この地区は奈良公園と奈良町との接する所であり旧大乗院跡および庭園、瑜伽山神社、天神社、奈良ホテルと歴史の感じられる所です。その他、近世から近代へと時代の変化が感じられる様な住居の佇まいが点在しています。

 またこの北天満から高畑にかけては大正から昭和にかけて白樺派の活動の舞台となったところで武者小路実篤、志賀直哉、小林秀雄などの文人や画家の若山為三、中村義夫などが移り住み、集まった場所でもあります。

 当建物はこれらの時代に好まれた昭和8年に建てられた郊外型和風住居でした。瓦を載せた塀と小さな門、延べ石のあるアプローチ、玄関脇にはガラス窓の洋間があります。そして玄関を入ると廊下が奥へ繋がっています。