レー妨研 AL2開発室 2001/12/05

ここではやり逃げトライポッド「ALICE」開発への経緯とその戦術システムを公開しております。

感想なんかをメールやらBBSにでも連絡下さると、喜ぶようです

関連資料
ALICE [δ]b ZETテキストデータ

Dumbo最新OKEWinpsmデータ
収録バージョンは[δ]です

ディメンジョン・ミラージュシリーズ開発記

1:トライポッドというOKEの特長

簡単に解説(というかDumbo的な感想)すると、以下の通りです。

<長所>
1:地上型OKE中で最高の機動性を誇る
2:重武装で
至近瞬間での攻撃力は随一
3:武装のバリエーションが豊富
4:機体の当たり判定が小さい
5:連続で格闘を受ける事が少ない
5:機体に対してデススフィアの追跡性能が低下する
6:主武装の仰角範囲が高めで右サイドに強い判定を持つ
7:格闘前進の距離が長く、回避にも効果的に使える
<短所>
1:耐久度が非常に低い
2:積載量が少ない為、
装甲を厚く出来ない
3:同じ理由から
武装の搭載量も少ない
3:
被弾にからきし弱い(被弾安定性がとっても低い)
4:格闘の攻撃力がしょぼい
5:ホバーなのにデススフィアを食らってしまう
6:主武装の攻撃範囲は並だが機体軸線から離れている(左サイドに弱い)
7:燃料の搭載量もそんなに多くはない


以上のように
非常に偏った性能を持つOKEである事が分かります。
そして性能から導き出される戦法は「突撃」あるのみと。
要は
旧日本海軍機の零戦のごとく運動性・攻撃力など攻撃面が極端に高いのに対して
あっさり落ちる儚さを併せ持つ、
まさに日本人の精神性、侍魂にグッとくる機体ですね。

ZEUSでのPRG設計においては
OKEの持つ特性を理解しこれを活かす事が重要ですから
トライを使いこなしたい方は以上をよく覚えて置きましょう。


2:zanシリーズ

さて、Dumboがネット上のZEUS2草大会に参加し始めた頃、一世を風靡していた
トライポッドといえばもちろんご存じ、
Type-R氏作の名機「zan」シリーズです。
ネット上トライの開発史上においてはもちろん、Dumboのトライ開発に関しても
この機体抜きに語る事は出来ません。

この機体は
トライポッドの長所(特に上記1,2)を最大限に引き出して作られた
機体であり、その移動と攻撃ノウハウは今日の機体にも全くひけをとらない
洗練された物です。というよりも上記長所2の「瞬間攻撃力」は
Type-Rさんの開発した
移動・ショット攻撃の基本システムまで含めた評価
と言えるでしょう。
そして後の突撃型トライポッド全て(もちろん僕の機体を含む)がzanの大きな影響を
受けていると思います。
全てはzanから始まったと言っても過言ではありません。

「トライポッドがわからないんですけど…」
「Type-Rさんのzanを見ましょう」
というやりとりが方々のBBSで見られた物です。

しかしこのzanは長所を引き出す一方で
短所を割り切って作られた設計でもありました。
それ故機体特性通りの
「華」と「儚さ」を併せ持つ事になり、それがまたファンを
増やしていました。


3:ディメンジョンシリーズ開発におけるやり逃げ要素

Dumboがかつて開発していた
「ディメンジョンアタック」と呼ばれる一連のトライポッドシリーズは
レーダー妨害を攻撃的に活用したレー妨下での三位一体の集中攻撃が売りでした。
この戦法が見事にはまると敵には
視界を失った中で1on3で各個撃破される運命が待っています。
「くっくっく、かかりおったな」と勝ち誇るDumboを絶望へ追い墜とす
悪魔のようなOKEがいました。

そう、
冥界です。

奴はあろう事か、
1on3の状況にも関わらず僕のかぁいいトライちゃん達を
無慈悲にも次々と返り討ちにしてくれました。まさに
「まっしゅ…おるてが…たった一機の…もびるすーつにぃ……ぐふげほぽち」状態。
そうそう、
某氏の綾影にもさんざぱら蹴られたもんです(--;)


これではイカンと早速改良に入りましたが、ここで
某Kazuさんの様に
「なんとしてでも冥界を撃破するべくPRGを練ってやるっ」
努力をしないとゆーのが良くも悪くもDumboです。

#効率的に強くなるのが一番なのさっ(これは機体開発にかける時間を含みます)
#でも人の真似なんかは極力避ける性質があるようです…
いいわけはさておき、とった方法は
極めて安易な逃げでした。

安易とは言え、
その道は苦難の連続でした。当初は多脚判定やら全機の生存状況やら
各機のサブ武装残数やらを通信チェックするという謎回路を一生懸命作ってたりしましたが
(最終的にはシンプルな残機比較に落ちつきましたけど(^^;)
それよりも
「地上での逃げ」という挑戦が空中に比べて各段に難しく、実用に耐える
レベルにするのは大変でした。(ちゅう訳で結局時間がかかっちゃってます〜)


