雨 傘

 

えり(7才)、はるな(5才)は、ジャンプ傘なら、自分で開いたり閉じたりできますが、それ以外の傘は自分で開閉できませんでした。それで、出国準備をしていた時、「子ども用のジャンプ傘を送る荷物に詰めた方が良いかしら…。」と、夫に相談したら、「友人に聞いたところ、『タラハッシーでは、ほとんど雨が降らないから、傘なんてさしたことがない。』と言っていた。」と言うのです。それで、前もって送った荷物の中には、子ども用のジャンプ傘は入れなかったのですが、出発する日は、あいにくのぐづついた天気で、4人それぞれのリュックに折り畳みの傘を入れての出発となりました。

タラハッシーに着いて、初めの2・3日は、サムナースさんのうちに泊めてもらい、いろいろな手続きや、買い物に連れていってもらいました。4月というのに、時折小雨の降る肌寒い日々でした。どこへ行くのも車です。駐車場に車を停めたら、入り口までほんの少し歩くだけですから、ちょっとぐらい雨が降っていても、傘は要りません。夫の友人の言ってたことは、こういうわけだったんです。

アパートに落ち着いても、しばらくは車のない生活でした。夫はバスで大学へ、子ども達はスクールバスで学校へ、買い物は歩いて5分の、となりのショッピングセンターの中にあるスーパーへと、車が無くても普段の生活は、特に困りません。でも、意外と雨が降るのです。車の無い生活では、日本と同じように傘が必要です。

朝から雨がしとしと降って、一日中降ったり、2・3日降り続いたりすることもあります。でも、朝は良く晴れていたのに、子ども達の帰りのスクールバスがアパートの前に着く(3時半)頃、スコールというのか夕立みたいなものすごい雨が、よく降りました。

アパートの向かい側に、小学校と中学校があるのですが、歩いて登校する小学生や中学生も、時々見かけます。雨の日は、当然、傘を差して歩いています。大人の人で傘を差しているのも、何回か見かけました。大柄な人が、ゴルフ用のパラソルか、ビーチのパラソルのような、赤・青・白に塗り分けられた派手なものをさしていました。でも、きれいな花柄のものには、出会いませんでした。

その後、夫も私も車の運転免許をとり、車であちこち出かけられるようになりました。買い物に行った時、子ども用のジャンプ傘を売っていないかなあと、気にはかけていたのですが、日本のようないろいろな傘をたくさん並べて売っているような傘売り場は見つかりませんでした。店の人に尋ねたりしなかったので、聞いてみればどこかにあったのかもしれませんが…。

ところが、ある日、ワゴンの中に折り畳みの傘が売っているのを見つけました。半端もののセールのようでした。折り畳みの傘なら持っているので、必要なかったのですが、持つ所が、あひるの顔になっていたりして、子どもが興味を持って、手にとって見たのです。私も手にとって見ると、ボタンが付いています。もしかしたら…と思い、ボタンを押してみると、柄が、するすると伸びて、傘がぱっと開くのです。すごい!折り畳みのジャンプ傘です。もちろんすぐ買うことにしました。値段も半端もののせいか、安かったです。

 

 

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アメリカで暮らして