カスタリアの泉

 

アポロンの神域を出て、博物館とは反対方向へしばらく歩くと、歩行者専用道路がおわりますが、そのまま道路の端を進んで行くと、ほぼ突き当たりのところにカスタリアの泉の入り口がありました。そこから山の方へ坂道を登るようになっています。でも、崖くずれなどがあって危険だということで閉鎖されていました。

道路を反対側に渡ると、崖の下の方に体育訓練所が見えました。アテナの神域はその向こうにあるはずです。その両方に行こうと思って、道に沿って右に曲がって行こうとしたのですが、途中で突然歩道がなくなっていました。その辺りから、下へ降りられるのかと思い、道を探してみましたが、それらしい所はありません。きっと、体育訓練所とアテナの神域には今はもう誰も入れないんだと諦めました。

カスタリアの泉の入り口のそばに戻ると、水が流れている溝があって、そこで水を飲んでいる人がいます。カスタリアの泉の近くの山肌から水が湧き出ていてこれを飲むと、またギリシアに来る事が出来るという話がどこかに書いてあるのを読みましたが、それがこの水かしら?でも、あまり綺麗そうに見えなかったのですが・・・。

ちょっと離れた所に、ちょうど手洗い場みたいになって、水が出ていてその水をペットボトルに入れている人がいました。私はそこで手を洗いました。とっても冷たくて気持ち良かったです。でもやはり生水を飲もうとは思いませんでした。

 

 

 

 

ホテルヴァロノス

 

ホテルに戻ると、フロントにちゃんと受付の人がいて英語が通じたので、宿泊料や朝食の確認をしました。4人2部屋で1泊24000ドラクマスで朝食付き、ここまでは、先程の話の通りだったのですが、クーラーは別料金で1部屋2000ドラクマスだというのです。外はとても暑く、遺跡巡りから帰ったばかりでつかれてるのに、部屋まで暑くてはたまらないと思い、もちろんクーラーもつけてもらうことにしました。

クーラーは、古いタイプでリモコンではなく、コントローラーがクーラーとコードで繋がって垂れ下がっていて、そのコントローラーは鍵のかかった小さな箱の中に納められていました。フロントのおじさんは部屋まで来ると、その鍵を開け、コントローラーを出して、スイッチの入れ方、温度調節の仕方などを教えてくれました。

とりあえず、最初は最強にしておくから、部屋が涼しくなったら、弱くして温度も少し上げるように・・・ということでした。そして設定した温度が14度、部屋が涼しくなってからのお勧めの温度設定が18度だったのには驚きです。

クーラーが古いので運転音が大きいのには参ります。クーラーを運転中にしたまま、夕食に行くことにしました。帰ってくる頃には部屋の温度も下がっていることでしょう。

 

 

 

 

ムサカ

 

夕食はホテルの近くのレストランに入りました。入り口の所にメニューがはってあったので、何があるんだろうと見ていたら、またしてもレストランの呼び込み係りのおじさんが、英語で声を掛けてきました。

ギリシアの観光地のレストランはどこもレストランの呼び込み係りは英語の分かる小柄でぽっちゃりしたおじさんのようです。お運びは大抵若くて背の高い男性です。

私はせっかくだからギリシア料理を食べようと思いました。日本で買ったガイドブックに、ムサカ・・・なすと挽肉の重ねて、オーヴンで焼いたもので、代表的な肉料理、ラザニアによく似ている・・・とあり、直径20〜24センチぐらいの丸い型で焼き、オーヴンから出したばかりのような写真が載っています。

ムサカにしようかなと思い声を掛けてくれたおじさんに聞いてみました。

メニューにムサカ1400ドラクマスとあったので、このムサカがどのくらいのサイズなのか聞こうとしたら、うまく通じなかったのかムサカは茄子とポテトと挽肉がいっぱいと説明をしてくれます。もう一度どのくらいの大きさか聞くと、大きいというのです。ガイドブックの写真を見せるとこれだこれだといった感じでこのくらい大きいと言います。それで、ここに入ることに決めました。

