猫
第七話
がつがつ
むしゃむしゃ
ぼりぼり
はふぅ〜〜〜〜
やっぱり、鮭はおいしいです☆
今日もお腹いっぱいです♪
あ、みなさんこんばんわ。
猫でございます。
さて、前回の抗議がきいたのか、
最近は外に出られるようになりましたのよ。
由香おねいさまもなかなか理解のあるお方ですね。
さすが、ゴ主人サマの女です。
というわけで、私は朝9時から夜10時まで
外で暮らしてます。
やっぱり、外はいいです♪
桜の木の上でひなたぼっこするのは楽しいです。
んで、今食事を終えて由香おねいさまの家に帰る
ところなんですよ。
ちなみに今はもう夜です。
え???
食事はどこから持ってきたって???
それはもちろんあの魚屋からです(にっこり)
というわけで猫、帰還します!!!
てくてくてくてくてく(移動中)
あ、近道しようっと。
よいしょっと(塀によじのぼってる)
てくてくてくてく(移動中)
・・・ぞくっ!!
うひゃあああああああああ!!!
こ・・・この殺気はまさか・・・
はああああああああああああっ!!!
あの巨大なシルエットはまさかっ!!!
ひいいいいいいいいいいいいっ!!!!
第一話で出てきた因縁のおばはん!!!
っていうか、何でこんなところにいるんですか!!!
いけません!!!
これは逃げなければ!!!
そ・・・・総員退避ぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!(って、一人じゃん)
<・・・待ちなっ!!!>
ひいいいいいいいいいいいいいっ!!!
ご・・・ごめんなさい!!!
しばくなんて言って悪かったです!!!
だ・・・だから、お許しを〜〜〜!!!
<・・・ふっ、そんなことはもういいのさ(何で知ってる?)>
<それより、ちょっとあたいと話しないかい?>
へっ???
お話ですか???
はぁ〜〜〜かまいませんけど・・・(汗)
<あんた・・・捨て猫だね?>
えっ??
あああ、はいそうですぅ
大きな桜の木のある公園で捨てられたんですよ。
えっとだから、あの桜の木が大好きなんですぅ
<そうかい・・・可愛そうにねぇ・・・>
<そういうあたいも捨て猫なんだけどね・・・>
えっ???
そうだったんですかぁ〜
初耳ですぅ
<あたいはミサエっていうんだ>
<でも、本名で呼ばれるのは嫌いだからあたいのことは女将さんとお呼びっ!!>
<ちなみにミサエはコードネームさ>
あ、はいぃぃ〜
ってあのぉ何のコードネームなんですか?(汗)
あの、あたしはまだ名前ないんですけどぉ・・・
うーんと、えーとぉ・・・
<そうかい・・・名前がないのかい>
<じゃあ、次回までに読者さんに名前をつけてもらいな>
あ、はいぃ
わかりましたぁ〜♪
(というわけで名前募集ですぅ。こちらまでメールくださいなぁ)
ところで、女将さんはもう何年この街にいるんですかぁ?
<あたいはもうかれこれ8年はここにいるね>
<あたいも昔、この街で生れたのさ>
<あんたが言ってたあの公園でね・・・>
えええっ???
そ・・・そうなんですか???
<あああ、毎日必死になって助けを求めていたさ>
<ま、誰も助けてくれなかったけどねぇ>
<あの頃は一人で生きていくために必死だったさ>
<よく他の奴らとも喧嘩したし、人間にも殺されそうになったよ>
う・・・
そ・・・壮絶ですねぇ・・・(汗)
でも、あたしも今人に飼われてますけど、
みんな優しい人ですよっ
<ふっ・・・あんたは恵まれているのさ>
<あたいみたいな猫はあたいだけで十分さ>
<ま、こんな湿っぽい話はこれぐらいにして>
<あんたにお願いがあるんだよ>
ふぇ??
あ・・・あたしにお願いですかぁ?
