猫
第一話
春。
陽気な日々。
桜が咲く季節。
人は桜に見入り、公園を訪れる。
公園ではしゃぐ子供たち。
それを見守る老人たち。
いろんな人が存在する中、彼女は桜の木の上にいた。
たくさんの陽の光を浴び、まどろんでいた。
半分眠そうなその瞳は何を見つめているのかわからない。
小さな口を大きく開いてあくびをする。
顔を両手で少し洗い、体勢を立て直す。
しばらくしてから、軽快に地上に降りた。
うにぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜
大きく背伸びをする。
ふああああああ〜〜〜〜〜〜
そして、再びあくび。
ぷるぷるぷる。
体を揺さぶりそして彼女hあー!!!ナレーションうるさーい!!!
もーちょっと静かにしてよっ
まったく落ち着いて眠れないわよ
えっ??もうちょっとやりたい??
いやいや、もう前置きはいいから。
とっとと帰んな!!
はーい、というわけでお疲れさーん♪
あーやっと帰ったよ。
でも、まぁまぁのナレーションだったな。
機会があったらまたよろしく頼むぜ!!
にゃは、キマッタなっ!!
さぁてとぉ、よく寝たし、ご飯でも食べに行くかな・・・
今日もあそこの魚屋で鮭食うぞー♪
あの親父、トロいからなぁ
ふぇっ??
お前、誰だって???
えーとぉ、猫ですぅ〜☆
一応、この物語の主人公らしいですぅ〜★
へっ??
猫はわかってるって??
あ、名前??
ええっとぉ、名前ないんですよぉ〜
だって、初めて目が覚めたときに「だんぼぉる」の中にいましたから。
俗に言う「捨て猫」っすよ。
きゃは、ちょっとカッコいいっしょ?
ええ〜と、人間の言葉でいうと「ナウい?」ってやつですか?
きゃははは〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪
・・・・・。
あああ〜なんか冷たい視線・・・
痛い・・・痛いっす。
んあ〜〜〜帰らないで!!!
ごめんなさい、あたしが悪かったです。
でも、ほんと名前ないんっすよぉ〜
信じてくださいよぉ〜兄貴〜(誰?)
んーと、えーとぉ〜・・・
あ・・・名前以外のコト言えばいいのかっ!
えーと、メスですー♪
まだ若いっす!!
生後2年ぐらいっす!!!
ぴちぴちでっせ、お客さん!!!
にくきゅうもぷにぷにでっせ!!!
体の模様はぁ、しましまですぅ〜
もちろんネコミミでっせぇぇぇぇ〜〜〜〜〜
うーん、こんな感じですかねぇ〜
とりあえず、猫なんですよ。
というわけで、ご飯食ってきまーす♪
てくてくてくてく・・・(移動中)
フーーーーッッッ!!!(喧嘩売られる)
ててててててててっっっ(高速移動中)
ふー街についたぞー。
ちゅーか、さっきおばはん喧嘩売ってきやがったな。
あとで締めたろ。
さっきの桜の木で爪とがなあかんな。
さてと、魚屋は・・・
をっ!!あったぞぉぉぉ〜〜〜♪
くくく、またおんなじ場所に鮭おいてやがる。
こりねぇ、親父だな〜〜〜おい。
さぁてと、さくっとパクりますか。
はむっ(鮭加える)
ひょい(飛び降りる)
「ああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜このくそ猫、待ちやがれっっ!!!!」
きゃははっ!!!
ほぉれ、おっさんここまで追いかけてきな。
けけけっ、相変わらずノロイよなぁ
をっ!!
曲がり角、発見!!!
イン責めます!!!
っておい誰かいるよぉぉぉ〜〜〜〜
あ〜〜〜〜止まれない〜〜〜〜
ごんっ!!!
はうっ!!
あ〜お星様が見えるぅぅ〜〜〜〜
ぱたっ(気絶)
「ん〜なんだぁ〜この猫・・・ぶつかってきやがったぞ」
これが、俺とこいつとの出会いだった。