八丁門峠越参道の丁石

 趣味で山道の整備をしておりまして、生駒市域についてはこのサイトで紹介して参りました。長年の懸案であった、辻子谷越参道の整備報告をしたところ、精力的に生駒山系の紹介をなさっているふぁんトントさんが早速歩いて報告をアップして下さいました。その中に八丁門峠越参道の途中、般若の滝の丁石がありました。これはショックでした。私の知識の中になかったのです。八丁門峠越は何度通ったことか。そんなものはついぞ気がついたことがなかった。自慢の節穴の目もここに極まれりです。
 そこで早速、朝日地蔵参道の整備をかねて、般若の滝へ出かけました。参道のすぐ脇でなく、滝行場方向へ少し入った道ばたで草むらの中に少しだけ顔を覗かせていました。ただ歩いているだけでは気付きません。滝行場に進んでも見逃します。よくこんなものを見つけたものだとふぁんトントさんにお尋ねすると、「生駒の古道」に書いてあるとのこと。驚いてページをめくると「般若の滝橋(五十丁石)」(P.115)と書いてある。道を歩いて見逃すだけでなく、文を読んでも見逃していました。これは、「こんな道は全部知っとるわい」という不遜な思い上がりをして、いい加減に読んでいたせいでしょうね。深く反省した次第です。

  予備知識無しに見つけた人がいたら大尊敬です。

 般若の滝で五十丁という数字は、朝日地蔵参道の方を通った数字のようです。現在のハイキング道を通るともう少し遠くなります。もっとも、五十の下に数字が隠れているのかもしれない。掘り返してみないとわかりません。「生駒の古道」で五十丁石と断定しているのは少し掘って確かめたのでしょうか。

すでにふぁんトントさんがもっといい画像をアップされていますので、紹介させていただきます。

宝山寺参詣道「ハチエモンが訛って八丁門とはコレ如何に?」

般若の滝のパノラマ写真も撮っておられます。

 これで記事が終わりだと、ページタイトルと違ってきます。生駒市域の丁石をすべて並べておきましょう。

 三十四丁石、王子製紙横断幕の向かいです。(生駒市石造遺物調査報告書NO.397)

 街道沿いはこの二つですが、おそらく八丁門峠越参道の丁石と思われるものがもう一つあります。

 愛染寮横の四十六丁石

 これは「生駒市石造遺物調査報告書」NO.484です。どこにあったものか説明はないのですが、四十六丁という数字は八丁門峠越以外には考えられません。距離から考えると、愛染寮付近を通って八丁門峠越道に繋がる道がありましたが、その三差路当たりが適当のようです。この道は愛染寮付近ではルートが変わっていますが、今もあります。「右寶山寺」とあり、他の丁石と違って道標の役割もしています。道標なので、移設保存されたのでしょう。丁石は動かすと意味不明になりますからね。この2点は調査報告書に収録されていますが、般若の滝前のものは漏れています。見逃したのでしょうね。「生駒の古道」の調査はすばらしいものです。 

今昔マップの統合目印ファイルは五十丁石を加えて更新しておきました。遺物マップはサボってそのままです。

メニューページ