防磁型バスレフの作成
BR10717

近所の知人のリクエストで、防磁型の小型システムを設計しました。
リクエストの内容は、 といったもの。
購入したミニコンポのスピーカーが防磁型でなかったらしく、代用となる木目のものが欲しいとのこと。

方針
低音をそれほど望まず、安く済ませるならフルレンジ。
小型なので10cmクラスの防磁型で入手しやすく安価ということで、フォステクスFE107に決定。
高音の伸びへの希望が強く味付けにツィーターを追加。これも防磁型でFT17H。
買ってからわかったことですが、FT17Hは完全な防磁型ではない、と説明書にあります。実質問題が出ることはほとんどないと思われますが、そういうことはカタログに載せておいて欲しいものです。
設計
公称の能率は、FE107が90dB、FT17Hが98.5dB。味付けにと考えるので、0.47μFだけで繋ぐ。
40kHzカットオフで20kHzで-6dB、10kHzで-12dBとなり、10kHz以上がレベル上昇しますが、高音重視の好みには合うはず。
鳴りっぷりが良いようにバスレフ型としておこう。
低音は無理して伸ばさず、ダクトのチューニングは65〜70Hzを狙います。
集成材1枚で作成。板取はこちらを参照。
吸音材は下図で左上から右下に斜めに渡るようにグラスウールを使用。但し、グラスウールが飛散しないように、ガーゼでぐるぐるに包んで使います。
外形寸法等は下図をご参照ください。Fdは67Hz。



見た目

完成後の写真です。実物はもう少し色が濃いです。
FE107のコーンの色をご存知の方は、そのつもりでバイアスして見てください。

バランスとしてはユニットが真ん中によりすぎた嫌いはありますが、音にはその方が良いと勝手に納得しています。

仕上げは、ワンパターンのウレタンニス(クリアタイプ)。

集成材の割れを防ぐためには、木材が水分を吸ったり出したりというサイクルを抑えるように配慮したほうが良いので、内部もニスを3回重ね塗りしています。

FE107のフランジは弱そうなので、FEスーパー系列と同じように締め付けてはフランジが歪んで、板との密着が悪くなる恐れが予想されたので、付属のスポンジスペーサーを使って程々に締めてます。



評判
文句は言いにくい状況にあるとは思いますが、
「見た目は期待どおりで理想的」
「低音が弾むように出てきてラウドネスの必要がない」
「すごくクリア」
「メーカー製であんなに高音の伸びているのは聴いたことない」
と、ご満足いただいた様子で一安心。

私が聴いた感じでも、バスレフのチューニングがうまく当たるジャズやポピュラーの一般的なソースでは、低音がポンポン飛び出してきて、ご機嫌な鳴りっぷりです。

パソコン用にはこれのツィーターなしバージョンでいこうかと思っています。


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