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     デルタ!(選べない)
作者:鏡裏さん

「俺には選ぶ事なんてできないよ」
「なんで…」
「俺にとっては二人とも大事なんだ。
 香織を選べば彩の、彩を選べば香織の想いに応えられなくなる。
 俺にはそんなことできない」
「どうしてわたしだと言ってくれないの…」
「それと自分勝手かもしれないけど、彩の気持ちが分かった以上
 もう昨日みたいなことはしない」
「質問に答えてよ!」
「香織、わかってくれ…」
「わかりたくなんかないよ!」
香織は走り去った。

「そういうことだ…判ってくれるか、彩。
 聞いてたんだろ?」
「うん…わかった…」
(嘘だ…
 香織はお兄ちゃんに抱いてもらったのになんで私だけ…
 私だってお兄ちゃんに抱いて欲しいの…
 でももうこれ以上お兄ちゃんを苦しめたくない。
 だから言わない…)
「ありがとう…」
「私も部屋に戻るから」

俺の選択は正しかったのか?
答えは誰にもわからない…

END




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