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@元日の早朝、未だ薄暗がりの中、由香さんは白い息を吐きながら どこかに向かって外を歩いています。 例によって例のごとく、くくろうとも纏めようともしないで そのままほどいて垂らしたままの髪は、 10cmほどのハイヒールを履いているにもかかわらず、 特に長く伸びた数万本の髪の毛が、地面に届き、更に 地面の上を擦っているほども 長く長く伸びてしまったのです。 |
Aそして、あまりにも髪の量が多いので、由香さんの腕や足や更には 手提げバッグにまで髪がからみついて、まるでゾウガメが歩いている 姿を彷彿させるような、髪の甲羅の中から時折手足が現れて、 髪が歩いているかのような、浮世離れしながらも、世にも美しい 歩き姿なのです。 それにしても、由香さんは、いったいどこまでこの髪を長〜〜〜く 伸ばすつもりなのでしょうか?....そして、これ以上長〜〜〜〜く 伸びてしまっても、それでも、髪をくくったり纏めたりせずに、 このままの姿で外を歩くつもりなのでしょうか? |
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B由香さんは、1件の店の前で立ち止まりました。 その立ち止まった由香さんの後ろ姿は....もう ハイヒールの影すら全く見えないほどにまでも 長〜〜〜〜〜〜く髪が伸びてしまっているのです。 Cところで、由香さんが立ち止まった店のドアガラスに書かれた 文字は.....「カットサロン・ショート」と書かれている ではありませんか!!....そうなのです、由香さんは何と 美容院にやってきたのです!!! 美容院といえば....髪を切るための店.....と言う事は ゲロゲロ....もしかしたら由香さんは、この世にも美しい 長〜〜〜〜〜い髪を切りに来たのでしょうか!?!?!?!?!? (それにしても、「カットサロン・ショート」とは、まあ.... 何と言うか、あざといというか強引というか、いかにもショートヘアーにしろ と言わんばかりのトンデモナイ店名ですなーー。) |
D由香さんが美容院のドアを開けて中に入った時、既に7〜8人の客が いましたが、中には由香さんの知り合いもいましたが、由香さんを 全く知らない客もいました。その客は、由香さんの姿を見るなり 「うわっ、凄い髪の毛!!!」と思わず大声で叫んでしまいました。 これには、由香さんも思わず吹き出してしまいました。 E 美容師「あっ、由香ちゃん、いらっしゃい.... この前言ったようにするのね....?」 由香「ハイ、お願いします。」 “この前言ったように” とは、いつもと違う髪型にすると言う事 なのでしょうか?....と言う事は、もしかしたら、由香さんは 何年も何年もかけて大切に大切に伸ばし続けてきた、 身長を超えるほどまでに長〜〜〜〜〜く伸びた、 世にも美しいご自慢の黒髪を短く切ってしまうつもりなのでしょうか!?!?!?!?!? そして、由香さんは、美容師に導かれるままに、カット台の椅子に座ったのです。 |
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