出口を絞る功罪


測定でも問題なく、自分のよく聴く音楽でもメリットがデメリットを上回っている(ほとんどデメリットを感じない)ので、取り立てて考える必要はないのかもしれませんが、確信をもつ(その気になる)には、納得のいく理由は欲しいところです。

そんなわけで、出口を絞ったバックロードの目的と適用性について再整理しておくことにしました。

踏み外してはいけない大前提は、出口制限はチューニングの手法のひとつとしての位置づけであり、これが良い方式だというわけではないということです。

せっかくの数少ない、しかも劇的な効果を見込めるバックロードの調整方法ですから、上手く活用したいものです。


さて、出口を絞ることによるメリットとデメリットを思いつくままに並べると、以下のようになります。

【メリット】

+1 ホーンからの中低域〜中域の漏れが減少する。(ホーンからの漏れが悪者だと考えた場合)

漏れが減少した結果、

+2 音のにじみが減りクリアになる場合がある。
+3 コーン前面からの音との干渉が減り、ピークディップを緩和できるケースがある。
+4 全体のサイズを維持したまま、低域端を低く伸ばすことができる。
+5 これらの効果を引き出しながら、低域の量感は変わらない。

【デメリット】

-1 ホーンからの中低域〜中域の漏れが減少する。(ホーンからの漏れを必要な音と考えた場合)
-2 断面積が急激に変わることと断面積が小さくなること自体により、ピークが鈍る。
-3 やり方として美しくない。

なんか、吸音材の功罪と似てます。

さて、デメリットのうち(-2)あたりはFAQだと思うのですが、個人的にはあまり問題視していません。

その理由は、
ということからです。

むしろ、デメリットのうち(-1)を非常に心配しています。
これについては、十分整理できていないので別の機会に。

デメリットが聴感に与える影響がいかほどか、精神衛生上良くない出口制限をするほどのメリットがあるのか、実際に聞いてみた結果、

もちろん、絞り加減によっても印象は変わりますので、最適点はどこかにあるのでしょう。

どこまで絞るのか、やっぱりやめるのかは、もともとのホーンの出来や部屋とのマッチングにもよるわけで、そのあたりがチューニング手法のひとつと位置づけている理由でもあります。

非常にうまく最適化されたバックロードに対しては、何をやってもマイナスになるのは当たり前なのです。


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