どんなお願いですかぁ?
<この辺を仕切ってるあたいにも大事な息子がいるんだよ>
<しかし、どうも仲間を作ることができないらしくてね>
<んで、あんたにあたいの息子の友達になって欲しいんだよ>
あ・・・息子さんがいるんですかぁ・・・
うーん、でもあたしなんかでいいのかなぁ・・・
まぁ、あたしもお友達はいませんけどね(汗)
<息子は父親がいないことを根に持っていてね>
<それで、母であるあたい以外とはなかなか話をしないんだよ>
へっ??
お父さんがいないんですか??
それはちょっとショックですねぇ
まぁ、あたしは両親すら知らないから
何とも思いませんけどねぇ♪
<あれは2年ぐらい前、今のような春のときだった>
<この街に一匹の野良猫がやってきてね>
<そりゃあ、もうカッコよかったさ>
<この街にいるすべての女達があの男を追いかけたさ>
ふむふむ。
かなりかっこよかったんでしょうねぇ〜
うらやましいですぅ〜
<あんたはまだお子様だからわからないが>
<この季節になると大人の猫達はサカるのさ>
<要するに求愛の季節さ>
<あたいもがんばってアタックをかけたよ>
<その結果、あの男はあたいを選んだのさ>
うわぁ、すごいですねぇ♪
やっちゅーげっちゅーって感じですね(え?
<ふっ・・・あの男は激しかったね>
<1週間ぶっ通しで愛し合ったさ>
<人間がうるせぇと罵声を飛ばすぐらいにあたいは鳴いたさ>
<人間もあたいたちの愛に嫉妬してるんだろうねぇ>
あ・・・あの・・・
女将さん??(汗)
<こうして、あたいの体はあの男によって>
<発展途上国から先進国へ開発されたのさ・・・>
お・・・女将さん・・・
意味がわからないんですが・・・(汗)
って、なんで頬染めてるんですかっ
うわぁ・・・ニヤついてるよぉ・・・
尻尾振ってゴキゲンだよぉ・・・
<あんたも女ならいつか子供を産むことだろうね>
<そん時にこの言葉を覚えておきなっ!!(目を見開く)>
<『激しさ転じて悦と成す』ってね>
<激しいのはいいぞぉ・・・(ニヤリ)>
・・・・(思考能力停止)
ゴ・・・ゴ主人サマ・・・
か・・・帰りたいっす(泣)
ちゅーか、その笑い怖いっすよ!!
って、どこ見てるんですかっ
何、黄昏てるんですかっ
あああ、さらに尻尾激しく振ってるっす!!
<くっくっく・・・まぁ、あんたには刺激が強い話だったね>
<それからあの男は急にいなくなっちまったのさ>
<ずっと待っても帰ってくることはなかったさ>
<そんな中、息子は生れたのさ>
<だから息子と仲良くしてやっておくれ>
<あの子には友達が必要なんだよ>
は・・・はぁ・・・(汗)
ところで、その息子さんはどこにいるんですかぁ?
<あああ・・・そろそろ帰ってくると思うんだけどねぇ・・・>
そうですかぁ・・・って(キョロキョロ)
あ・・・なんか走ってきます・・・
なんかすごい勢いだ・・・
うわぁ・・・すごい形相・・・(汗)
〔うえぇん、ママァァ〜〜〜〜尻尾にカナブン引っ付いて取れないよぉぉ(号泣)〕
<こらっ!!!カナブンごときで泣くんじゃないわよっ!!!>
〔だってぇ・・・だってぇぇぇぇ・・・(えぐえぐ)〕
・・・・(汗)
どうみてもあたしと同い年じゃん・・・
ていうか、虫ぐらいで泣くなよ(汗)
むしろ虫なんか無視しろよ(寒)
ちゅーか、ホントに男なのかよ・・・
はぁ・・・友達になれるのかなぁ・・・(遠い目)