水 痘 (水ぼうそう)


 伝 染 病 で す 
  はしかの次に伝染力の強い病気ですが、こわい病気ではありません。しかし白血病、あるいは他の病気の治療のために副腎皮質ホルモンを使用している子供の場合は、重くなりやすいので注意が必要です。
  また他の伝染病にくらべて母体からの免疫抗体が移行しにくいので新生児や乳児でもかかります。うつってから、しばらくは何の症状もありませんが、この症状のない時期を潜伏期と呼びます。水痘では潜伏期は14日間です。例えばもし弟がお姉さんからうつされたとしたら、ほぼ2週間後に発病するということになります。

 は じ め は 
  胸やおなかに紅色の米粒からあずき粒大ほどのボツボツが出始めます。髪の毛の生えているところにも出るのが特徴です。熱は38〜39℃の高熱が続きますが微熱のこともあります。

 ひ ど い と き 
  発疹は頭、おなか、胸、背中、手足、口のなか、眼、肛門の回りや、おちんちんの先にまで広がります。1つ1つの発疹はしだいに盛り上がって、水ぶくれになり、やがてつぶれて、かさぶたになります。つぎつぎといくらでもでてきます。その結果、赤い発疹や水ぶくれ、かさぶたなどがいろいろ現れているのが特徴です。1つの発疹がかさぶたになるまでには4〜5日かかります。発疹はかゆいのでかきむしり、細菌が感染してトビヒの状態になることがありますので注意しましょう。
  ときには角膜がやられて、傷がつくことがあります。白眼が赤くなったら眼科で診てもらいましょう。

 な お る 頃 
  すべての発疹がかさぶたになって、黒くなり、新しい発疹が出てこなければもう終りです。発疹が出始めてから約1週間伝染力がありますので、幼稚園や学校はしばらくお休みしてください。すべての発疹が黒いかさぶた(痂皮)になるともう感染しません。

 手 当 の ポ イ ン ト は 

  かゆがって、掻いたあとから細菌が入り込みトビヒになるといけないので爪は短く切り肌着も清潔にしましょう。他の子供に伝染するといけないので外出は控えてください。
  かゆみがありますのでかゆみどめの軟膏を塗ったり、トビヒの予防に抗生物質の軟膏を塗ることもあります。軟膏は眼の中や口に入るといけないので眼の周囲と口のすぐ近くには塗らないでください。
  入浴は発疹のすべてがかさぶたになるまで約1週間は控えてください。しかし暑い季節には毎日シャワ−をしてもかまいません。

 ワ ク チ ン で 予 防 
  水痘と接触してすぐあとならば効果はあります。兄弟姉妹の一人が発症した場合、ワクチンでほかの子供さんの発症予防を希望される方もおられますが、発症するのは感染後後3〜4日目と考えられますので、効果のない場合もあるとお考えください。
ワクチンを受けて数年すると、抗体が徐々に低下し、防御する力が低下し、ワクチンをして大丈夫と思っているにも拘わらず、水痘に罹患してしまうこともあります。
いまは日本小児科学会からはこのワクチンは2回する、2回目は1回目の約3ヶ月後位に接種するのが適当と勧められています.。