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★★★ 年末年始@アリエス宮 ★★★
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1.Happy New Year!@0時


「……3…、2…、1……!」

「「「Hppy New Year!!」」」
「「「今年もよろしく!!」」」

軽いコルクの音と、クラッカーの弾む音が響いて。
炭酸の弾ける爽やかな音と共に、グラスに柔らかな琥珀色が注がれる。
そして、グラスを触れ合わす軽やかな音色が続く。

「乾杯♪」

で。無礼講に突入するのは、言わずもがな。


「ねぇ、もう1杯頂戴?」
と栗色の髪の皇妹さまが言うのに、
「だめだ。乾杯の1杯だけだと言っただろう?」
と釘を刺すのは黒髪のお母さん――もとい、陛下。
「むぅ〜」
ふくれっ面も、またご愛嬌だ。

そこに。
「まぁまぁ、これでもお試しあれ♪」
と、柔らかな金色を湛えたグラスが、すっと差し出される。
カットオレンジとが添えられていて、カロン、と、氷が涼やかに音を立てる。
爽やかな柑橘の香りに、思わず目が引き寄せられる。
興味津々とばかりに、蓮花の少女が画像を保存。

「これは?」
「サンドリヨンってカクテルですよ♪」
幾つかのグラスをトレイに載せた紺青の髪の少年が笑う。
キラキラした瞳で、少女組が差し出されたグラスを受け取る。
微笑みながら口をつけ。
『美味しい!』
の声に、大満足で、『光栄です』と、紺青の少年が気取った礼をする。


※※※※※※※※※※


「お見事、さっすが」
「助かったよ」
「皆飲んでるのに、無しってのは、ね?」
金の髪の女性と黒髪の少年の褒め言葉に、紺青の少年が、明るく笑う。
「ノンアルコールなら、問題ないっしょ?」
悪戯っぽくウインクして問いかければ、黒髪の少年が苦笑して是と返す。
「でも、よく誤魔化されたな。あれって、完全ノンアルコールだろ?」
と、小さな声での問いかけに。

「香り付けに、リキュールに付けたオレンジを添えたんだよ」
グラスに添えられた薄いオレンジが答え。
「アレぐらいなら食べて問題ないし、こういう場では気分的なものだろ?」
との言葉に、聞いていた面々が思わず苦笑したのは、これまたご愛嬌。


その日は結局、参加者一同がアリエス宮にお泊りになったそうな。



2.内緒話@7時


「やっぱり、コレだけの数となると、壮観だな」
「だなぁ」

夜更かしした次の日としては、ちょっと早めの起床時間。
アリエス宮の一角で、黒髪の少年と、紺青の少年が、くすくすと笑っていたのは、他の面々には内緒の話。



※※※※※※※※※※


その日、アリエス宮の食堂は、とてもとても不思議な空間となっておりました。

ブリタニア風の食堂に配膳されているのは。
黒塗りの重箱に飾られた所謂おせち料理。
朱塗りの屠蘇器とそき――盃と銚子。
塗り箸の他に、何故か洋食器のフォークやナイフまである。

席に座ることもせず興味津々で鑑賞する面々に、呆れた声で着席するように告げたのは。
――いい香りのするお雑煮を運んできた黒髪の少年。

「冷めますから、早く座ってください」
あわてて皆が座ったのは、お約束。

「めしあがれ」
『いただきます』



3.さて?@10時


「うわぁ〜〜」
「ほぉ」
「へぇ〜」

食事の後片付けが済んだ頃。
一同揃って、アリエス宮の一室に集まった。
扉を開けた第一声。

華やかな色が目に飛び込んだのだ。

「これは…『きもの』、と言う奴かい?」
「ええ、そうです」

衣桁いこうに掛けられた、明るい臙脂赤に華やかな御所車の着物。
金糸で全面に鶴が織られた帯。などなど…。

「興味があったみたいだからな」
と、黒髪の少年が緑髪の少女に声を掛ける。
「覚えていてくださったんですか?」
「ああ、どうせなら、振袖こちらの方が浴衣より似合うと思ってな」
驚いた顔を楽しむように微笑み返す。

