若葉マーク タラハッシーからモービルへ 高速道路253マイルのドライブ

 

運転免許を6月23日に、もらったばかりの私は、平日は、家と大学と図書館の間の移動に車を使っています。でも、週末、出かける時は、いつも、夫が運転する横に座って、ナビゲーター役です。だから長距離運転の経験は、ありません。

これまでに、2.3回、高速道路を運転する練習をしました。その時は、隣に夫が座って、合図をしてくれました。でも、今日は、夫はトラックを運転して、その後を、私がワゴン車を運転して付いて行くことになっています。夫は夫で、普段とは違い、振り向いても後ろが見えないトラックの運転です。そんな、私達の心配をよそに、子ども達は、助手席に乗って、ナビゲーター役をするのが嬉しくて、はしゃいでいます。

アパートからウエストサープ通りへ、あいだに他の車が入らないように、夫のトラックに続けて行きます。2番目の交差点で、信号が青から黄色にかわったときに夫の車は左折、私の車も続いて行くしかない…と、信号は、赤になったけど、「お父さんったら、後ろの事も考えてよう。黄色の時は、止まってよね…」私は、はるなに話すでもなく、ぶつぶつ言いながらも、無理して付いて行きます。なにせ、若葉マークは日本じゃないから貼ってないけれど、超初心者の私、間に他の車が入ったら、一大事とばかりに…。

高速道路の入り口まで、やって来ました。アイテン I-10 (州間道路10号線)は、高速道路ですが、無料です。因みに、フロリダ州には、いくつか有料の高速道路がありますが、それは、ターンパイクと呼んでいます。

夫の車に続いて、速度を速めながら、無事、高速道路に乗る事が出来ました。高速道路には、最高速度と、最低速度の標識が出ています。以前、練習した時は、最低速度よりも速く走らなければいけない…というのが、プレッシャーでしたが、今日は、ついて行くだけなので、かなり気が楽です。

信号のない一本道、ただひたすら前の車について行くだけ、だんだん、余裕が出てきます。隣に、座ったはるなとのおしゃべりもはずみます。そのうち、はるなが、「あっ、 UFOだ。」と言います。しばらくすると、「また、UFO」というので、見ると、辺りには何もない所なのに、高い所に、円柱状の物、なるほど、UFOに見える…でも脚があってしっかり支えられているけど…。私達は、取りあえず、それをUFOと呼ぶ事にしました。町や郡が変わる毎に、そのUFOがあります。形も色も様々で、気をつけて見ると、その地区の名前が書いてあるようです。途中休憩した時に、夫に聞くと給水タンクだろうと言います。でも、UFOを見つけて、はるなが退屈する事なく、ドライブをする事が出来ました。

ドライブも後半、残り三分の一、アラバマ州が近づくと、道路の周りが、湿地帯になります。高速道路は、堅固で一直線に伸びているけれど、両サイドの湿地帯を見ながらのドライブが続くと、こんな所に、道路を作るのは大変だったろうなあ、多くの奴隷たちが、働いたんだろうなあ、と、複雑な気分です。

アラバマ州に入って、少しすると、長い長い橋があります、これを渡り、海底トンネルに入ります。トンネルを抜けると、モービルです。友人との約束通り、モービルに入ってすぐ、高速をおりました。さあ、公衆電話を捜さなくっちゃ。道路のそばに、日本のような電話ボックスは見当たりません。それに、モービルは車が多いので、私は、運転するだけで精一杯です。それで、結局、かなりドライブして、大きなスーパーの駐車場に入りました。思った通り、そこには公衆電話がありました。

夫が、友人に電話して、迎えにきてくれる事になり、やっと、ほっとしました。

ところが、それからが大変だったんです。夫と友人は、メールや論文は読んだ事があって、お互いに知っているけれど、まだ、一度も顔をあわせた事が、ないんです。でも、ここで待っていれば、東洋人の家族だから、すぐ見つけてくれるだろう。という訳で、待つ事、2・30分、幸いその友人は、すぐ気づいてくれました。でも、まだアパートの方が準備できてなくて、しばらくは大学所有のロッジを用意していると言うのです。その宿は、大学の近くではなくて、モービルに入ってすぐのインターから南に行った所にあるそうです。一般道路を通って行くと、信号がたくさんあるし、何度も交差点でまがるので、3台連ねて行くのは難しいだろう。というわけで、高速道路にのって行く事になりました。

モービルは、タラハッシーに比べると車が多くて、インターに行くまでにも、信号で別れ別れになったり、他の車が間に入ったりと、結構、初心者には辛いものがありました。それでもなんとか、後にくっついて、高速に乗ったと思ったら、I-10とは違い、対向車線は近いし、螺旋状のカーブがあって両側が壁になっていて、ジェットコースターより恐いよう…と思いながら、運転しました。なんとか、壁に擦る事なく、後ろから追突される事なく、難関? 突破。

やっと、やっと、オーク・ツリー・ロッジに到着しました。

 

 

次のページへ


ディープサウス・オブ・USA