4:ミラージュシリーズ

それまでのDumboトライは(上の経緯を見ればおおかた察しはつくと思いますが)
とにかく余計な機能がごてごてと付いており、なおかつPRG技術もあまりに未熟
だった為
反応速度がとんでもなく遅いという…今にして思えば根本的な弱点を抱えていました。
そこで省チップ、高反応技術に磨きをかけるべく開発していたのが
ミラージュシリーズです。

#もっとも、当時はそんな
大層な志は皆無単に大会でチップ数が制限されていたので
#やむ無く作っていた、というのが真相だとかどうとか(^^;;;

「従来の半分以下のチップ数で同様に動かせる様に」を目標に開発は進められ、その中で
レー妨を搭載したりもしましたがイマイチパッとしませんでした。

しかし集中ロックの採用テストなど、ALICEに繋がる技術の橋渡しのような役割を果たしました。


5:ALICE開発へ

当初からあくまで
「やむを得ず」逃げていたDumboトライですが、この頃改めて考えたのが
トライポッド最大の特長である「機動性」の新次元の活かし方です。

まず、機動性が勝っているという事はとりもなおさず、
敵に対して常に自分のペースで
戦う事が出来る
事を意味します。つまり機動性は攻撃に活かすのと同様、逃げ足に
活かす事も可能
と言う事です。

まず地上機でこそありますが、トライは逃げ機体に必要な最大の要素である

高レベルの機動性に加えオプション2基に小さい当たり判定
まで持っています。

そして逃げを採用する事は
致命的短所である搭載量や耐久度の低さを補います。
そもそも
耐久性(対被弾含む)が全然違う上装甲が紙ときてますから、仮に同様の
武装で同じ様に撃ち合うといかに避けようとも
力負けしてしまうのは避けられません。
搭載量も少ないので
同じ時間だけ撃ち合う事も出来ません。そもそもそういう機体なんです。
だからといって格闘戦に持ち込むのは
トライの脆さと格闘性能からすると暴挙と言わざるを得ません。


そこで
「積極的に逃げに持ち込む為」
○集中ロックにより一機の敵を狙いを定め

○圧倒的な機動性を活かしてこれに殺到

○只でさえ高い火力をさらに集中して浴びせこれを序盤で一気に撃破

○数的有利を作ってあとは無理せず逃げる

という戦法が編み出されました。

この
「やり逃げ」戦法はトライポッドの高火力を攻撃に活かし、また脆さを逃げる事で補い
そして
高機動性をその両方で発揮する新たなトライの形「ALICE」として身を結びました。


#などと書くとなにやら格好よいですがだまされてはいけません。くだいて言うと
「3対1で情け容赦なくフクロ叩き、ヤるだけヤった挙句セコ〜い逃げ」って事です。


6:実際の開発

1:至近距離での反応速度向上を目指す

Typa-RさんのzanやKazuさんの終焉〜ワルツシリーズの
高反応ぶりに改めて感動。
PRGやルーチン処理の構造を根本から見直して今までより向上させたつもりです。
突撃のみのトライと比べるとまだ全然遅いですけど。


2:ターゲット種に応じた集中ロック

敵種に応じて武装位置の関係を考慮しつつ右突撃と左突撃を使い分けます。
#マイナー機相手に危険な方へ突っ込む可能性大(^^;;;
また
ホバー相手ですが(トライ・コフィンを想定するとどちらも)
逃げに転じるのは危険なので
通常戦闘を継続します。


3:突撃&敵周回を状況で使い分け、一機撃破を目指す
4:残機優勢などの条件でトラップ展開しつつ逃げ

上記やり逃げの実践です。移動・攻撃面では細かい小技は相変わらず
色々使ってますがその辺は動きを見ていただくのが手っ取り早いでしょう。
逃げ回路はいまだに満足出来ませんが3vs2なら実用レベル…かな?
#地上で逃げるのはやっぱむずい〜っっ


5:スペクターでの格闘迎撃を試みる

冥界、綾影などの
物騒な輩に対して至近距離で戦闘するなら欠かせません。
#ちゅうより今まで散々苦しめられて来たトラウマかも…(--;)
奴ら
小ミサイル程度は気にせず格闘してきますが中型なら安心(?)


6:逃げ木琴に対応しうる妨害回路

あくまで「対応し得る」ですけど。さすがに逃げ木琴相手には一機確実に墜とせる
気がしないので、
せめて体力勝負には持ち込める様にしとかないと。可能性自体が
なくなっちゃいますからネ。


7:ALICEシリーズ戦績

初期型
対空戦での集中ロック回路にバグ有り(^^;

01/12/07 ZAC 優勝/22チーム
[α]
上記のバグ修正版

00/11/18 2Heart32th 4位/10チーム
00/11/19 TKB 予選6/16 決勝4/16
[β]
移動回路などに手を加えた一応の完成版

00/11/28 2Heart33th 3位/11チーム
[γ]
逃げ回路の修正、近距離戦の反応向上、
3番武装発射の適正化を実施

01/01/07 2Heart35th 1位/6チーム
[δ]
何をいじったか忘れました(^^;;;
[δ]b 
逃げ回路をほんの少し修正

01/12/2 TB3on3 3rd 位/チーム
[ε]toms 
対空戦の強化を狙って全面再設計
ZeNeMe4thの時に考えついた
新式対空戦闘システム「T.O.M.S」搭載

(未公開)

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