ヒロス(ギロ)

夫と二人だけの旅行の時は、たいていテイクアウトのお店で何か買ってきて、ホテルの部屋でのんびり食べるという、安上がりな夕食でした。でも、今回同伴した娘達が夕食はちゃんとした所で食べたいなどというので、ガイドブックで調べたレストランへ行くことにしました。

アメリカにいた時、良く食べに行ってたヒロスプラタがとてもおいしかったので、一度本場ギリシアのヒロスを食べてみたいものだと思っていたので、ヒロスを食べられる所です。

ホテルから遠くない所で、目当てのレストランはすぐ見つかりました。中に入って、大きなボードに書かれたメニューを見ていると、係の人らしいおじさんが寄ってきて、英語で話しかけてきました。ヒロスを食べたいんだけど・・・と言うと、豚肉と鶏肉と牛肉のヒロスがあって、ミックスも出来ると言います。

それぞれが好みのものを注文すると、外の席へ案内しようとします。私は建物内の席の方が良かったのですが、夫が、担当のテーブルが決まっていて自分の担当の席に案内するんだろうと言うので、しかたなくついて行って外にある席に座りました。通りに面しているので、あまり好きではなかったのですが、ギリシアでは外の方が良い席らしくて・・・。まあ、外とは行っても木陰になっていて、風が気持ちよく、中よりは快適なのかもしれませんが・・・。

後で分かったのですが、あのおじさんは声を掛けるのが専門で、料理を運んだりするのは他の人でした。

しばらくして、大きなお皿に盛られたヒロスがやってきました。フライドポテトと薄く削られたヒロス肉の山、付け合わせにはベイクドトマトもあります。でもザジキソースがかかっていません。代わりに塩こしょうがたっぷりかかっていて、肉はちょっと辛すぎ、肉の下から出てきたピタは硬すぎて・・・思っていたのと全然違ってがっかりでした。

日本語だから分からないと思い、肉が硬いとか辛すぎるとか 文句を言いながら食べていると、ウェーターが私達の回りの空いた席のテーブルの上を片付け、テーブルの下をホースで水を流し始めました。私達の席の方が少し低い位置にあるため、その汚い水が私の足元の方に流れてきました。あっという間に夫が足元においてあったバックの底が少し濡れてしまいました。

量は多くて全部は食べきれなかったけれど会計を頼むと、4人分で約1万ドラクマスでした。この味で、この待遇で、この値段は高すぎる、と思ったけど、注文する時に値段を確認してなかったので、何も言えず1万ドラクマス札を渡したら、端数を勝手に切り上げておつりを持ってきました。普通きり捨てても、かってに切り上げたりしないでしょうに、日本人だからぶったくられたのかもしれません。踏んだり蹴ったりの夕食でした。

 

 

つづき


ギリシア旅日記