例題1の解答です

お帰り!
あなたのためにお饅頭1個とっておいたのよ。
今、食べる?

 

簡単だったでしょ。

1個残っているけど、食べる?という言い方と、わざわざ取っておいたという言い方の違いを知ることはとても重要です。

残っているという表現は、もっとあったんだけれどというニュアンスを伝えます。
これは、もっとあったけれど減ったということなんです。(つまり減点法思考です)

それに対し、取っておいたよという表現は、もともとなにもなかったところに取っておいた分が増えたというニュアンスを相手に与えます。(つまり加点法思考です)

このように、減点法思考で表現すると、なんだか相手を尊重しないという雰囲気を言外に伝えてしまうのですが、加点法思考で表現すると相手に心地よさを伝えることになるようです。

この加点法的手法を、自然に取っておられる方が、一般的に人から好かれている方とも言えそうです。

このテクニックでのテーマは「良いこと探し」です。

良いこと探しを試みようと思うと加点法でなければ、良いことは絶対見えてこないのです。
減点法思考ではいいことなど何もないという気になってしまうのです。
ですから、何か良いことを見つけようと試みても何にも良いことなんかないや!という結論で落ち込んでしまうケースが多いのです。

では、良いこと探しが苦手な方のために、どうすれば加点法思考を身につけられるのかをおかつ婆ちゃんの取材ノートから抜粋します。

例えば、4泊5日の修学旅行などの際、3泊目のときどう感じるかで自分の思考方法が良くわかりますね。
「もう1泊しか残っていない」と感じるか「まだ1泊残っている」と思うかです。

この例などは非常にわかりやすいのですが、もう1泊しか残っていないという考え方の基準は4泊からスタートしています。
一方、まだ1泊残っているという考え方は0泊を基準にしています。

減っていくという減点法的な考え方と0からスタートし増えているという加点法的な考え方の違いです。

ここまでくると、もうあなたは、加点法思考の熟練者と同等に成長されているといってもいいかもしれません。

 

 

では、本当に成長されたかどうか確認のために例題2に進みます。

ある外資系企業の企画課に勤務するAさんは、良いこと探しの達人です。

Aさんの提案である企画が進行しました。
投入資金2億円の新規事業です。
Aさんは、ある程度の勝算を持っておりました。

事業がスタートした段階ですでに1億円の資金を投入済みでした。

ところが、事前の予測に反して、マーケットは全く反応してくれません。
このままだと、1億円の大赤字です。

さて、問題です。

あなたなら、さらに1億円投入しますか、それとも、ここでストップしますか。

さらに1億円投入すれば必ず成功するとはいえませんが、このままやめれば1億円は確実に損失となり、その責任追及はかなり厳しいものになりそうです。

どうされますか?

この窮地を良いこと探しテクニックで脱出できますか?

尚、これは、現実にあったことです。実話です。

Aさんはどちらを選択したのでしょうか?

例によって、すぐに解答に進まないで、あなたなりに考えをまとめてみてください。

 

 

 

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