ラファイエット・スクエアー 私達のアパートへ初めて入った日のこと

 

今日は、アパートの鍵をもらう日です。ダウンタウナー・ブルバード(道路)に、面して、ラファイエット・スクエアーの、大きな門があります。そこを入ると、まっすぐな、エントランス道路が、150メートルぐらいあって、その突き当たりに、管理事務所があります。その前の駐車場に車を停めて、管理事務所に入りました。タラハッシーの、ジョージタウンアパートの管理事務室と違って、広くて、何人もの人が、働いています。

しばらく待たされましたが、鍵を持った、係りの人が、案内してくれることになりました。「近いから、歩いていきますよ。」と言って、連れて行かれた所は、管理事務所の隣にある棟です。2階建ての家が5・6軒連なった、日本風に言うと長屋ですが、まあその外観のかわいいこと…。隣り合った家はそれぞれ違う形をしていて、メルヘン調の色で、きれいに、塗り分けられて、おまけに1階と2階の色が違います。前庭は芝生でおおわれ、隣との境には、低い生け垣が、あります。

玄関の鍵を開けてくれて、中を見ると、ふかふかのジュータンです。ジョージタウンアパートでも、ジュータンだったけど、ここの方が毛足が長いので、靴のまま入るのがためらわれます。子ども達にも、靴の泥を良く落とすように言い、私も夫も靴の裏をきれいにしてから、部屋に、足を踏み入れました。

係りの人は、どんどん中に入って、各部屋や。設備について、簡単に説明してくれます。入ってすぐが、リビングルーム2階への階段をはさんで、奥に、ダイニングキッチン、ここは、ジュータンではなく、リノリウムの床です。ダイニングキッチンの、ブラインドカーテンを開けると、ガラス戸から明かりが入ってきて、部屋がぱあっと、明るくなりました。ジョージタウンアパートはどの部屋も窓が小さくて薄暗く、「アメリカ人は部屋を薄暗くしておくのが好きなのかな。」と、思っていたのですが、ここは、とても明るいので気に入りました。

台所には、例の勝手に氷を作る2ドアの冷蔵庫、大きなオーブン、そして、待望の食器洗い機が付いています。コンロも電気で、蚊取り線香みたいなうずまきのヒーターに直接鍋を乗せるタイプです。大きな温水器があって、台所、シャワー、洗面所でお湯が使えるように、なっています。あとで分かったのですが、日本のように、電気料金の安い夜間に、お湯を沸かして溜めておくタイプではなく、お湯を使うたびに、水を勝手に足して、勝手に温めて、いつでもたっぷりのお湯をためているので、お湯が途中でなくなる心配がなくてとても良かったです。

冷暖房のコントロールパネルも台所にあります。集中冷暖房で、スイッチを入れると、全部の部屋を一度に、暖かくしたり、涼しくしたり出来るようになっています。家の中にひとりしかいない時でも、家中の部屋を全部暖めるなんて、もったいない様な気がします。電気代は、日本よりもはるかに安いとはいえ、アメリカには、省エネと言う考えはないのかしら…。でも、慣れてくると、一部屋だけ冷暖房して、その部屋だけにこもってしまいがちな日本のアパートと比べると、廊下も、階段も、バスルームも、部屋と同じように暖かくて、すごく快適でした。

ダイニングルームのアルミサッシの引き戸を開けると、裏庭に出られます。高さが2メートル近くありそうな柵に囲まれた庭は、私達専用のようです。鍵のかかる物置もあります。物置の中は、結構広くて、洗濯機と乾燥機を置けるように、なっています。柵を開けて出ると、私達専用の駐車場になっています。ここの棟は、一戸に付き、2台分ずつの駐車場があります。駐車場のちょっと先に、小さな家があって、そこは、アパートの住民専用のコインランドリー、その横に、例の大きなごみ箱…、とても便利そうです。

部屋に戻って、2階には、ベッドルームが3部屋とバスルームがあります。ベッドルームはどれも広いです。一番広いメインベッドルームは、15畳から20畳近くあり、ウオークインクローゼットもあります。家具が何もないので、よけい広く感じたのかもしれませんが…。

広くて、きれいで、便利で…私は、今度のアパートがとても気に入って、ごきげんでした。でも、その時は、ある重大な違いに気づいていなかったのです。

 

 

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ディープサウス・オブ・USA