのことしか書いていないのだが、Eコマースの一形態であるアフィリエイトがどんなものか垣間見るにはいいかもしれない。
- 未来をつくる図書館−−ニュヨークからの報告 / 菅谷明子
図書館というのは、本を借りるところ、自習するスペース、貴重な資料をコレクション、保管するところ、というイメージをもっていたが、そんな枠に囚われない、アクティブに情報を発信するニューヨークの図書館。そんな図書館に意義を認めて、資金と人材が集まってくるという好循環が成り立っている。日本語の図書館と英語のライブラリは定義が違うのではと思えてくる。