中に案内されて、建物の中を通りぬけて、一番奥のバルコニーの席に坐らされることになりました。山々が見えて、遠くにはエーゲ海が見えて中々良い席です。外といってもアテネのレストランのような道路に面した所と違い、こういう席なら大歓迎です。日が傾いてきたので、日差しも弱まり吹く風がとても気持ち良かったです。

注文するとき、水は?と聞かれたので水も頼んだら、1.5リットルのペットボトルを持って来ました。レストランで飲み物は?と聞かれると、アルコールは飲まないのでいつもジュースの類を頼んでいたんだけど、水も頼めるんだあと発見でした。

しばらくして、ムサカ、娘が注文したナポリタン、夫のピザが運ばれてきました。大きなお皿に、フレンチフライが沢山のっていてその横に10センチ四方の正方形に切られて盛られたムサカはおじさんの話と違うじゃないといいたくなるようなちいささ。ひとり分としては十分なんだけど、おじさんが私の見せた写真を見てこれくらい大きいって言うから、4人で分けようと思っていたのに・・・。

初めて食べたムサカはとっても美味しかったです。一番下がスライスしたポテト、その上に薄切りの茄子と挽肉が交互に重なっていて一番上がマッシュポテトクリームその上からたっぷりの特製ミートソースとすりおろしたチーズ。この後、あちこちでムサカを注文して食べたんだけど、店によってレシピが全然違うらしく、また盛り付け方も違っていて、ここのムサカが一番美味しかったです。

 

ムサカ

 

因みに、ナポリタンは1000ドラクマス、スパゲッティはコシがあって美味しかったです。ピザは2200ドラクマス、私が味見したときはもう冷たくなっていたので、こんなもんかなという程度でした。

 

 

 

 

 

まだ、明るかったので、少し散歩する事にしました。ホテルを通り過ぎ、バス停を通り過ぎ、少し行くと、左に海が見えました。ちょうど日が沈む頃で、夕焼け空の色が刻一刻と変化して、とても綺麗でした。急いで、写真を撮ったんですが、写真より実際の方がずっと綺麗でした。

 

バス停

 

バス停の前まで戻ってくると、明日のバスの出発時刻を確認しました。バス停の店の前にある黒板に行き先と時刻がチョークで書かれています。アテネ行きは5時30分、9時00分、11時00分、13時30分・・・シンタグマの観光案内所で貰ったのと同じでした。

 

教会

 

そこからホテルに戻る途中、丘の上に可愛い教会が見えました。せっかくだからというわけで、その教会のそばに行く事にしました。東から西へ平行して道路が何本もあるのですが、南北は斜面なのでその道路と道路は階段で繋がっています。階段を幾つも登って、やっと教会の所まで来ました。とても新しい建物でした。讃美歌が聞えてきます。でもそれは、その教会からではなく、その隣りにある古い建物からでした。そこも教会なのでしょう。

教会の前は広場になっていたので、一休み。

教会から道をはさんで隣りに可愛いペンションのような建物がありました。でも良く見ると、ギリシアの国旗が掲げられています。それに、前に停まっている数台の車はパトカーのようです。これは、警察署なのかもしれません。

 

学校 と 警察署 かな?

 

おつり

 

帰る途中、スーパーがあったので、飲み物を調達しようと寄りました。コーラやジュースと水1、5リットルを買ったら、1486ドラクマスでした。1500ドラクマス渡すと、おつりの代わりにガムをひとつくれました。「えっ!」私はおもわず声を出してしまいました。レジの人はこれはガムで噛むと美味しい・・・みたいな事を説明してくれるのですが・・・なんで、おつりがガムになるの・・・?

ギリシアのコインには1ドラクマ、2ドラクマスというのもあるんだけれど、それは使われてないようです。このとき、おつりが4ドラクマスのはずだったんだけど、少額のコインが無いので、代わりにガムをくれたというわけです。日本だったら、そういう場合5ドラクマスのおつりをくれるのになあ、なんで切り捨てちゃうんだろうと納得がいきませんでした。

 

 

つづき


ギリシア旅日記