エリザベス・フォンデ・エレメンタリースクール スクールバスで通う

 

子ども達が、小学校へ登校する、最初の日は、家族みんなで車で学校へ行きました。事務室で手続きをすると、担任の先生を紹介してくれました。えりの担任は、グリーン先生、はるなの担任は、ベトナム系の、グイーン先生です。若い女の先生です。「今まで、日本人を教えたことはないけれど、英語をしゃべれない子を担任したことがあるので、心配入りませんよ。」と、頼もしく話してくれました。一年生は、午後は、外で遊ぶので、おやつをもってくるか、50セントをもってくれば、アイスクリームを買うことも出来ると、いわれました。

スクールバスの手続きもしました。スクールバスはアパートにも行くので、外で待っておくようにという事でした。

翌朝、4人で言われた時間より、少し早めに出て待つ事にしました。アパートの外という意味がよく分からず、私は、玄関の外にいればいいだろうと思っていたのです。でも、夫が、「アパートの正門の外ではないか…。」というので、4人でとことこ歩いて、正門の所に行き待ちました。

しばらくすると、いわれた番号を付けたスクールバスが来ました。ところが、そのバスは、向かい側の道路を入って行きました。よく見ると、そこは、他のアパートの入り口でした。少ししてからバスが出てきたので、手を挙げて運転手に合図しました。バスが止まってくれたので、今日からスクールバスに乗ることになった事を話して、子ども達を乗せました。運転手は「アパートの中の道路を1周するので、中の、他の子が集まっている所で待てばいいよ。」と言ってくれました。

放課後は、スクールバスで、3時半頃帰ってくる事になっています。規則では、スクールバスが着く時間に、親が待っている事になっています。バスが来た時に親がいないと、子どもを降ろさないことがあるなどと、ガイドブックにも書いてあります。それで私は、家の外に出て待っていました。ほぼ定刻に、スクールバスが帰ってきました。

管理事務所の前で待っていたのですが、そこでは停まらず、アパート内の道路を1周して、それぞれ決まった所で子ども達を降ろすようです。でも、えりはるながバスに乗っているのが見えたので、子ども達に手を振って合図をすると、えりはるなも手を振り返したので安心しました。1周してくるのにかなり時間がかかります。えりはるなは、最後に停まった所で降りてきました。

パインビュー小学校の時は、初めの何日間かは、帰りのスクールバスが分からず、乗り遅れてしまい、学校から連絡がある度に迎えにいったのですが、今回は、ちゃんと乗れて帰ってきたので、ほっとしました。

ところが、次の日です。朝は、昨日降りた所に並んで待っていて、みんなと一緒に乗りました。2日目ということで、少し安心した私は、迎えに出るのが少し遅くなってしまいました。エントランス道路をバスが入ってくるのが見えたので、あわてて出ました。バスが1周するのには、だいぶ時間がかかります。やっと最後の停車地にやってきました。何人かの子ども達が降りてきます。でも、えりはるなは降りてきません。

「あーどうしよう、帰りのバスに乗れなかったのかしら…。」と思ったけど、取りあえず、降りてきた近所の子に、えりはるなを知らないかと聞きました。すると、「向こうの、停車地で、降りたよ。」と言うのです。向こうと言われても、何処のことか分かりません。アパートの敷地はとても広く、なにしろ600世帯余りあるのですから、それに、スクールバスは、敷地内で、4ヵ所も停まります。えりはるなも来たばかりで、同じようなアパートが並ぶ中、違う所で降りたら帰れっこない…。

「何処で降りたか連れてって、」と頼んで、いっしょに走って行くことにしました。こっちの方が近道だから、と言われて、家と家の間や芝生の原っぱを、突っ切って行きました。でも、バスが、停まったという所に着いた時、辺りには誰もいませんでした。「何処にいったんだろう。迷子になっていないかしら…。」いっしょに行ってくれた子ども達と「えりー、はるなー。」と、叫びながら歩いて、帰ってきました。

すると、えりはるなは家の裏口の所にいたのです。「もー、心配させてー。」と言っても、ふたりはきょとんとしています。後で聞くと、「昨日お父さんと散歩して、向こうの方にも行ったので、迷わずに帰れた。」ということでした。

私ひとりの取り越し苦労だった訳です。

 

 

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