台所

 

ジョージタウンアパートの私達が借りた部屋は、台所が独立していました。台所の奥の方に、勝手口があって、アパートの中庭に出られます。でも、日本と違って、部屋の中でも靴を履いたままの生活をする土地柄、ドアを開けた時、外と部屋の中の床の高さに差がないのです。風が吹くと、外の枯れ葉などが、ドアと床の隙間から入り込んできます。

調理台は、日本のアパートよりは広くて使いやすそうです。でも、高さが、日本に比べて少し高いです。初めは、高いのが、気になっていましたが、慣れてくると、食べ物を切ったり、食器を洗ったりする時に、腰を曲げなくてすむので、かなり楽でした。わたしの身長は、日本では標準ぐらいですが、最近の若い子たちの身長の平均は、高くなっているので、日本の調理台なども、もう少し高い方が使いやすいだろうなあ、と思います。

ただひとつ、困ったのは、調理台の上が、ステンレスでないことです。耐水性なんだろうけれど、木製なのです。日本にいる時の調子で調理していると水浸しになるので、慌てて拭かなければなりません。それに、火から下ろした鍋を置こうとしたら、ジュッという音がしたので、慌てて持ち上げたけれど、熱で焼けて、白い輪染みが出来てしまいました。水にも、熱にも弱い調理台なんて…。このアパートが、築30年ぐらいの古いせいかも知れません。でも、アメリカでは、築30年は古い方には、入らないようですけれど…。

流しの中に、ディスポーザーが付いています。生ごみは何でも細かく砕いてジュース状にして、流してしまいます。日本のアパートではディスポーザーを使うと、廃水処理の時、問題が出るので、使わないようにといわれていますが、こちらでは、お構い無しです。蛇足ですが、このディスポーザーはとても大きな音を立てます。はっきり言って私は好きになれず、ほとんど使いませんでした。

調理用のコンロは、電気です。スイッチを入れると、黒い渦巻きの蚊取り線香のような形をしたヒーターが、真っ赤になります。そこに直接、鍋などを置いて使うのです。ガスと同じくらい火力も強いです。大中小3口あって、それぞれ、火力の調節も出来ます。はじめは、火加減が難しかったけれど、慣れると、お鍋で御飯を炊くのもうまく出来ました。ガスの場合、弱火にすると、風で火が消えないか心配ですが、その点電気は、ふきこぼれても、火が消える心配がなく安心です。ただ、火を消すと、ヒーターは赤から黒にすぐもどるのに、しばらく熱いので、火を消して鍋をその上に乗せたままにしておいて、焦がしそうになったり、鍋をのけた後に触ってやけどしそうになったり、いろいろ失敗をしてしまいました。

 

 

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アメリカで暮らして