「さて、咲世子さん、お願いできますか?」
「畏まりました」
「はーい、男性陣は部屋から出ましょ〜♪」
「わかったよ、ミレイも、頼むな?」
「勿論よーん♪ 楽しみにまってなさいな♪」



4.着付け中@10時半


「はーい、しーちゃん、ちょっと動かないで座っててね〜」
「は、はいっ!」
「そんな緊張しないでよぉー」
まず髪を軽くセットする為にミレイが小道具を取り出す。

「おろしたままでもいいんだけどねぇ〜。
今日はアップにしてみましょ〜」
やたらイキイキしているのは、まぁ、当然。
手際がいいのは、まぁ、なんだ。学園時代の杵柄?だ。
軽く結い上げて、『後は着付けが終わってからね〜』と、咲世子にバトンタッチ。

「慣れないと少し苦しいかと思いますが、我慢してくださいませね?」
「は、はいっ!」
緊張してカチコチになってしまった少女に、周囲から柔らかな笑みがこぼれる。

咲世子が肌着の上から薄い襦袢を着せ掛けようとした、その時。
「あれ? それって…?」
ミレイが少女の胸元に、柔らかな輝きを見つけ、
「るるちゃんからのプレゼント?」
その言葉に、『ぼんっ!』と音がするように真っ赤になって沈黙する。

「どんぴしゃ、ね?」
「へぇ。もしかして、この間の冬至祭、かな?」
「ちゃんとルルーシュも用意してた訳だな」
などと言い合う面々に、好き放題いじられる。
恥ずかしさのあまり、『うにゃー』と、泣きそうになっているのは、まぁ、仕方がない。

「……それって、水晶?」
と、違和感に気付いたアーニャが首を傾げる。

シンプルなドロップ型のペンダントトップは、なるほど、不思議な色合いをしている。
赤みを帯びた金色が柔らかなグラデーションを描いているとても美しい物だ。

「……それは、多分アメトリンだな」
「あめとりん?」
「紫水晶アメジストと黄水晶シトリンが合わさって出来たものだよ。
両方の名を取って、黄紫水晶アメトリンと付けられたのだったかな」

「「「へぇぇ〜〜」」」
と、言いながら、ニッコリ――悪戯っぽい笑みで一斉に視線が集まる。
「「な〜るほどねぇ」」
意味深な笑みがこぼれたのは、仕方ないだろう。

「あらあら、これじゃ後でルルーシュ様、詰め寄られますわねぇ?」
それを見ていた紺碧の女性の言葉に。
「まぁ、仕方がないだろうな。さて、どんな反応をするやら、楽しみだな」
と、楽しむように皇姉様が答えた。
これで、今度は黒髪の少年が女性陣のおもちゃにされるのは、決定したようだ。
合掌。



5.


妙に羽織袴が似合う黒髪の少年の横に、蝶の髪飾をつけた緑髪の少女が立つ。

「似合うな」
「あ、ありがとうございます…」


「では、改めて」

「新年、明けましておめでとうございます」
「「「おめでとうございます!」」」

「今年もよろしくお願いします!」
「「よろしくお願いします!!」」


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01/01〜01/03 の期間限定フリー作品です。
お持ち帰りは、ご自由にどうぞ。

とのことですので、喜び勇んでいただいてきました〜vv
・・・本当は三が日以内にはアップする予定が時間なくて一日ずれこみましたが(涙)
楽しい企みをしているルルさまとリヴァルがいい感じですvvそして御節がおいしそうですvvv
ルルさまの羽織袴vv是非見てみたいですvv着流しだってあんなに似合うお方ですもの、羽織袴も見ていてきっと絶品☆に違いないvv
あけましておめでとうございます!
みずきさま、素敵な年始SSをありがとうございましたー!!



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