ホテルを探して

 

港のそばまでバスが行くと思ったのに、降ろされた所からは海さえ見えない大通り、取りあえず運転手の指差したほうへ歩き始めました。まだ日差しは強く、リュックは重く、何となく不安なので足取り重く・・・。しばらく行くと道路の名前がわかったので地図とコンパスを出して場所を確認、無事ピレウス港に近づきつつあることが分かって一安心。

ガイドブックを出してホテルを調べると、ホテルアルゴがそこから近く、テレビ・エアコン付きで手ごろな値段だったのでそこへ寄って見ることにしました。ノタラ通りに入ると人影も無く、裏通りのような なんかさびれた通りでした。ホテルアルゴはすぐ見つかりましたが、入り口がどこか分からず、それらしい所は鍵がかかっているようです。

ドアの所で もたもたしていたら、旅行者らしい男性数人のグループのひとりが、入り口はこっちですよと声を掛けてくれました。そこはアニータホテルの入り口です。アニータホテルはホテルアルゴの隣りにある同系列のホテルです。「私達はアニータホテルではなくて、ホテルアルゴに泊まりたいんです。」と言ったら、その人は、「ホテルアルゴも入り口は同じだから・・・。」と言います。

それで、そっちの入り口から入ってフロントに聞くと、ホテルアルゴの受付もそこでしていることが分かりました。でも、あいにく満室でした。アニータホテルの方は幾つか空いていましたが、クーラーが付いてないので、子ども達が大反対したので、諦めて他をあたることにしました。(実際、昼はとても暑かったんだけど、夜になると涼しくなってクーラーなんて無くても寝られたので、そこにしとけば良かったかも・・・と今は思っています。)

夫がホテルはこの通りに他にもあるはずだから・・・と言ったので、ノタラ通りをそのまま進むことにしました。その通りの一番奥の突き当たりにホテルがあり、クーラーの室外機が幾つも見えたのでクーラー付きだろうと思い、入ってみました。ロビーは薄暗くあまり良い印象はありませんでしたが、重い荷物を背負って歩くのにも疲れたし、幸いツインルームが二部屋取れたので、今日はここに泊まることにしました。

朝食無しで4人で1泊30000ドラクマス、アテネのアタロスホテルと同じ値段なのに朝食無しですが、テレビ付きです。私は、ギリシア語の放送は見てもわからないと思いテレビをつけなかったんですが、別の部屋にいた夫は、テレビを見ていたようです。英語の放送もあったようです。

部屋はあまり広くなく、やっとベッドが置けてるといった具合です。ベッドはシーツがかかっていてその上にバスタオルとシーツ(上に掛ける用)が畳んでおいてあります。アメリカ旅行中は、4人で1泊24ドル(2500円ぐらい)という超格安の部屋でも、毛布とカバーでちゃんとベッドメイクされていたのに・・・ギリシアでは夏は毛布は使わずシーツ状のもの(タオルケットではなく平織りのもの)だけのようです。安宿だったからかもしれませんが・・・これが、ギリシアの習慣なんでしょう。

私はどんなに暑くても、寝るときはもう少し厚手のものを掛けないと落ち着きません。それで、フロントへ毛布が欲しい旨を言いに行きました。ところが、フロントにいたのは先程の人と違って、英語が通じません。ギリシアはホテルのフロントでも英語が通じるわけではないようです。夫の持ってきたギリシア語の辞書で調べて、何とか通じて、やっと毛布をゲットできました。

このホテルは家族で経営しているようで、部屋でくつろいでいると、おじいさんがやってきて、部屋のリモコンを見せろとか、設定温度が何度になっているかとか言います。私は28度にセットしていたのに、おじいさんは24度にしなさいと言ったので、それは寒いからもっと温度を上げると言おうとしたのですが、なかなか通じなくて、なんとか26度で妥協しておじいさんが去った後また28度にしました。

なんでわざわざおじいさんはチェックに来たんだろうと思っていたら、夫が「私達が毛布を貰いに行ったので、部屋のクーラーの設定温度が低すぎるんではないかとチェックに来たんだろう。」と言ったので、少し納得しました。ヨーロッパの人達はかなり暑がりらしく、クーラーは23度以下に設定するのかもしれません。私達はクーラーの温度設定も知らない無知な奴または、クーラーで部屋をがんがんに冷やして毛布を使う変な奴と思われたようです。

 

 

 

 

 

フェリーのチケット

 

明日の朝、フェリーでピレウスを出港してミコノス島へ行く予定です。それで、フェリーのチケットを前もって買うためピレウス港へ行ってみることにしました。港に近づくと、潮の香りと魚の臭いとエンジンオイルのにおいが混ざった何とも懐かしい、いかにも漁港といった感じです。港はとても広く埠頭が何ヵ所もあります。

右手の方は、バスが何台も停まっていて、人通りも多く賑やかでしたが、ガイドブックに「まず、カライスカキ広場を目指すと良い。駅を出て左に行く・・・。」とあったので、左手の方を見ると広場になっていて中央に大きな建物があります。そこが、国内航路ターミナル・チケット売り場に違いないと思って歩いて行きました。そちらの方は人影も少なく、淋しい感じです。建物の1階はレストランのようですが、閉まっていて誰もいません。2階へは行けないようにロープが張ってあります。

もう少し進んでみようと、港にそって南の方へ歩いて行くと、外国航路の埠頭まで来てしまいました。それでしかたなくひきかえすことにしました。途中、所々に小さなブースがあってそこでチケットを売っているようです。でも、ミコノス行きのチケットを売っているブースが見つかりません。それで、ブースの人にミコノス行きのチケットは何処で買えるか聞くと、右手の方を指差して○○○サークルと言うのですが、何処のことか良く分かりません。

指差された方へしばらく歩き、もう一度尋ねると、最初に港にやってきたとき右手に見えた賑やかな通りに、旅行代理店がいくつもあるので、そこで買えば良かったのでした。

幾つかある旅行代理店のひとつに入って、明日の朝、ミコノス島へ行くフェリーのチケットを買いました。片道切符にしたのですが、ひとり4800ドラクマスでした。日本で東京のギリシア政府観光局へ手紙を出して、ギリシア国内の客船の時刻表を送ってもらいました。それにはピレウス港からミコノス島へ行くフェリーの一番安いチケットが4828ドラクマスと書いてあったのですが、それより安く買えました。

 

 

 

 

 

夕食は、旅行代理店がいくつもある通りの並びにあるレストラン、アナシクティリオで食べました。ここは、カウンターの所がガラスのショーケースになっていて、見本が並べられているし、上の方にはメニューばかりではなくセットメニューの写真もあるので、選ぶのが楽しくて、あれもこれも食べたくなります。

結局、私達はスブラキを注文しました。ザジキソースも何種類もあって、好きなのが選べました。私は鶏肉の角切りをベーコンで巻いて串刺しにして焼いたスブラキを食べたのですがとっても美味しかったです。これは、フレンチフライなどの付け合わせも付いて、1皿1950ドラクマス、豚肉の角切りを串に刺して焼いたものは、1皿1550ドラクマス、パンは別料金でひとつ150ドラクマスでした。値段も手ごろで味も良く、今までで一番満足した夕食でした。

 

 

つづき


ギリシア旅日記

BGM by