Logic Seminar

Be Sensitive to the Form!

式の形をよく見よ!


証明が苦手な人に共通するのは、式の形に鈍感すぎること。実際にあった極端な例を挙げよう。公理のA4は次のような形。

A4. ∀xA(x)⊃A(b)

ところがこれを適用する際に

〜∀xA(x)⊃〜A(b)

などと書いて、これがこの公理に該当するなどと言うアホがおる。目が悪いのか?形が全然違うことに気がつかんのか?話にならん。

証 明の基本は、まず証明すべき式の形をしっかりと見ること。述語論理に入ったときには、命題論理のトートロジーの形を見分ける感覚がある程度身についていな いことにはどうにもならん。毎週宿題を見てやっているのに、この感覚が身についていない人は、間違ったところを復習して誤りをただしてない、また理解不足 のところを復習して追いつこうとしてないということ。できなかった人は、もっと問題の数をこなして形になじめ!ポケーと本を「見る」だけで感覚が身につく のは、フォン・ノイマンみたいな、頭のできが常人とは違う人だけじゃ。

(1) ∀x(A(x)&B(x)) 

(2) ∀xA(x)&∀xB(x)

は、 式の形が違う。だから、証明論では、(1)から(2)へ、(2)から(1)へと移るためには定理を証明して、移動や置き換えが保証されることを示さなけれ ばならない。そして、それを示すための道具立ては、公理系のなかで設定されたものだけ。「(1)ならば(2)」を証明する際、何を見るのか?(1)をバラ さんことには先へ進めんじゃろ?そのためにA4をおいてある。ならば、

∀x(A(x)&B(x))⊃A(b)&B(b)

と いうA4の一例に目がいかんか?もちろん、自由変項は後で全称一般化(R2適用)せなアカンから、その条件に合致するよう選んでおかなアカン。こう考える のが「論理的思考」や。そこで、目標の(2)の式をよう見てみい。上式の右辺をこの形にもっていくためにはどうすればエエのや?もう一度バラさなアカンや ろ?そこで

∀x(A(x)&B(x))⊃A(b)

に もっていく。ここが命題論理だけでできるのは、「ひとめ」でわからな修行が足りんということ。この式の形を見て、これも「ひとめ」でR2が適用できるとヒ ラメかん奴は、これも修行が足りんということ。この先、まだインストラクションがいるか?××、自分でやるべし!なお、証明があまりに長くなると思えば、 つなぎの定理など別に証明して、部分ごとにまとめておいて後で全体の証明に構成するテクニックも有用。デカルトの分析と総合を想起するべし。これも「論理 的思考」の一部じゃ。

練習問題

  1. ∀x(A(x)⊃A(x))
  2. ∃x(A(x)&B(x))⊃∃xA(x)
  3. ∀xA(x)⊃∀x(B(x)⊃A(x))
  4. ∀xA(x)⊃∀x(A(x)∨B(x))

Last modified May 27, 2008. (c) Soshichi Uchii