前作の「ああすれば良かった、こうすれば良かった」という経験から、木だけで闇雲にくみ上げるのではなく、金属パーツを使って、出来上がってから手を加えやすいように工夫することとしました。
穴をあけただけのバッフルに仮組みしてみればわかりますが、FE108ES2のマグネットは大きく、マグネットと板の隙間がいかにも窮屈です。これはFE88ESでもそうでしたが、抜き板裏面の空気(音)抜けを良くするための対策は必須と思われます。
仮に未対策のまま結果的に満足できる音が得られたとしても、良いはずがない要因を残したままでは精神衛生上良くありません。こういうのを「good result, different reason」と言います。そんなわけで「マグネットとバッフルの間隙確保と強度を両立」するために、初めて金属サブバッフルを使うことにしました。
間隙確保のためだけならテーパーでも良かったのですが、他にも、
というメリットがあることからの採用です。
- 平面性が良いので、きつく締め上げなくても気密を確保できる。(若干疑問)
- ドライバーを頻繁に付け外ししても、ねじ山が潰れる心配がない。
- 必然的に業者に依頼するので、ネジ穴の精度が良いであろう。
サブバッフルは本体の木枠と接着しますが、木枠が障害物になるのを避けるために木枠もぎりぎりのサイズとし、金属サブバッフルとはエポキシで接着してしまいます(写真右)。
今回はドライバーをマグネット裏側から砂等でダンプする方式を試してみたかったことと、吸音材の調整のためのドライバー付け/外し時の破損リスクを避けるために、天板をはずして内部をいじれるように工夫することにしました。
ヘッドに固定してしまう部分をアルミ製、着脱可能なフタを真ちゅう製としています。
アルミ部分は内部へのアクセスのための穴をあけてあり、接着剤で本体に固定されます。フタの真ちゅうとアルミとの密着だけで気密性を確保しますが、パッキンを試してみる価値はありそうです。アルミ枠をヘッドに取り付けたところです。
エポキシと木工ボンドを併用しての接着となり、工作は面倒くさいです。
これでやっとヘッドの形ができました。
このあと、板の合わせ目部分をパテ状のエポキシで補強し、内部塗装をしたらヘッドの完成です。